1-2 目覚めは森の中
第2話 前書き
前回は多くの方にお読みいただき、ありがとうございました!
ブックマークや評価、コメントをいただけて、とても嬉しく思っています。
さて、創造神によって転生した田中太郎。
その正体がついに明らかになりました...!
銀髪赤目の幼女吸血鬼、しかも真祖というチート設定。
「こんなのアリ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これから彼女(?)がどんな冒険を繰り広げるのか、温かく見守っていただければと思います。
それでは、異世界での新生活第一歩、お楽しみください!
「ん…んー…」
ゆっくりと目を開けると、そこは見慣れない森の中だった。大きな木々が立ち並び、木漏れ日が美しく差し込んでいる。
「あれ?声が…?」
自分の声を聞いて驚いた。明らかに前より高い。というか、子供の声?
恐る恐る自分の手を見てみると、小さくて白い手があった。まるで陶器のように美しい肌をしている。
「え?え?」
慌てて立ち上がろうとするが、体のバランスが全然違う。よろよろと立ち上がり、近くの湖面を覗き込んで愕然とした。
そこに映っていたのは、銀髪に赤い瞳の美しい幼女だった。年齢は5歳くらいに見える。服装は黒いゴシックロリータ風のドレス。
「うそでしょ…?」
そして、口を開けた時に気づいた。小さくて鋭い犬歯が生えている。
「まさか…吸血鬼?しかも幼女?」
混乱していると、頭の中に情報が流れ込んできた。
『おめでとう!あなたの新しい種族は「真祖の吸血鬼」です!』
『年齢:肉体年齢5歳(精神年齢は前世のまま)』
『特殊能力:無限魔力、超回復、不老不死、魅了、変身、召喚魔法、等々』
『特徴:日光OK、流水OK、にんにくOK、十字架OK(真祖なので一般的な吸血鬼の弱点は無効)』
『血を吸わなくても生きていけますが、吸うとより強くなります』
「これは…チートすぎない?」
さらに情報が続く。
『この世界の常識も記憶に追加しました』
『言語:完璧に習得済み』
『この世界について:中世ヨーロッパ風のファンタジー世界』
『魔法が存在し、モンスターも多数生息』
『人間の国々が各地に点在』
『吸血鬼は基本的に恐れられる存在』
「なるほど…つまり私は、チート能力を持った幼女吸血鬼として、この世界で生きていくってことね」
前世の記憶がある以上、精神的には25歳の男性なのだが、この可愛い外見なら色々と便利そうだ。
「でも、吸血鬼は恐れられるって…まあ、見た目が幼女だし、なんとかなるでしょ」
とりあえず、この森から出て人里を探すことにした。しかし、歩き始めてすぐに問題が発生した。
「あー、この体小さすぎて歩きにくい!」
5歳の体で森を歩くのは大変だった。木の根に足を取られそうになったり、茂みに引っかかったり。
「そうだ、魔法が使えるって言ってたよね」
集中して、浮遊魔法を試してみる。
「浮遊!」
すると、体がふわりと浮き上がった。
「おお!本当に魔法が使える!」
空中を移動しながら森を抜けることにした。魔力は無限らしいので、気にせず使える。
森の上空から見渡すと、遠くに煙が上がっているのが見えた。恐らく人里だろう。
「よし、あそこに向かおう!」
第2話 あとがき
お疲れ様でした!
ついに田中太郎の新しい姿が判明しましたね。
まさかの幼女吸血鬼(真祖)という、予想外の展開になりました(笑)
実は最初から「美少女転生もの」にするつもりはなかったのですが、書いているうちに「これは面白そうだ」と思って、このような設定にしてみました。見た目は5歳の幼女、中身は25歳の元サラリーマン男性という、なんともカオスな主人公の誕生です。
次回はいよいよ人里との接触ですね。
果たして吸血鬼として恐れられるのか?それとも可愛い幼女として受け入れられるのか?
魔法を使えるようになった主人公の活躍も、これから本格的に描いていきたいと思います。無限魔力という設定なので、色々と派手なことができそうです。
「真祖の吸血鬼って強すぎない?」というご意見もあるかもしれませんが、見た目が幼女という制約もありますし、この世界にはきっと強い敵も存在するはず...?
引き続き、温かく見守っていただければ幸いです。
次回もお楽しみに!
感想やコメント、いつでもお待ちしております。
作者より