第8話ほのか視点のダイジェスト(第1話〜第7話)
第1話「はじまりの出会い」
あの日のライブは、いつもと違う空気があった。
でも私は、気づかないふりをしてステージに立った。
ファンの前では、笑顔じゃなきゃいけないから。
だけど、乱入者がステージに向かってきた瞬間、私の心は凍りついた。
そのとき――誰かが私をかばってくれた。
怖くて震える私の手を引いてくれたのは、知らない男の子。
でも、不思議と安心できる背中だった。
「大丈夫、こっちだ」
その一言で、私は彼のことを信じてしまった。
第2話「名前を知って、距離が縮まる」
彼の名前は、陸。
同じ高校生で、しかも作詞作曲をしているなんて驚いた。
ライブ会場の関係者席にいた理由も、納得できた。
彼の音楽は、まっすぐだった。
飾らなくて、優しくて――
アイドルとしての私じゃなく、“一人の私”に寄り添ってくれるような旋律。
気づけば、私は彼との時間を楽しみにするようになっていた。
第3話「秘密の関係」
世間には言えない。でも、会いたい。
そんな気持ちで、放課後にこっそり彼と会う日々が始まった。
彼と一緒に作る曲は、どこまでも自由だった。
事務所の指示じゃない、“私の声”を形にしてくれる人。
どんどん彼のことを知るたびに、気持ちは膨らんでいった。
だけど、それが恋なのかどうか、まだ自分でも分からなかった。
第4話「芽生えと迷い」
ある日、彼が言った。
「もし、君が歌を辞めても……俺はきっと、君の歌が好きだったって思える」
その言葉が、私の心を大きく揺らした。
私は、アイドルとしての“ほのか”しか見てもらえないのが怖かった。
でも、彼は“本当の私”を見ようとしてくれる。
そんな人に出会ってしまった。
だけど、私はアイドル。恋なんてしていいの?
頭の中は、そればかりでいっぱいだった。
第5話「近づく心、重なる想い」
初めて、彼の家に行った。
一緒に音楽を作って、夜遅くまで語り合って――
あの日、私はたぶん、恋をしてしまったんだと思う。
「私は、アイドルである前に“私”なんだよ」
そう口に出せたのは、陸がいたから。
だけど、触れそうで触れられない距離が、もどかしかった。
第6話「気づいた想い」
レコーディングの日。
私は、自分でもびっくりするくらい緊張していた。
でも、彼の声があれば、不思議と落ち着いた。
「君の声は、ちゃんと届いてる」
そう言ってくれる彼の目を見たとき、
もう隠せないって、思った。
――私は、彼が好き。
それを確かめるように、肩を寄せた。
でも、彼は少しだけ、私を拒んだ。
「気持ちが本物か、確かめたいんだ」
優しい言い方だったけど、少しだけ、胸が痛かった。
第7話「現れた過去」
彼の“過去の人”が現れた。
美咲――作詞作曲を共にしていた元相方。
彼女は、自信に満ちていた。すごく綺麗で、強くて。
きっと、彼は彼女に憧れていた。
私は、そのことに気づいてしまった。
不安だった。負けたくなかった。
でも、音楽の才能じゃ敵わないって、心のどこかで思ってる自分がいた。
それでも、私には“今の私”しかない。
「私は私の声で、陸くんに届きたい」
そう言ったとき、彼は私の手を握ってくれた。
それだけで、少しだけ、安心できた。
でも――私は、まだ彼の中の“特別”になれていない。




