第16話新しい未来へ
桜井ほのかは、アイドルとしての日々を送る中で数々の困難を乗り越え、強く、そして自信を持って成長してきた。数ヶ月にわたる試練を乗り越えた後、ようやく迎えたこの日は、彼女にとって新しい未来の始まりを意味していた。
ライブのステージが、彼女を待っている。
ファンの歓声が聞こえ、周囲のスタッフやメンバーが忙しく動き回る中で、ほのかは心の中で自分に言い聞かせていた。「私は私らしく、全力で歌うんだ。」
その日のライブは、ほのかのこれまでのアイドル活動の集大成となるものだった。
何度もリハーサルを重ね、完璧なパフォーマンスを目指してきたが、それでもどこかで不安を感じていた。
「うまくいかないかもしれない。失敗したらどうしよう…」そんな思いが頭をよぎったが、すぐにそれを振り払った。
ステージに立つと、観客の顔が目の前に広がっていた。
その中で、何人ものファンが手を振り、声をかけてくれる。彼らの顔には、私を応援する温かい気持ちが溢れていた。
その瞬間、私は自分が何のためにここに立っているのか、何を目指してきたのかを思い出した。
アイドルとして、そして音楽を愛する一人の人間として、私はただ一つのことを決意していた。「私は、歌でみんなを幸せにしたい」
「桜井ほのか、行くぞ!」
スタッフの声で我に返り、私は深呼吸をしてからステージに向かって歩き出した。
その足取りは、以前の私とは違った。今、私は怖れを乗り越え、歌うことに全力を注げる自分になっていた。
ライブが始まり、私の歌声が会場に響き渡る。
その瞬間、何もかもが止まったかのように感じた。私の声が、ファンの心に届き、彼らと心が繋がる感覚を覚えた。
「ほのか、頑張って!」
会場の後ろから、あの声が聞こえた。それは、陸の声だった。
いつも支えてくれた彼が、今もここにいてくれる。それだけで、私はさらに力強く歌うことができた。
ステージの上で、私は自分の全てを出し切った。歌詞に込めた思い、メロディーに乗せた感情、すべてが今、この瞬間に集約されていった。
そして、歌い終わった瞬間、会場から大きな拍手が湧き起こった。その音は、私がどんなに努力してきたかを証明するものだった。
ライブ終了後、私は心から満足した気持ちで、舞台裏に戻った。
スタッフやメンバーが私を迎えてくれる。彼らの笑顔が、私の心に温かさを与えてくれた。
「ほのか、最高だったよ!」
「お疲れ様、次も期待してる!」
その言葉を聞いて、私は胸がいっぱいになった。これまで支えてくれたみんなに感謝の気持ちが溢れた。
そして、陸が私の元に駆け寄ってきた。
「お疲れ様。最高だったよ、ほのか。お前の歌、俺に届いたよ」
「ありがとう、陸くん。私、やっと…やっと自信を持てた気がする。みんなのおかげだよ」
私たちは笑い合いながら、しばらくその場で話をした。その時、私はようやく実感した。
私は、もう自分を恐れることなく、前に進んで行けるようになった。
その後、ライブの成功を受けて、私の次のステップが決まった。
事務所からは、次のシングルの制作や、新たなテレビ番組への出演が決まったという話があった。
私のアイドルとしての活動は、これからも続いていく。そして、私はこれからも歌い続けることを決めた。
「ほのか、次のステップが待っているよ」
マネージャーが私に話しかけてきた。
「もう、怖くない。私は次も全力で挑戦するから」
そう答える私の心は、もう何の迷いもなく、前を見つめていた。
その日の夜、私は一人で静かな場所に向かった。
今、私は何もかもを乗り越え、新たなスタートラインに立っている。
この瞬間、私はもう迷わない。そして、どんな試練が待ち受けていても、私は自分の音楽を、歌を信じて、これからも進んでいく。
「これからも、ずっと歌い続けるんだ」
夜空を見上げながら、私は新しい未来を胸に抱き、静かに誓った。




