両親の反応と校内での話題
僕は朝に帰宅した。
姉と顔を合わせず、のりきれたら——と。
玄関扉を開けると、父親がおり、「今帰ったか。まぁ、遊ぶのは程々にな。ゴムはしろよ……」と渋い表情を浮かべ、出勤した。
「そういうんじゃないから、父さんっ!」
僕は父親の背中に否定した。
ため息を漏らし、自宅に上がる僕だった。
リビングではキッチンでフライパンの油をはねる物音が聞こえる。
「ただいまぁ……」
「おかえりなさい。ソウちゃんは急ぎすぎなくて良いのよ。あの娘は彼氏の一人くらい作んなきゃだけどねぇ。まあ、ママとパパは高校生のときにシちゃったけど——」
「朝イチからぶっ込んだこと言わないで、母さん!シてないっシてないからやめてっっ!」
「あらそぅ〜。それはそうと、朝食を食べちゃいなさいよぅ」
「先にシャワーで汗を流してくる」
「あらあらぁ〜まぁまぁ!」
「違うから、母さんが妄想してることはシてないって!」
「お相手の裸は見たのでしょう?」
「それは……二人してどうかしてるよっもう!」
僕はリビングにいるのが嫌で浴室へと駆けた。
僕は浴室のシャワーで汗を流した。
昨夜のラブホで瞳に映った姫寺の裸体が蘇って、頭を左右に振り煩悩を捨てようと試みる。
羽井浪を抱きしめる前に他の女性を抱くなんて……
羽井浪の不機嫌な顔を見なければならないのがどうも……
姫寺と交わしたあれこれが脳内に膿を膿ませる。
姫寺の胸の感触、唇の柔らかさ、しなる身体のライン、自身の肌を這う指先の感触、アソコの生温かさ——といった女性の身体が蘇る。
彼女にアソコを舐めさせられ、苦くて不味い——舌が不快だ。カルピスを飲みたくない。
姫寺と交わした会話の数々も楽しいものではなかった。
——今度はいつにする?
——今度?付き纏わないんじゃ……
——会わないとは言ってないよ。で、どうする?
——考えときます。今回はこのへんで……
——まだたんないけど、今日のとこはこのくらいにするよ。彼女とシたら、私とどうだったか聞かせてよ。
浴室を出て、服を着てリビングに戻った。
朝食を摂り、制服に着替えるために自室に向かう。
7時30分には自宅を出て、登校した。
教室に脚を踏み入れた僕に、芝池が駆け寄ってきた。
「豊口さん、おはよう。昨日は美人さんとセックスしたってほんと?どうだった、どうだったのねえ?」
「おはよ……し、してないけど……」
「してない?嘘でしょ?噂ではヤってる感じだって……」
「してないよ」
「へ、へぇーそ、そうなんだ……じゃ、じゃあ、その美人さんとはどういったご関係で?」
「姉の友人……だけど」
「はあ……そうですかぁ」
落胆した芝池が友人の輪に戻っていく。
「おはよ、豊口くん。もうあの人、付き纏わないよね?」
「おはよ、羽井浪さん。そう、だね……」
不機嫌そうに頬を膨らまし、横から挨拶をした羽井浪だった。
「煮えきらない……あの人嫌いっ!」
「アハハ……」
乾いた笑い声をあげるしかなかった。
この日は他のクラスや上級生から姫寺との関係などを訊かれた。




