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いしころぼうし

作者: 曲尾 仁庵
掲載日:2020/08/09

 いしころぼうしが ほしいって


 そう 思っていた


 それを 身に着けた者は


 道端に 落ちている


 石ころ みたいに


 なんの 意味も 認識されない


 存在に なる


 そんな ふしぎな


 ひみつの 道具




 世界から 何も奪わず


 世界に 何も与えず


 最初から いなかったみたいに


 消え去ることが できたら




 いしころぼうしが ほしいって


 そう 思っていた


 それを 身に着けた者から


 あらゆる 価値を


 存在を 剥奪する


 そんな ふしぎな


 ひみつの 道具




 誰かを 傷付ける前に


 誰かから 傷付けられる前に


 打ち棄てられて


 消えてしまえばいい




 そんなことを 思っていたよ




 たのしい や


 うれしい や


 しあわせ が 好きで


 かなしい や


 さみしい や


 つらい が 苦手で


 世の中に ある


 悪意や 残酷さに


 勝手に 傷付いている


 自分が 嫌いだったよ


 傷付いて 泣くだけで


 何もしない 自分を


 バカらしいと 思ったよ


 自分の 無力さを


 何もしない 言い訳にする


 そんな 自分が


 たまらなく 嫌いだったよ




 この世に 居ていい


 理由を 探しているみたいで




 でもね


 でも


 今は――




 いしころぼうしが ほしいって


 今でも ときどき


 そう 思うけれど


 この世界に 生まれて


 この世界に 生きて


 この世界に 関わってしまったから


 愚かしいかも しれないけれど


 滑稽かも しれないけれど


 誰かを 傷付けるだけでなく


 誰かを 幸せにすることも


 できるかも しれないって


 少しだけ


 信じてみることに したよ


 本当かな?


 どうだろうね?


 だけど


 そうなったら いいなって


 今では そう


 思っているよ




 誰かを 少しでも 幸せにできたら


『ソノウソホント』に「みんな幸せになれ」と願ったら、どんな世界を見せてくれるだろう。

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