女神との交渉と与えられたスキル
これも書きためていたものです。続けて楽しんで下さい。
少し読みやすい様に文章を変更しました。報告させて貰います。
「それではボーダーになるという話は引き受けてくれますか?」
「引き受けるのは良いんですが、武術の心得とかなくても大丈夫なんですか?」
不安そうに尋ねる虎士郎にエウノミアーは笑顔で答える。
「大丈夫ですよ。ボーダーになってくれるのなら能力やスキルを多めに授けられます。但し調子に乗って世界の秩序を壊す存在になっても困るので、攻撃に関するスキルや能力は自分で少しづつ育ててくださいね」
「分かりました。それでどんな能力やスキルを与えてくれるんですか?」
コジローの質問にエウノミアーは笑顔のまま与える能力について説明する。
「今考えているのはレベルや能力の限界を取り払う限界突破を授け、そこに物理防御・魔法防御・敏捷性の能力値を500にして授けます。それに状態異常・対寒・対熱の耐性とステータスサーチのスキルレベルを全て最大にして授けます」
「ありがとうございます。能力値が最初から高いのはありがたいですね。これはレベルが低い段階で強敵と偶然遭遇する場合を想定しているんですか?」
「もちろんです。こちらの都合で攻撃力を制限していますから、無事に逃げ切れるくらいの能力は授けておかないと人手が減っては元も子も有りませんからね」
さらっとエウノミアーの本音が漏れたのを聞きつつ、虎士郎は気になる部分について反射的に質問していた。
「あれ? 逃げても構わないんですか?」
「敵わないと感じたらすぐに逃げてもらって構わないですよ。攻撃や防御の相性などステータスに見えない様々な要素が勝敗に関係する場合もありますからね。当然その場合には虎士郎さんの情報を基に使徒や天使を派遣することになりますから。」
自分よりも強い最大戦力ともとれる存在を聞いて、ようやく虎士郎は緊張を緩めることが出来た。
エウノミアーはそんな虎士郎の様子を見て言葉を続ける。
「安心してもらえましたか? まだ不安でしたらさらにスキルを授けましょうか? たださっき説明したように攻撃系のスキルは授けられませんが」
「それでは低いレベルでも良いので、最初から鍛冶や錬金のスキルを付けて下さい」
「構いませんけど……何かやりたいことでもあるんですか?素材や鉱物が無い状態ではあっても役に立ちませんよ?」
心配して訪ねてくるエウノミアーに虎士郎はこう答える。
「将来的に自分と共に成長する武器を造ってみたいんですよ。可能ですよね??」
急にテンションが上がる虎士郎の様子に若干戸惑いつつエウノミアーは答える。
「今まで見たことはないですが錬金術の技術の向上や素材の性質によっては造れるようになるかもしれないですね」
「ですよね~。いや~憧れていたんですよソーディ〇ンを持つの。今から楽しみだなー」
やる気がみなぎっている虎士郎に若干引きつつエウノミアーが話を続ける。
「何をイメージしているか分かりませんが……まあいいでしょう。やる気も出してくれたようですし、レベルアップする度に付くボーナスポイントも通常の5倍の50ポイントずつ付けちゃいましょう」
「ボーナスポイント? それって何に使えるんですか?」
「後付けでスキルを覚えたり、スキルのレベルを上げたりするのに使えるポイントのことですよ。それ以外にもレベルアップ以外で能力値をあげたいときに使えば数値の引き上げが出来ます。これからの活動に役立てて下さいね」
(色々頼んでおいてなんだけど結構すごいことになってないか?)
心配性の性格が交渉にうまく作用したのか多くのスキルや特典を貰えたのだが、今更ながら軽い後ろめたさを感じる虎士郎なのだった。
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