女神との再会と与えられた新たな力
続きを投稿します。楽しんで下さい。
朝になり、昨日打ち合わせしていた通り二人は教会を訪ねることにした。
中に入ると受付があり参拝客を捌いていたので並んで待つ。少し待つと順番が回ってきた。
「お待たせしました。参拝の方ですよね? 見慣れない格好ですが名前をお聞きしても?」
「はい? コジローですが」
「コジローさま!!! どうぞこちらへ」
びっくりした受付嬢は他の職員と仕事を代わると礼拝堂への案内を引き受ける。そして、その受付嬢の案内によって一般参拝客とは違う礼拝施設に案内されるのだった。
「ここは一般の礼拝堂とは違うようですが……?」
「その通りです。この場所は王族や貴族の方がお忍びで礼拝する際の場所となります」
さらりとそんなことを口にする受付嬢に恐縮してコジローが確認する。
「そんなところを俺が使っていいんですか? 礼拝のお金すら払ってないんですが……?」
「構いません。使徒やボーダーの人からお金を取ったら教会の権威が失墜します」
(そんなものなのか? まあ確かにエウノミアー様は怒ってくれそうだけど。)
そんなことを思ったコジローは教会の好意に甘えることにした。アイーダを隣に呼び寄せる。
「アイーダさん。隣に来て一緒に祈ってみてもらえませんか? 祈りを捧げると女神様と連絡が取れるはずなので」
「あんたをこの世界に呼んだ人って女神様だったのかい?」
「黙っていてすみません。女神様にもアイーダさんを知っていてほしいので……」
「分かったよ。祈ればいいんだね。なんて女神様なんだい?」
「エウノミアー様です。では祈って下さい」
二人はその後一心に祈り始める。すると礼拝施設がかすかに光を放ち始める。
そして、目を開けたコジローの見た世界は召喚されたときに見たあの空間だった。隣にはアイーダもいる。
「元気そうで何よりですね。コジローさん異世界はどうですか?」
「エウノミアー様また会えてうれしいです。異世界は新鮮な驚きが一杯ですよ」
二人は再会を喜ぶように言葉を交わす。そこに割り込む様に二人の女神が口を開く。
「やあ、君がボーダーのコジロー君だね。私はノミア姉の妹のディーケ、こっちはさらに下の妹のエイレーネだよ」
ディーケと名乗った女神は赤髪のショートヘアで目力のあるきれいな顔立ちの女神だった。胸はエウノミアーに比べると小さいが女性らしさは感じさせる大きさだった。
エイレーネと呼ばれた女性は緑の髪をセミロングで流している優しそうで可愛らしい顔立ちの女性で、Gカップはあるかという豊かな胸の膨らみが圧倒的な存在感を与えていた。
コジローは初めて見る他の女神に戸惑いながら挨拶する。
「ディーケ様、エイレーネ様始めまして。コジローと言います」
「ああ、いいっていいってそういうのは。私たちも君のことはここから見て知っているしね」
「えっ、そうなんですか?」
「そうなんですよ~」
おっとりと話すエイレーネ。コジローは説明が要らないということなので、あっちの世界で感じていた違和感について聞いて見ることにした。
「エウノミアー様、質問があるのですがいいですか?」
「何ですか?」
「俺あっちの世界では30歳だったんですけど、こっちで年下にみられることが多いのはなぜですか?」
「ああ、それですか。コジローさんをボーダーにした時に寿命をハイエルフ並みにしたからそれで見た目が18歳ぐらいに成ったんじゃないですか」
「……は?」
突然すごい情報が入ってきたためコジローは暫く固まる。そのコジローの姿を見てさすがに二人の女神が声を上げる。
「ノミア姉、さすがにそれは」
「ノミ姉さま確認は取らなきゃだ~め」
二人に避難される形になったエウノミアーはいじけてしまう。
「もう。二人して何よ。良いの。私が気に入ったから良いの。コジローさんを長く眺めていたいから良いの」
秩序を守る女神がわがままを言い始める。こうなると聞かないのを知っているディーケは露骨に話を替える。
「っとそうだ。コジロー君。君は魔術・呪術などで奴隷にされてる人を開放することも役割に含まれているよね?」
「はい。そのとおりです」
「ただ現時点で解呪する方法が無いっと」
「そうです。調べる方法も無かったんですが、何か方法があったりするんですか?」
「いや、私が力を授けることにするよ」
「いいんですか? 俺はエウノミアー様のボーダーですよ」
「いいのさ、それに奴らは本人の意思を踏みにじる極悪人さ。そんな奴らには正義の名のもとにあらゆる無法が許されるのさ」
ニヤリと笑い物騒なことを言いだすディーケ、それを見て一つのことに対して絶対を持っているこの人もまた神なのだと改めて思うコジロー。
「では解呪の能力を授けるよ。これは神の力を使っているから人の力を使った呪いは全て弾き飛ばすことが出来るからね」
「ありがとうございます」
コジローがディーケから力を授かっている時にエイレーネがアイーダに話しかける。
「あなたが~アイーダさんですね~」
「はい」
「私も~あなたにスキルを授けます~」
「どんなスキルですか?」
「何のことは無い家事と料理のスキルですよ。でも家事は家の安全を守る重要な要素、料理は旦那の胃袋をつかむ効果的な武器よ~」
「効果的な……武器」
(あたしがコジロー放さないための効果的な武器は料理だってのかい? このあたしの料理が……?)
エプロン姿で料理を振る舞う自分が想像できずにいるアイーダに手をかざしエイレーネもスキルを授ける。
そして二人がスキルを与え終わったころ、いじけていたエウノミアーが復活して二人を呼び寄せる。
「二人ともこちらに」
「はい」「分かりました」
「まずあなたがアイーダさんですね」
「はい。エウノミアー様」
初めて見る女神の姿にアイーダは息をのんだ。エウノミアーがアイーダを見た後にコジローに尋ねる。
「そう畏まらなくても構いませんよ。ところでコジローさん」
「はい。何ですか?」
「アイーダさんは大事な女性なんですよね?」
「はい。大事な女性です」
エウノミアーに聞かれたことに答えているだけなのだがアイーダには女神に宣誓しているように見えた。
自然とアイーダの頬が赤くなる。
(この間も町中で告白してくれたってのに……今度は女神様に宣誓までしてくれるなんて……。あたしももうコジロー以外を好きにならないことを誓うよ。)
そう誓いを立てる乙女モードのアイーダにエウノミアーは再び向き合うと声を掛けた。
「さてアイーダさん。あなたには私から加護を授けます。コジローさんよりは低いですが、有効に使って下さいね」
「私が? ただの冒険者ですよ」
疑問に思うアイーダに顔を寄せてエウノミアーが小声で話す。
「良いですか。コジローさんは近い将来あなたを頼りになる存在から守るべき女へと認識を変化させるはずです」
「守るべき……女」
その言葉が頭の中を駆け回る。おとぎ話のお姫様になった気分になり、自然とだらけ切った顔になったアイーダはエウノミアーの次の言葉で気持ちを引き締める。
「いいですか? あくまで近いうちにです。それまではあなたが守り力になる役割は変わりません。そして、これからはあなたがコジローさんの足枷になって貰うわけにはいかないのです」
「つまり、あたしが捕らえられたり洗脳されたりしない様にってことですね」
「理解したようですね。では物理防御・魔法防御・敏捷性を現在の数値から+100増やします。そして状態異常耐性のレベルを最大にして授けます」
「ありがとうございます。これからもコジローを支えます」
「期待していますよ」
「そうそう。アイーダさん。コジローさんが何かトラブルに巻き込まれた時は礼拝に来てください。こちらからある程度見ているので、やみくもに探すよりは解決が早まりますよ」
「ありがとうございます。エウノミアー様」
こうして久しぶりに会った女神との時間で新たな力を手に入れた二人なのであった。
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