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三姉妹の語らいと天界の倫理観

今回は気分転換に書いてみたお話を閑話の様な感じで書いてみました。今回も楽しんで下さい。


 コジローがバモントへ向かう護衛依頼を受けることにした様子を自身の管理する空間で眺めていたエウノミアーは満足そうにしていた。


(どうやら無事に過ごせているみたいですね。)


 安心した様子を見せていると管理する空間にだれかが侵入してくる。


「エミア姉邪魔するよ」

「ノミ姉さまお邪魔します」

「ディーケ、エイレーネ、今日はどうしたんです。それにエイレーネいい加減ノミ姉は止めなさい。私は酒に溺れてなどいませんよ」

「でもでも~可愛らしいじゃないですか~」


 エウノミアーの注意を気にする事無くエイレーネはのんびりとした口調で反論してきた。


「……はぁ。話が進まないから良いです。それで何しに来たのですか?」

「いや、実はさ。ノミア姉が召喚したボーダーいるじゃん? あいつの行動たまに見させてもらってるんだけど、どうせ見るなら一緒に見て楽しみたいかなって」

「……良いですけど自分の仕事を疎かにしないようにね。お母さまが怒りますよ」

「分かってるって。テミス母さんはただでさえそういうの(うるさ)い人だからさ」

「分かればいいんです」


 三人で仲良くコジローの様子を観察しているとディーケが口を開く。


「でもあれだね。このコジローの住む国の人間……ニホンジン?? だっけ? 女を抱いたくらいで責任を感じちゃうなんてそんなに性に対して厳しい国なのかね?」

「その辺りはコジローさんの性格も有るでしょうけど……。基本的にニホンジンは(いさか)いを嫌う傾向が強いからみたいですよ」


 ディーケの質問にエウノミアーはそう答える。


「でもそんな性格じゃあ下手したら娼婦の子供まで育てかねないよ」

「……まあ冒険者の女性が付いてるからその心配だけは無くなったんですけどね」

「でもでも~コジローさんは~押しに弱いと思うの~」


 おっとりとしていながら核心をしっかりとついてくるエイレーネの言葉に頷くエウノミアー。


「でも二人はどうなの? 男性としてああいうタイプは嫌い?」


 エウノミアーの質問に二人は少し考え込むとやはりというかディーケから口を開く。


「私は特にそういうのは気にしたことないかな。あたしに手を出した男が女性を泣かす悪だった場合このゴッドブローを叩き込むだけさ」


 拳に神気を纏わせ金色に輝きながらそう告げるディーケ。

 正義を司る女神らしく行為自体ではなく男の善悪が判断材料となるようだ。


「わたしは~家庭自体が平和なら~有りだと思うの~。たぶん~コジローさんは家庭にトラブルを持ち込まないタイプのようだし~」


 末の妹エイレーネは平和を司る女神らしく家庭内にトラブルを持ち込むような男は駄目という判断基準のようだ。


「わたしたちのことよりもノミア姉はどうなのさ?」

「私? 良い人だとは思うわよ。そうじゃなきゃそもそもボーダーに指名なんかしないし」


(そう。現世にいた時から彼を観察していた。上司の無茶ぶりに何とか答えつつ、後輩の面倒もそこそこ見れる優しい性格をとても好ましく思った。)


 秩序の女神としての仕事をこなしつつ、彼を観察するのが少し楽しくなってきていた。そして今回の召喚になったのだ。


「ノミア姉がボーダーの子を大切に思ってるのは分かったよ。じゃあ何とか親父みたいな男にしない様に気を付けないとね」

「コジローさんは、自分からガツガツ行くような男じゃないわよ」


 女神たちの父ゼウスは積極的に浮気をする女性の敵とも言える男だった。母テミスがいながらヘラという女神に手を出し離婚し、それでも他の女神に手を出し続けている。聞いた話では自分の娘にまで手を出しているような救いようのない男になってしまったようだ。


「たしかに~お父様の様に~力づくでの関係は~平和的ではないと思うの~」

「コジローさんがそんな真似をしたら私が神罰を下します」


(あんな最低な男にコジローさんをさせない。)


 そんな思いを込めてそう宣言すると二人の姉妹も揃って意見を口にする。


「じゃあ、今度ここに来たときにみんなで一度話をしてみようよ」

「そうですよ~。三人でコジローさんを正しく導きましょ~」


 姉妹たちの意見を素直に受け入れ、コジローが連絡を入れに来るのを待つことを決めるエウノミアーだった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。今回はお風呂に入っているときにふと思いついたお話です。楽しんでいただけたらなと思います。

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