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乙女の計画とスキルの確認

続きを投稿します。今回も戦闘を含むため若干長めになりますが楽しんで下さい。

 朝になり、コジローは村の広場でアイアンロッドを使った自主練をしていた。


(このロッドを手足の様に扱えるようにならないと……。)


 当面の戦闘スタイルを棒術に決めたコジローは、しばらく朝練を続ける決意をする。広場に人通りが出始めた頃コジローは、練習を切り上げギルドに足を運ぶべくこの場を後にした。



 ギルドの中に入るとアイーダが既に待っていた。にこやかな笑顔でコジローに声をかけてくる。


「おはようコジロー。今日もよろしく頼むよ」

「こちらこそ。今日も頼りにさせてもらいます」

「……ああ。あんたのことはあたしが守るから安心しなよ」


 頼りにされたことが嬉しいアイーダは、昨日の計画を一瞬忘れて思わずそう返事を返してしまう。

 そんなアイーダと共に今日のクエストを選ぶため、いつものように壁へと移動した。


「アイーダさん。今日はどうしましょうか?」

「そうだね、今日も討伐依頼を受けないかい? 討伐クエストを達成した方がランクアップが早いはずだからね」

「分かりました。じゃあ今日はコボルト討伐ではどうですか?」

「ああ。それでかまわないよ」


(よし。これで戦闘経験も積めるし、ギルドへの貢献度も高いからランクアップに確実に近づいてるよ。)


 カウンターに依頼書を提出しに行くコジローを見送りながら、当初の目的どおりのクエストへ誘導することに成功したアイーダはしあわせな未来を想像して頬を緩めながら立っている。


「イレーネさんおはようございます。今日はこのクエストをお願いできますか?」

「分かりました。ではクエストの説明を行います。今回はコボルトの討伐です。村周辺にいるコボルトを5匹以上倒して来て下さい。ゴブリンの時のように、討伐部位の切り取りもお願いしますね」

「分かりました。行ってきます」


 イレーネにそう告げるとコジローはカウンターを後にする。そしてアイーダと共にギルドを後にした。

 村の門番にギルドカードを見せてレーヌを後にしたコジローは、少し離れてからアイーダに昨日獲得したスキルを使った実験内容を説明する。


「アイーダさん。少しいいですか?」

「うん? なんだい?」

「実は昨日新しいスキルを獲得したので、今日のクエストで練習したいんですが……」

「それは構わないけど、どんなスキルなんだい?」

「まず転送魔法なんですが、ここにある木を一緒に覚えていてもらえますか?」

「ああ。構わないよ。転送ってことはここを目印にするんだね?」

「はい。上手くいけば山からの帰りがかなり楽になるはずです」


 さらりとそう言うコジローに普通は驚くだろうが、アイーダはアイテムストックなど規格外のスキルを知っているため素直に期待を込めた言葉を口にした。


「上手くいくことを祈ってるよ。他にも何か覚えてるのかい?」

「他は攻撃魔法なので、敵と遭遇した時に先制攻撃を任せて下さい」

「その辺はコボルトの数を確認してからにしようか。今はとにかく山に行くよ」

「分かりました」


 山に辿り着いたので、コジローはアイーダにコボルトについて聞いてみる。


「アイーダさん。コボルトを探すときはどこに気を付ければいいですか?」

「そうだね。コボルトはゴブリン同様に、森や洞窟から人を襲いに降りてくるんだ。だから今日はそこを重点的に探していくよ」

「はい。分かりました」


 森の木々を掻き分けて進んで行くと、何か話声の様な物が聞こえてきた。

すぐにアイーダの近くに行き相談することにする。


「何か居るのは間違いないですね。どうします?」

「とりあえず二人で様子を見に行って倒せそうなら倒す。駄目なようなら逃げる。これしかないね」

「そうですね。奇襲出来そうなら攻撃魔法で牽制できるんですが……」

「とりあえず行くよ。付いてきな」


 アイーダに促されコジローは後に続く。少し進むとゴブリン3匹とコボルト5匹が縄張り争いをしているようだった。


「全部で8匹か、少し多いね」


 アイーダがどうするか考え込むのを見てコジローはさっきの意見を提案する。


「アイーダさん。攻めるか逃げるとしても一度魔法で数を減らせる可能性に賭けてみませんか?」

「だけど、数を減らせなければ一気に不利になるよ」

「その時は最悪転送魔法も有りますし。保険も有ります」


(もし逃げる様になったら、アイーダさんを担いで安全圏まで走り抜けた後に転送して逃げよう。)


 アイーダに内緒にしている強化された敏捷性があるので、強気に提案をするとアイーダさんが折れた。


「分かったよ。但し、初撃で敵の数が減らなければ逃げることだけは絶対守るんだよ」

「では魔法を試してみます。少し後ろに下がって見てて貰えますか」


 障害物のない場所まで移動したコジローは、右手を掲げながら氷結魔法を意識すると氷の槍のイメージを固めていく。そして敵の人数と位置を再度確認し、氷の槍を同じ数だけ用意して頭に浮かぶ技名と共に右手を振り下ろし発射する。


「フリーズランス!!」


 8つの氷の槍は、敵の側面に向かって飛んでいき見事全員に突き刺さる。ゴブリンは頭部や腹部に一撃を食らい、2匹が死亡か戦闘不能の重傷を負った。残りの1匹も何とか立っているものの後一撃で倒れそうなくらい弱っている。

 コボルトの方は2匹の頭部に刺さり倒れこむのが見えた。1匹は足に刺さり機動力が落ち、残り2匹は盾を貫通して腕に当たったため軽傷だった。

 コジローはすぐさま追撃態勢に入る。右手を掲げて今度は風の槍を思い浮かべイメージを固めていき、立ち上がっている敵の数だけ作り技名と共に更に発射した。


「ウインドランス!!」


 奇襲を受けた敵も今度は正面を向いていたが、ゴブリンは躱すだけの余力はなく胴体に食らって倒れこむ。

 コボルトも足を負傷した1匹は躱せず胸部に一撃を食らい息絶える。残りの2匹は盾を使って再び防ごうとしていたが、氷の刺さった腕では反応しきれず風の槍は2匹の足の付け根付近を突き抜ける。

 コジローは数が互角になったためアイーダさんに声をかけた。


「アイーダさん。このまま一気に止めを刺しましょう」

「そうだね、仲間を呼ばれても厄介だから最速で片付けるよ」


 二人はそう確認し合うとコボルトたちのいるところまで駆けて行き、止めの一撃を放っていった。

 全ての敵の死亡を確認した二人は、死体をゴブリンとコボルトに分けて集めるとコボルトのみをアイテムストックに収納した。ゴブリンの死体はこの間の様に火葬を始める。

火葬の間コジローはコボルトの素材について聞いてみる。


「アイーダさん。コボルトは素材として価値がありますよね?」

「安心しな。コボルトの場合は毛皮や肉に需要があるから売れるよ。但し、こいつらもゴブリン同様数が多いから高くは買取されないけどね」

「そうなんですね」


 高く買い取ってもらえないことに少し残念な顔をするコジロー。そんなコジローを慰めるべく、アイーダは話題を替えるためコジローの魔法について詳しく話を聞いてみることにした。


「ところでコジローすごかったじゃないか。あんな魔法どうやって覚えたんだい?」

「魔法を使おうと意識した時に頭にイメージが広がったんです。スキルレベルが上がるたびに使える魔法が増えるんじゃないかと」

「そうか。なんにせよ助かったよ」


 そうしていると、火が消えて火葬が済んだのでコジローはアイーダに声をかける。


「じゃあそろそろ帰りましょうか? 転送魔法を使います。アイーダさん、一緒に転移する成功率を上げたいので手を繋ぎますね」


 そう言ったコジローは返事を待たずにアイーダの手を握る。少しびっくりして顔を赤くするも大した抗議が出なかったため、コジローは転送魔法を試すため目印に選んできた木を思い浮かべる。

 転送は上手くいき、次の瞬間コジローとアイーダが立っていたのは目印にしていた木の目の前だった。


「初めてでしたけど上手くいきましたね」

「ああ、これはかなり便利だね。でもこれは転送先に気を付けないといけないよ」

「はい。気を付けます。じゃあそろそろレーヌに帰りましょうか?」

「そうだね、さっさと仕事を終わらせようか」


 移動時間短縮のメリットを受けて早めの依頼報告に向かう二人だった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。いや~頭に浮かぶイメージを文字にするのはほんとに難しいですね。皆さんにうまくイメージが伝わると良いんですが・・。

皆さんのご意見・ご感想をお待ちしています。


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