76 老騎士と安酒(その1)
<カランカラン>
酒場の扉が開くと一人の老騎士が入ってきた
扉を開けた状態で立ち止まり、酒場の中を一瞥した
カウンターの中では酒場の店主、つまりオレがグラスを拭いている
カウンターでは、背が低くて肥った髭だらけの男が酒を飲んでいる
テーブルでは胸元が丸見えの真っ赤な服を着た娘と皮鎧を付けて剣を腰に下げた男が何やら話をしている
また別のテーブルでは少女がホットケーキを食べている
それらを見て安心したのか、雰囲気が少し和らいだ
・・・本人は気がついていないだろうけどバレバレ
他人からは結構見えるんだよね
訳ありだってのが丸判り
まだまだだね(笑)
老騎士は扉をさらに開けて後ろにいた人間を酒場に招き入れる
若い女が入ってきた
気分が悪いのか、フラフラしている
ちょっと年上の女性に支えられているが今にも倒れそう
見ているコッチの方が心配で倒れそうだぞ?(冷汗)
オレの酒場にそんなものを連れてくるな!、声を大にして言いたい
厄介事の雰囲気がプンプンする
・・・このまch、ではなく酒場にはまともな市民はいないのか(笑)
若い女がテーブルに座ったのを確認してから老騎士がこちらに来て言った
「酒を頼む、ワシは安酒を、あっちはイイ酒を」
おおっ?!
ひさしぶりにマトモな注文が来たぞ(笑)
ただしウチではなんでも金貨1枚だよ?
そう言ったら
「・・・かまわん」
確実に心の中で泣いているよな(笑)
「あと、何か食べるモノも頼む・・・」
ぼったくりを判った上に追加のオーダーがきたよ
苦情の選択だね(笑)




