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3 美女とアイスクリーム

「ねえマスター、アレ以外になんか冷たいものないですか?」


潰れている剣士を指差しながら問いかける美女


ビールとやらは冷たいらしいがキケンと認識されたみたいである






胸がボン、腰がキュ、お尻がボンの抜群のスタイル


その身体の線を強調する真っ赤なドレス


南国系の褐色の肌と黒髪


だれが見ても美女という目鼻立ち


話しかけられたら、男はだれでも好かれているだろうと勘違いするほどの色気が出ている


例えるならば、異世界版の峰富士子?


ある意味、男の理想がここにある!、といっても過言ではない






そんな美女に話しかけられても眉ひとつ動かさない店主


「それではアイスクリームなんてどうでしょう?」


普通に対応していた


・・・男として大丈夫か?







「ん~、アイスクリーム?それ何?何?」


興味深々で聞いてきた






そりゃそうでしょう


剣士のあの驚きを見ていればとんでもないものが出てくるのが期待できます






「牛の乳と卵を使った冷たい御菓子です」


そう言う店主に


「え?牛の乳と卵はちょっと・・・」


拒否反応を示す美女


どうやら腐りやすいモノを使っているのでNGらしい







「それでは少しだけ食べて見ませんか?」


そういって、冷凍庫から大きめの紙のカップを取り出した


蓋を開けて、中身を大きめのスプーンで少しだけガラスの容器に盛る


「えっ?これがアイスクリーム?!」


どうやら初めて見たみたいである







添えられて小さなスプーンでアイスクリームを少しだけすくい取り、恐る恐る口に運ぶ


<パクっ>


口に含んだ途端、目が見開かれる


「つめた~い!あま~~い!」


どうやら気に行ったみたいである






「いただきます!」


美女はそう言うと、金貨を1枚取り出して、カウンターに置いた


どうやらこの店は何でも金貨1枚らしい


とんだ『ぼったくりバー』である






店主が再度、冷凍庫から容器を取り出し、大きめのガラスの器にアイスクリームをこんもりと盛る


そしてスッと美女の前に置いた





「いただきます!」


店主から教えられた異世界の食事の挨拶を手を合わせて言ってからアイスクリームを食べ始めた


なお、挨拶の間もスプーンは手放しませんでした


どんだけ食べたがっていたかがわかりますね









~30分後~


「・・・」


食べ過ぎてカウンターに突っ伏している美女がいた


しかし、お腹を壊してトイレに籠らないだけ剣士よりは利口かもしれない

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