法律について
暇つぶしにどうぞ。
「ふーんふふふーん♪」
「はいアウトー」
「!?」
「そーゆーパクリは良くないから。もうパロディですーって言っても許される時代じゃないから。法律は日々進化してるんだよ? どこで誰が聞いてるかわかんないんだからね」
「パクリ!? なんだかよくわからんけど、だ、だからといって個人の表現の自由を剥奪するのは良くないことだと思います!」
「馬鹿なの? 捕まるならいいけど、捕まりたくないならおとなしくしてたほうが身のためだよ?」
「捕まるのは嫌です」
「素直でよろしい」
「でも最近の法律は厳しすぎると思うの。やれ違法ダウンロードだ、やれ『ここのこの部分が似てると思うの』だ、そんなの知らないでかぶっちゃった人が可愛そうじゃんね」
「……厳しいから今の社会が成り立っているんだよ」
「めっちゃ遠い目してるー……これだけ世の中に作品が生み出されてるんだから、ちょっとぐらいかぶったっていいと思うんだよね」
「それは一理あるけど、じゃあこれ以上作品を生み出さなきゃいいじゃん、って話なんじゃない? 一人っ子政策的な」
「でも生まれてしまうのが作品なのだよ。その作品に憧れて生み出してしまう罪深き人間なのだよ!」
「暑苦しい」
「すんません」
「どうして人間って、新しいものを生み出しちゃうんだろうね」
「産む機械だから?」
「それ問題発言だから。国会で問題になるやつだから」
「人間は何かしらを生産するために生きてるんだよ。物を作るのは人間。もし機械化されても機械を作るのは人間。その人間を動かすためのエネルギーとなる物を作っているのも人間。さらに言うなら、作っている人をサポートするのも人間。ストレスを作るのも人間。発散させるのも人間の手によって作られたもの。人間は日々進化してるんだよ」
「すごい当たり前のことだけどさ、進化したがるから人間なんだろうね。人間ってなにかしら達成感を求めるもんね。進化の過程である目標の達成だったり、ゲームのレベル上げだったり、買い揃えた漫画だったりさ、何かを成し遂げて得た達成感によって、少しでも自分が進化してるって思えるんだろうね」
「すごい難しい話かもしんないけどさ、最終的には人間スゲェなって思うよな」
「わかる。変なところに力入れてるのも人間だしね」
「ベクトルはおかしいにしても、それで楽しめる人がいるんだもん。人間様だよな」
「じゃあ私たちも人間の端くれとしてなんかしてみる?」
「じゃあ子どもを作ろう」
「イヤ」
「……さいですか」