おいでませクソ野郎共
-天悪大戦-
かつて、地上は天使と悪魔の戦場であった。卑劣なるアクマ共は人間を利用して有利に戦いを運んだ。人間は奴らにとって道具でしかない。遂に、悪魔は降参し、自らの種族の血を薄めることを条件に、自らの種族の生存を申し出た。ジヒブカき天使サマは、それを許し、大戦は終わった。
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「亜羊 心口クン……まずはニュウガクおめでとう!キミのようなフツウのニンゲンがワがコウにキてくれるのはとてもうれしい。」
「はぁ……ありがとうございます?」
「ノンノン、もっとキガルに「セラ」とヨんでくれ!ワタシはトクにニンゲンがだいすきなんだ!トクにトクにそのメ!シロクロハッキリしててスきさ!もっとよくみせてくれ!」
セラは亜羊の顔を両手で包み込み、マジマジと覗き込む。セラの豊満なボディに、美術館の絵画からそのまま抜け出てきたように完成された顔で近づかれては、老若男女関係なく、頬と耳を赤らめてしまうだろう。勿論、亜羊も例外でない。
「む、すまない。ナゼかキミのメだけはきらいだ。おかしいな、イマまでこんな
ことなかったのに……」
セラはぺいっと亜羊の顔を放り、コテンと首を傾げた。この瞬間を絵にしたらきっと高値が付くだろう。
「用がないなら帰りますね、セラ会長。」
「ツギはセラってヨんでくれるとうれいしな!」
亜羊は振り返ることなく、生徒会長室から退出した。
何故自分がこの天使、そして悪魔と人間の混血が入り混じる難関校の学舎に入学を認められたのかわからない。しかし、学費免除、衣食住の提供、その他諸々の特典が付けられては、最早選択肢はないに等しかった。
日本の社会は天使が絡むことで政治的にも良い方向に進み、発展が加速した。天使が人間を学ぶ場として、天魔学園は設立され、今年で500年を超えた。
一方で悪魔は人間と交わり、混血となることで血が薄まり、かつての大戦が嘘のように人間に近しい存在となった。それでも人間よりは優れた存在なのか、混血は体が丈夫であり、特異な力を未だに受け継いでいるものもいる。
先の大戦で、天使は悪魔を嫌っているのか、学舎の中でも悪魔と天使は別の棟で基本授業を受けている。まぁ、廊下ですれ違うだけで天使が怪我をしたとか、悪魔が腕をへし折られたとか聞けば、そうしたくもなる。
そんな天魔乱れる学園に何故か入学した哀れなごく普通の人間、亜羊 心口。
学園でもあまり多くない人間が入学したならば、噂になるのは当然であった。
「お前、名前何?」




