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第61話 空間魔法授業 〜新たな領域へ〜

 専門課程に進んだレンたちの授業は、ついに新たな段階に入った。

 本日から始まるのは、かねてよりレンが最も興味を持っていた分野──空間魔法の授業である。


 


「さて──今日は皆に【空間魔法】について学んでもらう」


 


 教壇に立つのは、空間術式を専門とするヴァロス教授。

 穏やかな声だが、その背後の巨大な術式図が光のホログラムで浮かび上がっていた。文字と図形が複雑に組み合わされ、幾何学的な構造を形作っている。


 


「空間魔法とは、我々が存在する現実空間の構造そのものに干渉し、加工・制御する魔法体系のことじゃ。これまで学んできた炎や水、風などの現象操作とは異なり、空間そのものを対象とするのが特徴じゃな」


 


 教授は生徒たちを一人一人見渡しながら続ける。


 


「空間魔法は分類として非常に幅広い。収納拡張、転移、結界形成、封印、空間接続──多くの応用技術がここに含まれる。

この授業では、その基礎となる理論と術式構造を学んでもらう」


 


 ホログラムが切り替わり、マジックバッグの術式構造図が映し出される。


 


「まずは最も身近な空間魔道具──拡張収納具マジックバッグから解説しよう。

収納空間は副次元領域に展開され、術式を通じて座標固定と出入口制御が行われておる。これが空間魔法応用の基本設計じゃ」


 


 レンは静かに眉をひそめた。


(……空間そのものを拡張?座標そのものを操作?)


(現実世界の物理では、空間の構造を加工するなど不可能だ。けれど──この世界ではそれが普通に行われている)


(ならば──どんな仕組みで成立している?現象が起きているなら、必ずそこに“理屈”は存在するはずだ)


 


 科学の常識では到達できない現象。

 だがそこにこそ、レンの探究心は強く引き寄せられていた。


 


 こうして、レンの空間魔法研究が静かに始まった──。

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