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第33話 読み書き修行の日々 〜学びは続く〜

魔法学園入学に向けた準備が始まって数日――

レンの読み書き修行は、順調に進み始めていた。


**


「……これは"セイレム"、国名ですわ。こちらが"グラーデン"、有名な山脈の名前ですの」


ラネアは地図帳を指し示しながら、読み上げていく。

読み書きだけでなく、この世界の地理や国の名前も教えてくれていた。


**


「地名まで覚えるのは大変だな……」


苦笑しつつも、レンはノートに書き写していく。

もともと学ぶこと自体は嫌いではない。


**


《記憶補助プログラム、同時並行学習モードを維持中》


クロエのサポートもあり、学習は着実に進んでいた。


「ありがとう、クロエ。君がいてくれて助かるよ」


《お役に立てて光栄です》


**


(この世界の文字は意外と規則的だ。音と文字がほぼ一致してる。発音の違いは多少あるが、まぁ実用上問題ないだろう)


**


ラネアは微笑みながら、ふと話題を変えた。


「ちなみに、現在のこの国の王はアレストリア陛下ですわ。……まあ、当然ご存じでしょうけれど」


「……ああ、もちろん」


レンはわずかに苦笑して答えた。

もちろん、初耳だった。


**


(さりげなく常識まで教えてくれてるな……)


ラネアが優しくレンの事情を察していることは、なんとなく感じていた。


**


そして、ふとラネアは少し考えた後に尋ねた。


「ところで、計算の方はお得意ですの?」


「え? ええ、できますよ。むしろ得意なくらいです」


「それは安心しましたわ。王都に行けばこことは違い、お店で必要なものを自分で選んで、お金を払って買う必要がありますの。計算ができないと困ったことになりますから」


「……えっ、あの……お金?」


レンは思わず固まった。

お金の制度については、これまで深く考えたことがなかったのだ。


ラネアはその反応を見て、やはり――と微笑んだ。


「ふふ、やはり王都に行く前に少し教えておきますわね。貨幣の種類や相場を知らないと、騙されることもございますのよ」


「あ、ああ……ぜひ頼むよ」


**


こうしてラネアは、読み書きと一緒に

「王都生活に困らないための常識講座」も加えてくれるようになった。


新しい学びの扉は、着実に広がっていく。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

日々少しずつですが、物語をお届けできることが何よりの喜びです。


また次回も、お付き合いいただけたら嬉しいです。

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