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第31話 行商人との出会い 〜空間魔法という謎〜

村の広場は、久々に少し活気づいていた。

山を越えて訪れた行商人が珍しい品々を並べ、村人たちが集まっている。


**


「行商人が来るのは珍しいんですね」


広場を歩きながら、レンがラネアに声をかけた。


「ええ、山道は険しく危険も多いですから。

ですが、たまにこうして珍しい品を持ち込んでくださいますのよ」


**


露店の前には、村では見かけない品々が並んでいた。

金属細工の道具、宝石が埋め込まれたアクセサリー、そして――


レンの目を惹いたのは、革でできた小さな袋だった。

だが、ただの袋とは違い、かすかな魔力の気配を放っていた。


**


「これは……?」


レンが興味を示すと、商人がにこやかに説明を始めた。


「お目が高い!

これは『魔法袋』――中に入れた物が重さもかさもなくなる不思議な袋でさ。収納用の魔道具ですぜ」


**


(収納魔法……?)


レンの科学者としての好奇心がざわめき始める。


**


「どんな仕組みなんです?」


「へへ、お客さんも変わってますなあ。

これは"空間魔法"ってやつが組み込まれてるんでさ。

詳しいことは職人の秘伝でしてねぇ。ま、中に入れた物を別の空間に保管してるって寸法です」


**


「空間魔法……?」


レンが繰り返すと、ラネアが軽く説明を添えた。


「空間魔法とは、距離や広さといった空間そのものを操作する魔法ですわ。

遠く離れた場所への瞬間移動や、別の空間に収納したり――高度な魔法でございますの」


「なるほど……なかなか面白そうな魔法だな」


レンはしばし考え込む。


(……これもまた、理屈を探りたくなる分野だな)


ふと、疑問が浮かぶ。


「空間魔法って、どうやって学ぶんだ?」


「それは――王都の魔法学園で正式に学ぶ必要がございますわ。

空間魔法は高等魔法に分類されておりますもの」


「魔法学園……?」


レンの目が一瞬輝いた。


(学園か……! 学ぶのは嫌いじゃない。むしろ、面白そうだ)


ラネアが優しく微笑む。


「もし入学をご希望でしたら、私が推薦いたしますわ」


「本当に?」


「もちろんですわ。ですが、入学には条件がございますの。

魔法の初歩が使えることと――最低限の読み書き能力が必要ですのよ」


「読み書きか……なるほど、そりゃ必要だよな」


「ふふ、大丈夫ですわ。私がお手伝いしますもの」


(新たな学びの扉がまた開いた……!)


レンは静かに拳を握り、決意を新たにした。

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