表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/74

第26話 風魔法挑戦 〜温度差が生む空気の流れ〜

水魔法の安定化訓練も順調に進み、いよいよ次なる属性に挑む時が来た。

ラネアが微笑みながら告げる。


「さあ、今度は風魔法ですわ」


**


レンは内心、少しほっとしていた。


(正直、水魔法より取り組みやすそうだ……)


水蒸気を凝集させる水魔法とは違い、風は空気の流れそのもの。

すでに火魔法や水魔法で「熱と空気の性質」をある程度理解している今のレンにとっては、ある種の延長線上にあった。


**


クロエが静かに補足する。


《風は空気圧の移動現象です。熱源操作により圧力差を誘導する方法が有効と推定します》


(つまり、温度差で空気の流れを作り出せばいいわけだな)


**


訓練場所は野原に移していた。

開けた場所の方が空気の動きを感じ取りやすい。


レンはゆっくりと魔力を流し始めた。

火魔法で学んだ要領で、手のひら付近の空気をわずかに加熱する。

すると温められた空気がゆるやかに上昇していく感覚が生まれた。


(ここまでは火魔法の延長。問題は――)


今度は逆に、上昇した空気の隙間に周囲の冷たい空気が流れ込むイメージを重ねる。

自然な流れを誘導するように、静かに空間のバランスを整えていく。


**


ふわり、と微かな風が指先から生まれた。


ラネアがぱちぱちと拍手する。


「まあ、上手ですわ! 一発成功ですのね」


**


クロエが即座に計測する。


《風速:0.6m/s、方向安定。消費魔力量少量、制御安定》


(……やはり、火と水の積み重ねが役に立ってる)


**


「風は、無理に押し出すのではなく、流れを作る感覚が大切ですわ。

空気は自ら動こうとしますの。その道を整えてあげれば自然に流れますわ」


ラネアの感覚的な説明に、レンも頷いた。


(結局、全部『流れ』なんだな……)


魔力の流れ、熱の流れ、空気の流れ――

全てが連鎖し合ってひとつの現象を生み出している。


科学の目で見れば、魔法の裏側にある法則は確かに存在していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ