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第24話 水魔法訓練 〜科学者の逆転発想〜

「今日からは水魔法の練習に入りましょう」


訓練場所は川辺。ラネアの提案で移動してきた。


**


「水魔法は、火とはまた少し感覚が異なりますわ。

この場所の方が練習には向いておりますの」


「……なぜですか?」


「なぜか水のそばだと、水魔法は上手くいきやすいのですの。

水の気配が濃いと言いますか……理屈はわかりませんけれど」


**


(つまり……水蒸気が多いってことだな)


レンは内心で科学的に整理した。

クロエも補足する。


《周囲の水蒸気濃度は通常より高めです。凝集操作には有利です》


**


レンは魔力を流し、手のひらに水を集めるイメージを繰り返した。

だが――


水滴は現れない。


**


「……火より難しいですね」


「焦らず、ゆっくりですわ」


**


何度も試みたが、水滴はまったく生まれない。

(……水蒸気を凝縮させるには、温度を下げる必要があるのか)


クロエが補足する。


《凝集には局所冷却が有効です。しかし直接冷却は現在の制御では困難です》


**


レンはしばらく考え込む。

(熱を奪う? 蒸発冷却?……いや、水を作れなきゃ蒸発すらできない)


**


(なら、別のアプローチだ)


ふと頭に浮かんだのは、火魔法の訓練で学んだ「熱を生み出す感覚」だった。


(俺は魔力から熱を作れる。

なら、その熱で――空気を膨張させれば?)


**


クロエがすぐに応答する。


《断熱膨張理論、適用可能。

局所的な空気膨張により圧力低下、温度降下を誘発できます》


「つまり、熱を生み出して空気をわずかに膨らませることで冷やせる、ってことか」


《その通りです。火魔法制御技術の応用が可能》


**


レンはゆっくりと魔力を流した。

火を灯すのではなく、微弱な熱を生み出して、手のひらの周囲の空気をわずかに温める。

温まった空気はわずかに膨張し、周囲の圧力が下がる――


結果、局所的に温度が下がり始めた。


**


(……冷えてきた)


しばらくすると、空気中の水蒸気が凝集を始め――


ポタリ、と水滴が浮かび上がった。


**


「出ましたわね! 素晴らしいですわ!」


「……やっとできた……」


**


クロエが淡々と報告する。


《水分生成量:0.8ml。断熱膨張冷却成功。今後の安定化訓練が推奨されます》


**


(火と水――まったく逆に見えて、繋がっていたわけか)


科学と魔法は、また一歩交差し始めていた。

ブックマークを付けてくださった方、本当にありがとうございます!

作品を楽しんでいただけているのかなと思うと、とても励みになります。

もっと面白い物語をお届けできるよう頑張りますので、今後もよろしくお願いいたします✨


本日最後の更新です。今日もお付き合いくださりありがとうございました!

また明日も朝・昼・夜で3回更新予定ですので、引き続きお楽しみいただければ嬉しいです!

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