第23話 火魔法完成 〜次なる属性への一歩〜
指先の火種が、静かに安定して燃え続けている。
今までの揺らぎはほとんど消え、火力も意図通りに上下させられるようになっていた。
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「……ずいぶん綺麗に安定しましたわね」
ラネアが柔らかな笑みを浮かべた。
「最初の頃の不安定さが嘘のようですの。
もう、火の扱いはすっかり板についてきましたわ」
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レンはわずかに息を吐く。
「ここまでくるのに……結構かかりましたね」
(でも、そのぶん法則性もずいぶん見えてきた)
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火は、魔力を熱エネルギーに変換する現象。
圧縮→発火→安定出力――
魔力の流れを整えることで、制御の再現性も高くなった。
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《出力安定率:±1%以内。局所温度制御精度:99%。》
クロエが静かに報告する。
「順調だな、クロエ」
《現在の補助アルゴリズムはほぼ安定運用域に到達しました》
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ラネアが少しだけ真剣な表情を見せる。
「では、そろそろ次の属性にも挑戦してみませんか?」
「次は……水、ですね?」
「ええ。火に続いて水を学ぶのが基礎訓練の流れですわ。
水は火より少し感覚が違いますけれど、理屈はきっと共通する部分もございますのよ」
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レンは静かに頷いた。
新たな挑戦へのわずかな高揚感が胸をくすぐる。
(火で学んだ『エネルギー変換の法則』。
水でも、きっと応用できるはずだ)
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科学と魔法の交差点に、また新たな課題が現れ始めていた。
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