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第22話 循環訓練 〜流れを整える〜

「――やっぱり、魔力量って……増えないんですか?」


朝の訓練前、レンはラネアに改めて問いかけた。


**


ラネアは、少し困ったように苦笑する。


「ええ、残念ながら……。

魔力量は基本的に、生まれ持った器の大きさでほぼ決まっておりますの。

成長期が終われば、自然に増えることはほとんどありませんわ」


**


レンは軽く頷いた。

もはや驚きはない。前回の魔力切れの際に、ある程度は予想していた答えだった。


(……まあ、そうだよな)


**


「ですが――」


ラネアは続ける。


「訓練によって、魔力の流し方や使い方は大きく改善できますわ。

同じ魔力量でも、無駄なく綺麗に流せば負担も少なく、長く使えますのよ」


**


(総量は諦める。でも効率は伸ばせる)


レンの頭の中では、すでに切り替えが終わっていた。

事実を受け入れたあとは、どう活かすかを考える――それが科学者の性分だった。


**


「じゃあ、今日はその“流れを整える訓練”ってやつを、教えてください」


「承知しましたわ!」


ラネアは嬉しそうに微笑み、早速準備を始める。


**


「流れを整えるには、まず身体の中を巡る魔力の感覚をしっかり掴むことが大切ですの。

乱れていた流れを穏やかに、なめらかに整えていくイメージですわ」


「……水の流れを整えるみたいな?」


「まさに、それに近いですわ。

急激に流せば渦ができて乱れますし、弱すぎれば停滞します。

ゆったりと、でも止まらず――静かな川を思い描くのですの」


**


レンは目を閉じ、静かに魔力を流し始めた。

意識を腹部から指先までゆっくりと巡らせる。

雑念を払い、滑らかな流れをイメージする。


**


(今までは"押し出す"ことばかり考えていたけど……

本当は"整える"作業だったのか)


**


クロエが静かに補助報告を入れる。


《流速安定。乱流要素低下。循環抵抗5%減少》


(ほう……数字でも効果が出てきたか)


**


火種を生む訓練から、いまは体内の基礎設計を整える訓練へ。

新たな成長の土台作りが、ゆっくりと始まっていた。

本日もお読みいただきありがとうございます!

ここ数日は少し多めに更新していましたが、今日はちょっと控えめに進めようと思います。

これが本日1回目の投稿です。昼と夜にも更新予定ですので、引き続きお楽しみいただければ嬉しいです✨


(ブクマや感想も励みになります!)

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