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第21話 魔力切れ 〜初めての限界〜

安定した火種が、指先に柔らかく揺らいでいる。

ここまで順調に出力制御を進めてきたレンは、さらに出力を微調整しようと意識を集中した。


**


(もう少しだけ……火力を上げられるはずだ)


クロエが淡々と報告する。


《現在出力:115%。出力変動安定範囲内。》


(悪くない……制御も維持できている)


だがそのとき――

レンの意識がふっと軽く揺れた。


**


「……?」


一瞬、目の前が霞んだ。

立っている感覚が微妙にふわつく。

指先から、じわりと力が抜けていくのがわかる。


(これは――ただの疲労、じゃない)


めまい。

手足の痺れ。

全身の感覚が微妙に遠のいていく。


**


《警告:生体反応異常。血圧低下、意識混濁兆候、神経伝達速度低下。》


クロエが緊急警告を発した。


「……マズい……」


自分でもはっきりと異常を認識する。

身体が軽く痙攣を始め、足元が揺らぎ始めた。


**


「レンさん!? 危険ですわ!」


異変に気づいたラネアが駆け寄る。


「魔力切れを起こしかけています! すぐに回復を!」


**


ラネアは慣れた手つきで腰のポーチから小瓶を取り出した。

淡い青色の液体――魔力回復用のポーションだ。


「レンさん、飲んでください!」


レンはわずかに頷き、ラネアに支えられながらポーションを口に流し込む。

冷たい液体が喉を通ると同時に、全身にじわじわと温かさが戻ってきた。


**


「……ふぅ……」


しばらく呼吸を整えた後、ようやく頭がすっきりしてくる。

火種はすでに消えていた。


**


「魔力切れ、ですって……?」


初めて聞くその言葉に、レンは驚きと興味が入り混じった表情を浮かべた。


ラネアはそっと頷く。


「ええ。魔力を使いすぎると、身体が限界を超えてしまいますの。

無理を続けると、意識障害や身体の崩壊すら招きかねません。

今回は早めに止められて良かったですわ」


**


(……これが、魔力の限界……)


今まで「魔力を使う」という行為そのものが初めてだったレン。

限界という概念に、ここで初めて直面したのだった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!

実は今回から、少しずつあとがきを書いてみようかなと思います。

異世界×AI×魔法という、少し変わった組み合わせですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。

更新はしばらく頻度高めで続けていきますので、よろしければ今後もお付き合いください✨


(ブクマや感想も大歓迎です! 励みになります)

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