表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/74

第20話 出力強化 〜火力上昇への挑戦〜

「では今日は、火力の強さを少しずつ上げる練習をしてみましょう」


ラネアの穏やかな声が、静かな訓練場に響いた。

レンの指先では、すでに小さな火種が安定して灯っている。


**


「火を大きくするには、火種に送り込む魔力の量を増やしていきますわ。

でも、急にたくさん流し込むと火が暴れてしまいますの。少しずつ、そっと、ですわ」


**


(なるほど。出力を上げるのも、やはりバランスか)


レンは理屈を整理しながら、火種をじっと見つめた。

火力とは、エネルギー供給量の増減。だが、熱が上がりすぎれば燃焼も乱れ、暴発に繋がる。


クロエが冷静に補足する。


《現在出力:基準値の100%。供給増加準備完了》


「クロエ、少しずつ段階的に補助してくれ。出力を5%ずつ上げて様子を見よう」


《了解。出力 105%》


**


火種がわずかに大きくなる。

橙色の光が濃く、強くなった。


(成功だ……)


安定を確認し、さらに5%追加。


《出力 110%》


火はさらに大きく。だが、その輪郭がわずかに揺らぎ始める。


《出力変動 ±8%。微細振動発生》


「クロエ、一旦ここで維持だ」


《安定維持モード移行》


**


ラネアがそっと微笑む。


「とても順調ですわ、レンさん。

強くしようと欲張りすぎず、少しずつ育てる気持ちが大切なんですの」


「……育てる、か」


レンは静かに頷いた。


(火種は、ただ出力を上げればいいわけじゃない。

小さな火を守りながら、必要な分だけ少しずつ育てる――それが火力制御の本質なのか)


**


科学的な数値制御と、魔法の感覚的バランス。

その両方を行き来しながら、レンは着実に新たな制御技術を身につけ始めていた。


そして――


(この制御理論は、きっと他の魔法にも応用できる。

水も、風も、土も――全て、エネルギー変換と供給の調整だ)


**


科学者としての探究心が、再び静かに燃え始めるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ