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第52話 プラン 3

「陽葵さん、久しぶりですね」


「また会えて嬉しいわ、美翔ちゃん。しばらく会ってなかったけど、あなたたちは元気?」


 美翔ちゃんは少しぎこちない笑顔を浮かべながら、私の方へと歩み寄り、その表情はやがて寂しげなものに変わった。


「陽葵さん、もう知ってると思うけど……お兄さんとリョウコ姉が別れたの。それで、私はすごく心配で……」


 やっぱりその話をすると思っていた。だから、私は彼女の言葉を遮って、すぐに計画を話すことにした。


「まだ遅くないよ。二人はお互いに想い合ってるし、お互いに寂しがってる。だから、私と一緒に手伝ってくれない?今度こそ、二人がちゃんと続くように。」


 彼女は私の言葉に驚きながらも、まるで希望を見つけたかのように目を輝かせた。


「その計画って、どんな内容なの?」


 彼女の顔には、嬉しそうな優しい笑顔が浮かんでいた。きっと佐々木君のことが大好きなんだろう。


 その気持ちを利用して、私は明るく答えた。


「詳しく説明するから、まずは連絡先を交換しよう。携帯でちゃんと伝えたいから。」


 美翔ちゃんはスカートのポケットからスマホを取り出し、画面のロックを解除して私に渡した。


 私は急いで自分の番号を入力した。本当はあまり時間がない。今回の計画は慎重に、完璧に進めなければならなかった。


 私は彼女をLINEに追加し、スマホを返した。これで、二人を再び引き合わせる可能性が少しでも高まった。


 しかし、まだ沢渡さんのお姉さんが見つかっていない。どうやって彼女に会えばいい?


 もしかしたら、ユメさんを通じて連絡を取れるかもしれないけど、それも難しい。何せ、沢渡さんの姉はモデルだから。


 それでも、とりあえず今はこれで十分だろう。まだ時間はある。


「ありがとう、美翔ちゃん。また連絡するね。」


 彼女は少し嬉しそうに微笑んで頷いた。たぶん、佐々木君と沢渡さんをまた一緒にできる可能性があると知って、安心したのかもしれない。


 もし私が彼女の立場だったら、きっと同じように満足していただろう。


 さて、そろそろ帰って計画を練るとしよう。


「じゃあ、またね。」


「……うん。」


 ◇◆◇◆


 今、私は自分のマンションへと向かっている。学校からそんなに遠くはなく、三つ角を曲がればすぐ近くだった。今はもう、あと一つ角を曲がるだけで到着する。


 私の住んでいるのは、まるで高級マンションのような、驚くほど高そうな建物だった。


 白い外壁の大きな建物で、各階には一列に並んだ扉があった。


 私はその建物へと向かい、エレベーターに乗り込み、ボタンの中から「3」の数字を押した。


 しばらく待ち、エレベーターが到着すると、ゆっくりと出て自分の部屋へと向かう自分の部屋へと向かう。


 部屋番号は「309」。


 金属製のドアの前に立ち、指定された番号コードを入力すると、ロックが解除された。


「ただいま—!」


 ……そう言いかけて、途中で言葉を止めた。


 そうだ、ここには誰もいない。私は一人暮らしだった。


 それでも、いつものように玄関で靴を脱ぎ、スリッパに履き替える。


 部屋の中は暗く、唯一はっきりと色が見えるのは、開いたドアから漏れる玄関の明かりだけだった。私はすぐに照明をつけた。


 すると、目の前に広がったのは、白を基調とした高級感あふれる部屋だった。大きな家具がいくつもあり、バルコニーからの眺めも素晴らしい。


 他にも最新の設備が整っていて、とても豪華な空間だった。細かく見ていけばきりがないほどだ。


 そろそろ試験が近い。私はリビングの隣にある部屋へ向かった。


 木製のドアを開き、中へと入る。


 部屋の照明をつけると、そこにはリビングと同じ白を基調とした広々とした空間が広がっていた。


 クローゼット、ベッド、いくつかの収納用の箱が置かれている。


 私はそのベッドの上に、背負っていたリュックを置いた。


 学校のことを考えると、無性にストレスを感じる。


 こういうことって本当に疲れる。でも、やらなければいけない。結局、それが自分の責任だから。


 だけど、今一番大事なのは、佐々木君と沢渡さんの関係を元に戻すこと。


 具体的な計画はまだ完全にまとまっていないけれど、きっと上手くいくはず。


 私はベッドの上に倒れ込みながら、その作戦を頭の中で考え始めた。


 でも…やっぱり難しい。


 この計画を成功させるためには、まず沢渡さんの姉の連絡先を手に入れる必要がある。


 まあ、今はこの件はいったん置いておこう。


 とにかく、まずは作戦をノートに書き出して整理するのが先決だ。


 そう決めると、私はすぐにベッドから起き上がり、迷わず机へと向かった。


 椅子に座り、小さなノートを取り出すと、思いついた計画をメモし始めた。


 今の私にできる最善の策は、これしかない。

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