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第01話 - 学校生活

 が生まれてから11年が経ちました。


「お兄ちゃん、もう起きる時間だよ。」

  美翔の声が、制服を着たままミナミの部屋に向かって響きました。


  ドアを開けると、ミナミはすでに学校の制服を着て準備を整えていました。


  美翔と茜はミナミとは違う学校に通っています。二人は中学生だからです。


「ねえ、朝ごはんができたよ。」

  と美翔が続けました。


  「すぐに行くよ。」

  ミナミが答えました。


『また今日も学校か……』

  退屈そうな思考がミナミの頭をよぎりました。


  家を出て学校の中へ向かう途中、ミナミは声を聞きました。


  「おい、佐々木。」

 声の主はミナミに近づいてきました。


  「……やあ、カズト。」

  ミナミが退屈そうに答えました。


  「そうだ、昨日図書館に何か忘れちゃったんだ。教室に先に行ってて、あとで追いつくから。」


  「いや、俺が行くよ。」

 とミナミがすぐに答えました。


「本当か?」


  「ああ、それに月曜日に借りた本を返さなきゃいけないし。」


「わかった。」


  ミナミは図書館の入口に立ち、そこから中へ進みました。


 少し進んだところには受付があり、そこには短い髪とメガネをかけた女の子が座っていました。ミナミはそちらに向かって歩いて行きました。


  その時、ミナミの前を一人の女の子が横切ました。彼女の顔ははっきりとは見えず、腕に抱えた本に隠れているようでした。


  ミナミはカズトの本の表紙を読んだようでした。


 横切った際、彼女と肩がぶつかり、それにより彼女は少し後ろに下がりました。そしてすぐに謝罪すると、急いで走り去りました。


 ミナミは謝ろうとしましたが、振り向いた時には彼女の銀色がかったしろ色の髪しか見えませんでした。彼女は少し小柄で、顔を抱えた本で隠していました。


 その後、ミナミは教室に到着しました。彼は図書館で用事を済ませ、時間内に教室に戻るため急ぎました。


 ミナミの席は、窓側の一番後ろ近くの机でした。


「佐々木。」

 教室に入ってきた少年が呼びかけました。


 その後、カズトが隣にいたその少年に話しかけました。


「おや、タナカじゃないか。」

 ミナミはいつもの退屈そうな表情で言いました。


  タナカリオ(りょ)は、ミナミが中学1年生の時からの友人です。

 一方、カズト 真咲(まさき)は、物心ついた時からの友人でした。


 教室には他にも生徒たちがいて、大半はグループで会話をしていましたが、数人は机で一人静かに過ごしていました。


  「おい、佐々木、見てみろよ。」

 カズトが目線で指し示しながら言いました。


 ミナミがその方向を見ると、カズトが密かに指した女の子が目に入りました。


 その女の子は、まさに美しいと言える存在でした。輝く茶色の髪と、大きな紫の瞳が特に目立っていました。


  彼女の顔と白くて柔らかい肌は、その美しさをさらに引き立てていました。声はとても女性らしく、笑顔はどんな男性でも赤面させるほどでした。さらに、目立っていたのは彼女の胸で、その大きさが際立っていました。


  「川木(かわき)陽葵(ひまり)さんはクラスで一番可愛いよな。本当に可愛いよね?」

 とカズトが続けました。


「まあ…そうだな、確かに可愛い。」

 ミナミは退屈そうに答えました。


「はいはい、みんな席に着いて、授業を始めますよ。」

 と、教室に入ってきた先生が言いました。


 その後、陽葵「川木と呼ばれたその女の子は、ミナミの席の真前に座りました。


  カズトはミナミの後ろに座り、タナカはミナミの横の2番目の席に座っていました。


「お前が羨ましいよ。」

 カズトがミナミに向かって小声で言いました。


「え?……なんで?ああ、そういうことか。」

  ミナミはカズトの言葉を少し遅れて理解したようでした。


「なあ、佐々木。お前、もう彼女いるのか?」

 とタナカが尋ねました。


「え?いや、いないよ。今は恋愛に興味がないし、そんな暇もない。将来に集中しないといけないから。」

 ミナミは退屈そうに答えました。


 ミナミは文字通り「退屈なやつ」と言えるような人物でした。何にも興味を示さず、何かに驚くこともありませんでした。成績はごく普通で、その高校での地位も低かったです。


 彼のことを知っているのはクラスメートと友人たちだけでしたが、それも彼にとってはどうでもいいことでした。


 ミナミは興味がなさそうに答え、カズトはその言葉を聞いてただため息をつきました。


 昼休みの時間になり、カズト、タナカそしてミナミは教室で昼食を取っていました。


「 えっ? ……本当に? それで、タナカ、お前は彼女か俺に紹介できる友達でもいるのか?」


「 不運なことに、いないよ。それに、女の子と仲良くしようとするたびに、いつも台無しにしちゃうんだ。– カズトは残念そうな顔で答えた。」


 タナカとカズトも特別目立つタイプではなく、普通の人々と分類されていた。


「 おい、佐々木。お前の妹を紹介してくれ。– タナカが叫んだ。」


「 え? 何のために?……いや、絶対にダメだ。」


「 なんで? お願いだよ。」


「 もう言っただろ、ダメだって。」


 授業が終わった後、ミナミは最初の授業を担当した教師に呼ばれた。


 教室に戻ると、陽葵がもう帰る準備をしているところだった。


「あなたが佐々木・ミナミですよね?」– 陽葵はデスクに置いた鞄を拾いながら言った。


「 はい、何か用ですか?」


「 いえ、何でもありません。あ、じゃあ失礼します。明日会いましょう。」


「 はい。」


「僕は女性と関わるのがこんなに下手なのか…。まあ、彼女が言いたかったことはたいしたことじゃなかったんだろう。」


 ミナミは家に帰り、気づけばもう着いていた。


 二週間が過ぎ、ほんの少しだけ言葉を交わしたが、ミナミとはうまくやっているようだった。


 最近、今週はもっと話すようになり、二人はすっかり仲良くなったように見えた。


「時々、何か変な感じがして、まるで以前から私のことを知っているかのように思えることがあった。


 それは、彼女が私に話す時の言い方から感じ取ることができた。でも、そんなことは置いておいて……」


「佐々木くん、これを手伝ってもらえますか?」。


 その声がミナミの考えを遮り、声がどこから来たのかを見た瞬間、ミナミは彼女に近づくことに決めた。声の主は、山のような紙を抱えている陽葵だった。


 ミナミはすぐに何を指しているのか理解し、もう一つの山のような紙を手伝うことに決めた。


 その後、二人は教員室に向かった。


 教員室に向かっている途中、陽葵がミナミにいくつかのことを話し始めた。


「佐々木くん、手伝ってくれて本当にありがとう。」


「 いえ、そんなことないよ。 「それに、周りの視線が気になるな、ちょっと緊張する。」」


 陽葵は普通に落ち着いて歩いているのに対して、ミナミは周りの人々が自分たちを見ていることに緊張しているようだった。


「みんな暇なんだな。」

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