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大事なお客
その日から海斗くんは毎夜3時す
ぎに帰るようになりました。海斗
くんが根本さんと知り合って1か
月が過ぎたある日のこと。
「ただいまあ」
「海斗くん。また根本さんの部屋
に行ってたんでちゅか」
「うん、そうだよ」
「最近、海斗くん、ちゅごく顔色
が悪いでちゅ。もう根本さんの
お相手はやめてくだちゃい」
「そういうわけにはいかないよ。
あの人は俺の大事なお客さんな
んだから」
「海斗くん。根本さんとは本当に
お話しだけなんでちゅか」
「なんだよ。俺が枕営業してるっ
て言うのかよ!」
「ク、クピイイイ」
「不愉快だ。もう寝る!」