あんなそんなこんな……!
元旦に浮かれたエッセイを書いた後に、あの地震が起きてしまいました。被害に遭われた方が一秒でも早く安堵できますように、そして亡くなられた方のご冥福を心から祈っています。
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クリスマスから元旦にかけて、ずうっと貧血で寝込んでいました。本当はクリスマスも年末もバイトが忙しい時でしたけれど、立つだけでしんどいのでムリです。レジの仕事は声を張って「ありがとうございます!」「◯◯◯円です!」って言うのですけれど、貧血で声が出ない。
「ご迷惑をかけて、すみません(涙)」そう思いつつ寝込んでいましたけれど、一月二日は初仕事でした。一週間も欠勤したのは二度目だし、忙しい時に休んでしまったし、叱られるよな……。バイトに行きたくない……。
重たい足取りでバイトに行きました。すると知らない店員さんがいた。短髪でしゅっとして、カッコいい女性です。誰だ? 新人さんか? でも、見覚えがある……。
ソウ:◯◯さん!? ◯◯さんですか!?
◯◯:ソウさん、お身体大丈夫?
ついこの間までボサボサ髪でメガネをかけて、顔色の悪かった◯◯さんでした! 髪型をお洒落にしてメガネがなくなって、キレイにお化粧してめちゃめちゃカッコよくなってる!!
ソウ:◯◯さん、めちゃめちゃカッコいいですよ!
◯◯:体調はどうですか?
ソウ:素敵です!!
◯◯:もう大丈夫?
ソウ:見違えました!
◯◯:ムリしないでね。
いま書いて気付きましたけれど、会話がまったく噛み合っていませんでした。ビックリしすぎて、聞いてなかった!
他の方々も心配してくださって、申し訳ないのと感謝でいっぱいです(涙)。みなさん、優しい(涙)。お詫びや新年のご挨拶をしながら、主任を探します。突然の欠勤で一番ご迷惑をかけた方です。
主任を探していると、副主任に会いました。欠勤のお詫びをすると「健康が一番ですよ! ムリしないで下さい! 今日は出勤してくださって、ありがとうございます!」
……お礼をいわれた(涙)。なんて良い方なんだ(涙)。
そして主任も笑顔で「ムリしないで下さい!」「お店はなんとかなりますから!」そう言って下さいます(涙)。イヤな顔をされると思っていたのに、全然そんなことなかった(涙)。
ソウ:わたしが空けた穴は、どなたが埋めてくださったのですか? お礼とお詫びを……。
主任:パートナー社員の◯◯さんが出てくれました。
うぅ……。年頃の若いお嬢さんのクリスマスと年末年始を奪ってしまった(涙)。謝らなければ……(涙)。店内をさまよって◯◯さんを見つけました。
ソウ:本当にすみませんでした!
◯◯:もう大丈夫ですか? ムリはいけませんよ(^∇^)
ソウ:お若い◯◯さんのクリスマスと年末年始が……(涙)。
◯◯:ソウさんのためなら、やりますよぉ!(^∇^)
ソウ:でもクリスマスのイベントとか……(涙)。
◯◯:私に断られた男性が90人くらい泣きましたけど、ソウさんのためですから(^∇^)
ソウ:マジですみません(涙)。
うぅ、三人ともなんて良い方なんだ!! 今年は皆さんのためにも、頑張って働くぞぉ~!! 三人とも素晴らしい上司(お店の社員さんは三人だけ。他の方は全員パートさん)で本当に良かった!! 上司全員が素晴らしいなんて、こんな幸運は生まれて初めて! この幸運を大事にせねば!!
そして仕事前のミーティングが始まりました。今年最初の初ミーティングです☆ 今年はがんばる!
主任:年明け早々ですけれど、仕事の異動のお知らせです。
ソウ:(え?)
主任:副主任とパートナー社員のお二人が異動することになりました。
ソウ:(ええぇ!?)
主任:被災地にある店舗の応援です。応援ですけど異動ですから、このお店に戻ってくることはありません。
一同:えええええっ!?
なんで!? なんで二人も!? せっかく尊敬できる上司に会えたのに!? そして被災地の応援ということは、いつ被害に遭ってもおかしくない……(涙)。心配で心配で、胸が痛い……(涙)。
主任:さらに申し訳ないのですが、わたしも転勤が決まりまして……。
一同:このお店に来たばっかりですやん!?
主任:赴任して、まだ2ヶ月たってないんですけど(苦笑)。行く先は二人と同じ県です。
ソウ:主任も応援ですか!?
主任:違います。地震の前から決まっていた、新しい店舗のオープンのためです。
いくら決まっていたとはいえ、この時期に……。しかも三人とも被災地へ……。あまりのショックで言葉が出ない……。重苦しい空気が流れます。
主任:今この時期に……と皆さんが心配してくれるお気持ちは感謝します。でも今だからこそ、地域の皆さんのお役に立てることがあります。わたしたちは、その大事な仕事を果たしてきます!
……そうですよね。わりとホワイトな会社ですから異動の拒否はできるのに、あえて拒否をしないということは、お三人ともそれぞれ思うところがあるのでしょう。自分の危険を省みず、大変な思いをしている方々のお役に立ちたい。だから行くのですね……。
わたしたちがやっていることは、単なる小売業です。カッコよくもないし、華やかでもない。ふだん何げなく食べているものや日用品を売るだけの仕事です。感謝されることもないし、脚光を浴びることもない地味な仕事。でもその仕事にプライドを持って、きっと誰かのお役に立つと信じて働いている人たちがいます。そして困っている方のお役に立つために、気合いを入れて現地に乗り込みます! やってることは地味ですけれど、志は天より高いです! お客さまが何げない日常を送れるように、命を張って働く人がいます!
だからどうぞ少しだけご安心ください。今これを読んでいるあなた様の不安なお気持ちに寄り添ってくれる人は、たくさんいます。もちろん被災地の方だけでなく、普通に暮らしている方にも、言わないだけで寄り添っている人はたくさんいるのです。
わたしも自分に何ができるのか、一生懸命に考えています。なにかお役に立てるよう、一生懸命考えます。
あなたにイイコトありますように! それだけはいつでも心からお祈りしています!!(^∇^)