0話 入学の出会いとは
初の小説投稿なので、面白くないかもしれませんが連載型なのでぜひお読みください!
「恋愛大学校に入学したら?」という母の発言から俺の人生が変わることになる。
特に夢もなく、やりたいこともない俺は進路について悩んでいた。
そんな俺を見て、母が心配して声をかけてきた。
「健人これからどうするの?」
俺はそれに対して「どうすればいいかわからないんだよ。夢もないしやりたいことがある訳でもないし、考えれば考えるほどわからなくなるよ。母さん俺はどうすればいい?」と母に問う。
本来こんなことを親に聞くのはまちっがていると思う。
しかし、この時の俺は自分の進路のことしか考えている余裕がなかった。
「あなたねー自分の進路だよ、そんなこと親に聞かないでよ。でも、どうしてもあなたが自分の進路について決められないのなら母さんに考えがあるのよ」
「なんだよ?」
「東京恋愛大学校という学校なんてどう?その学校は恋愛を学ぶだけじゃなく、人との繋がりが大事だと気付かせてくれる素敵な場所なのよ」
その名前を聞いた瞬間、
(なんか聞いたことある学校だな)
と思いながら、母さんがその学校の名前を口にしたことに驚いた。
「母さんならもっと普通の学校名を出すかと思ってたけど」
「できた当初は皆騒いでたけど、今では普通よ。どうしてもあなたが進路が決められないって言うから勧めたの、恋愛もまともにしてないからいいんじゃない?」
「恋愛に興味はないな、する意味もわからないしなー」
女性と会話したことがほとんどなく、恋愛に興味ない俺に母さんはその学校を勧めてきた。
「今は、そう思っててもいい。けど、その学校に入学したらあなた自身も変われるはずよ、将来やりたいことも見つかるかもしれない」
母さんは今までにない真剣なまなざしで、俺を見ながらそう言った。
自分の息子の将来のことだからそうなっても仕方ないのかもしれない。
(確かに、自分を変えるために足りないものは人との繋がりだ)
そう思った俺は、「母さん、俺その学校に入学することに決めたよ。自分を変えるためにも!」と、強く宣言した。
「そう。あなたがそう決めたのなら頑張んなさい。母さん応援してるから」
「ありがとう」
決意を固め入学することにした俺。
ついにその日がきてしまった。
「母さん、父さん行ってきます!」
「いってらっしゃい」
「お父さんたちも後から行くからね」
「あの子大丈夫かしら?」
「大丈夫だよ、だって僕たちの息子なんだから」
「そうね、あの子がどう変わるか楽しみに待つしかないわね」
「そうだね、信じよう」
電車の駅のホームで待っていると、1人の女性が何か探し物をしている。
以前の俺なら声をかけなかっただろう。
でも、今は自分を変えようと決意した俺はその女性に声を掛けた。
「あのー、何か探し物ですか?」
女性は驚いた表情を見せるも、答えてくれた。
「あーはい、幼なじみからもらった大事なピアスを落としてしまって」
「一緒に探しましょうか?」
「いいんですか!?ありがとうございます!」
「どこら辺に落としたとかわかります?」
「確か、この自販機辺りで落としたはずなんですけど」
「わかりました、探しましょう」
「ありがとうございます」
自販機の下やその周辺を探していると、自販機と自販機の間に小さく光るものを見つけ、ギリギリ手が届いたので、取ることができた。取ったあと俺は、それをすぐ彼女に見せた。
「これですか?」
「ありがとうございます!助かりました」
彼女は、嬉しそうな表情を浮かべ泣き出しそうな声でそう言った。
「よほど大事なものなんですね」
「はい、遠く離れた幼なじみから1か月前に入学祝でもらった大事なものなんです」
入学と聞いた俺は
(まさか俺と同じ学校!?彼女もスーツ着てるし。でも、たまたま違う学校の入学式がかぶってるだけかもしれない。そういう時季だし)と、思った。
「そうなんですね、見つかって良かったです」
「はい、本当にありがとうございます!」
改めて彼女は感謝の気持ちを伝えながら深いお辞儀をした。
「いえいえ、じゃあ僕はこれで失礼します」
「ちょっと待ってください!」
立ち去ろうとした時彼女に呼び止められた。
俺は不思議に思いながらも振り返った。
「はい」
「もしかして東京恋愛大学校に入学されますか?」
「え?どうしてそれを!?」
「年齢も近そうで、スーツ着てるからもしかしてと思って。それに入学式あるのうちの学校だけなんで」
「そうなんですね?俺も入学祝と聞いて、もしかしたらと思って」
「凄いですね、こんな偶然あるんですね」
「ですね」
俺は偶然の出会いで驚いてる一方で、彼女は赤面しながら嬉しそうな表情を浮かべていた。
「どうされました?」
「いえ、何でもありません」
彼女は赤面から平気を寄そうような声でそう言った。
「そんなことより私たち同級生だから敬語やめにしない?」
「そ、そうだね」
「なに?緊張してるの?」
「緊張というか、動揺というか」
「気軽に話そうよ、お名前は?」
「渡来健人です、サッカーをしてました。よろしくお願いします。」
「また敬語になってる(笑)私は桜井茜。テニスやってて入学してもテニスサークルにはいるよ。よろしく」
「よろしく」
俺はこの時、彼女は誰とでもフレンドリーに話せる陽気な方なのだと、そう思った。
(俺とは大違いだ)
「このまま一緒に学校行かない?」
「そうだね、一緒に行こう」
こうして、俺と彼女は一緒に学校に行くことになった。
そして、入学式直前の体育館前に行くと懐かしの友人に再会する。
「もしかして、健人?」
「え?もしかして新?」
「お前もこの学校だったのかよ、俺めちゃくちゃうれしいぞ!」
「俺もだよ、まさか新とこんな所で再会すとは思わなかった」
「渡来君、どちらさん?」
「うん。桜井さん紹介するよ、俺の中学の時の友達、、、」
「自分で自己紹介すからいいよ、俺は徳井新。入学式終わった後俺とデートでも」
「私は桜井茜。そのデートお断りさせていただきます~」
「え、もしかして俺今振られた?健人~慰めてくれよ~」
「自業自得だろ?ごめん、桜井さんこいつこういう冗談言う性格だから」
「いいよ、いいよ。楽しそうな人だね」
「てか、お前らカップルなのか?」
「ちげーよ!」
「探し物をしてたら偶然渡来君が通りかかって、その探し物見つけてくれたの」
「そっか!健人~優しいとこあんじゃねーかよ~」
「うるせぇー」
新がからかうように言ってくるので、少し照れながら誤魔化した。
「あ、やっべ!もうすぐ入学式だ。健人、桜井さん行こう!」
「そうだな」
そして、入学式が始まった。
入学式の項目が次々と進んでいき、生徒会長の挨拶になった。
「生徒会長の滝川空です。新入生の皆さんご入学おめでとうございます。」
生徒会長の挨拶を聞いてると、桜井さんがどこかしら驚いた顔をしていた。
気になった俺は、入学式が終わった後に彼女に聞くことにした。
「生徒会長の挨拶のとき驚いた顔してたけど、どうしたの?」
「あーあれは、昔世話になったお姉ちゃんみたいな人と名前も同じで、見た目も似てたからちょっと驚いてたの」
「そうなのか、後で挨拶してきたら?」
「そうだね、そうするよ!ありがとう」
「うん」
すると、担任の先生が1年生の教室に入ってきた。
「皆、席に着いて。今日から2年間あなたたちの担任をする森本明と申します。よろしくお願いします。」
「健人、担任の先生めちゃくちゃ美人じゃねぇかよ!」
「新、声がでけーよ!」
「すまんすまん」
新はクラスに聞こえるくらいの声でそう言ったが、クラス中がそれをかき消すようにその話題で騒いだ。
そんな中、桜井さんは何故か頬を膨らませこちらを睨み、しまいにはそっぽを向いた。
「何故睨まれたんだ?」
「嫉妬じゃね?」
「まさか」
(俺なんかに嫉妬するはずない)
そう思いながらも彼女の可愛い表情に少し、心が揺れてしまった。
これから、そんな可愛い彼女と家族や友達、みんなに支えられ恋に悩み、困難にぶち当たりながら俺は成長していく。
そして、どんな未来になるのだろうとこのときの俺は胸を躍らせていた。
いかがだったでしょうか?これからも続きを書いていく予定なのでよろしくお願いします。