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8,舞踏会

 ライラは王宮で開催される舞踏会の招待状を受け取った。

「まあ、ゴードン王子から招待状をいただけるなんて」

 急いで招待状の封を切ると、舞踏会の日時が書かれていた。そして、最後にゴードン王子の直筆で『お待ちしております』と書かれていた。

 ライラは両親に舞踏会のことを言うと、新しいドレスを作るように父親が言い、母親が早速手配してくれた。


 舞踏会の日になった。


 ライラは両親とともに、馬車で王宮に向かった。

「ゴードン王子は最近、しっかりしてきたと評判になっているな」

 父親の言葉を聞き、ライラは嬉しくなった。

「まあ、そうですか?」


「ああ。今までは弟のマルク王子のいいなりだったが、最近は自分の意見をはっきり言えるようになったらしい。なんでも、仮面をつけてから別人のように自信をもって行動されていると噂になっている」

「そうですか。良かった……」

 ライラは自分の作った仮面がゴードンにとって良い影響を与えているようで、明るい気持ちになった。


 王宮に着くと、兵士が出迎えてくれた。

「ピコラ国のクロース辺境伯様、おまちしておりました」

「ありがとう」

 父親のクローサ辺境伯を先頭にして、ライラ達は舞踏会の会場に入っていった。

 きらびやかなドレスをまとった令嬢たちがライラ達に会釈をした。


「クロース辺境伯、今日はよく来てくださいました」

「グローサ王、お招きありがとうございます」

 グローサ王とクロース辺境伯の挨拶が終わると、グローサ王がライラに話しかけた。

「ライラ様、ゴードンに仮面を作ってくださったそうですね。ありがとうございます」

「恐れ多いですわ。グローサ王」

 ライラはグローサ王に丁寧にお辞儀をした。


「ライラ様!」

「ゴードン様?」

 ゴードン王子の明るい声に、ライラは驚いた。

「今日はよくお越しくださいました。ライラ様の作った仮面をつけると、自信がみなぎるようで、とても助けられています」

 ライラはそれを聞いて、はにかむように微笑んだ。


「あなたがライラ様ですか?」

「あの……」

 ライラが答えあぐねていると、ゴードン王子が言った。

「失礼いたしました。こちらは弟のマルクです」

「第二王子のマルクです」

「はじめまして、ライラ・クロースです」

 マルクがライラに手を差し出した。

 ライラがマルクの手を取ると、マルクはその手に力をいれライラの耳もとでささやいた。


「貴方が余計なことをしたおかげで、兄上がいらない自信をつけてしまったじゃないか!」

 ライラはびっくりして、マルク王子を見つめた。

 マルク王子はにっこりと笑って言った。

「私の顔になにかついていますか?」

「……いいえ」


「それでは、舞踏会をお楽しみください」

 ゴードン王子はグローサ王について去っていった。その後を追ったマルク王子は、振り返ると冷たい目でライラを一瞥した。

「ライラ、どうしたのかい?」

「なんでもありませんわ、お父様」


 ライラ達は人が集まっている広間に移動した。


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