表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤高の彼女  作者: 赤虎
34/45

スカウト

1


GW後、私達は淡々と日々の課題をこなしていた。大学入学時には飛び級なんて考えもしなかったのに、2年生が終わった段階で私も紗希も3年生の必須科目を8割取得。夢が現実になりつつある。だから、日々の講義も面白い。面白いから勉強も進む。これは閾を超えた者だけが享受できる特権だろう。だけど、ハプニングは起こるものだ・・・


「着信してるよ、ハチ」

「えっ、ああ・・・」

「どうして分かるんですか?」

「聞こえないの?」

「全然・・・」


奈那、人間には聞こえないんだよ・・・


「何これ!」

「どうした?」

「不審な男2人が私を探しているって・・・」

「ストーカーですか?」

「分らない・・・気持ち悪いね・・・」

「あの・・・八屋さんですか?」


不審な男2人が現れた!


「突然すみません。私、アディダスの宣伝を統括している杉山と申します」


その男は名刺とIDカード私に提示した。本物らしい。


「実は、手前共はスポーツウエア、特にジャージの更なる普及を目指しています。昨年のミスコンで八屋さんはジャージを着用し優勝なされた。八屋さんこそ手前共のイメージガールに相応しいので、是非、専属モデルになっていただきたいと・・・」

「先輩!凄いじゃないですか!」

「でも私、3年になって学業が忙しいですから・・・」

「そこを何とかお願いできませんか?」

「ちょっといいですか?」

「貴方は?」

「この子の保護者です」

「はぁ?」


何を言い出すんだ、紗希は!


「この子、単位落しまくって成績ボロボロなんですよ。だから、モデルなんて絶対無理です。ただ、この子に似たトップモデルなら知っていますよ。今、そのモデルと契約できれば、如月エリカがおまけで付いて来ますけど?」

「如月エリカってあの一流モデルの?」

「違います」

「えっ?」

「超一流モデルです」


紗希・・・


「・・・何故貴方がそのようなことを?」

「私、その事務所でバイトしているんです。だから内情を詳しく知っていますから」

「では、八屋さん似たトップモデルって誰です?」

「分らないんですか?草壁ひとみですよ」

「・・・あっ!そうか!」

「そうです。だから、事務所と交渉されてはいかがですか?」

「そうですね!ありがとうございます!如月エリカがセットであれば、手前共も申し分ありません!」

「じゃ、そういうことで・・・」

「失礼します!」


2人の男は去っていった。


「菊地先輩!何時からエリカ様の事務所でバイトしていたんですか!」

「ウソ」

「えっ?」

「全部ウソ。あいつ等を追い返すためにね」

「何だぁ~!」


紗希・・・追い返してくれてありがとう・・・でも、これからどーすんのよ!


2


撮影日・・・今日は新規の顧客だとのこと。最近、新規契約の出版社が多いからその類だと考えていたら、スタジオに三島弁護士が来ている。三島弁護士は曽根さんと一緒にミーティングスペースで何やら打合せをしていた。例の杉山さんと一緒に!


「ひとみ!こっち!エリカもね!」


スタイリストのお姉さんが呼んでいる。私達は楽屋に入った。


「何ですか、これ!」

「今日はジャージ特集!」


今日はジャージの撮影ですか?ジャージ女・・・以前、奈那達に言われた言葉が脳裏をよぎった。撮影自体は難なく終わったが、撮影終了後、三島弁護士が驚愕的事実を私達に教えてくれた。


「先方は専属契約にしたいそうだから、ギャラを通常の4倍で吹っ掛けたらその金額で契約できたよ。如月エリカと草壁ひとみを独占したかったんだね」


え~と、紗希のギャラ、つまり私のギャラは既に1回の撮影で30万円になっている。その4倍ってことは1回の撮影で120万円!いいんですかね、これで・・・何か間違っているような気が・・・でも、以前菊地教授が言っていた商品価値ってこういうことかも。


「思ったとおりだ」

「えっ?」

「紗希ちゃんもなかなかの策士だね。相手が飛び付くことを考慮してウソ付くなんて」

「自分の商品価値を最大限活かさないと」

「そうだね・・・これでアディダスの独り勝ちになるかもしれないね」


実際そうなった。短期間でアディダスがジャージのシェアを独占する状態になり、莫大な利益を得ることになった。三島弁護士は


「御免、最低でも10倍吹っ掛ければよかった・・・」


とのこと・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ