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孤高の彼女  作者: 赤虎
19/45

今更の生え変わり

1


「あっ、ジャージ女と変な女!」

「あんた、何失礼なこと言ってるの!あの2人はね学年1位と2位の成績で、1年時に2年の単位を半分近く取ったんだから。しかもオールAで!」

「ウソだ~信じられない!」

「しかも、ジャージの子は去年のミスコンで優勝してんだから!私達なんて足元にも及ばないのよ!聞こえたらどうすんの!」


聞こえてるよ。それにしても驚いたな。私をキモイ扱いした女子高校生3人組の1人が私達と同じ大学に、しかも同じ学部に入学したとはね・・・世間は狭いのかな?


私と紗希は毎度の如くベンチで御弁当を食べていた。先輩に引率された新入生がガチャガチャ学内を歩いていたが、まさかね・・・


2


「また歯が抜けたの?今日で何本目?」

「5本目かな・・・」


4月下旬、紗希の歯が突如抜けだした。1日に2本抜けた日もある。私は歯周病を疑ったが、紗希も菊地教授も何故か無関心。私1人がやきもきしていた。


「それ、重度の歯周病じゃないの?今日一緒に歯医者行こうよ」

「いいよ。自然の摂理だから」

「何歯医者嫌いな子供みたいなこと言ってんのよ!20歳そこそこで歯が無くなったらどうすんの!口の中、見せてよ!」

「嫌だ!」

「いいから!」


紗希は渋々口を開けた。上顎の前歯が2本も抜けている。子供なら愛らしいが大人だと洒落にならない・・・歯茎の炎症が無いな。じゃ、歯周病じゃないのか?・・・あれ?抜けたとこから新しい歯が生えつつある・・・何故?


「まさか、20歳過ぎてから永久歯に生え変わり?」

「そうなのかな?」

「そんなバカなことあり得ないでしょ!とにかく、素人判断は危険だから授業終わったら歯医者に行こう!」


今日は3コマ目で終わりだ。私は商店街の歯医者に嫌がる紗希を連れていった。


「先生も驚いていたけどさ、永久歯への生え変わりだって」

「信じられないなぁ・・・まぁ、生え変わりなら放っておいても大丈夫ってことだね」

「ただ、前歯が無い状態で撮影できるかどうか・・・CGで誤魔化せばなんとかなるか」

「そうだね。今の技術なら簡単に誤魔化せるよ」


歯医者が生え変わりと診断したのだから間違いないだろう。それにしても紗希には人間離れしたとこが幾つかある。誰も聞こえない音を聞き取れる聴力、あの身体能力・・・体操選手の菊地紗希も超人的な身体能力を持っていた。なんなんだろう・・・


3


「えっ!前歯が2本も抜けたって!」


曽根さんが驚いている。


「エリカちゃん、笑ってみて」


カメラマンが試し撮りをし、データをPCにコピーして開く。


「曽根さん、この程度なら簡単に修正できますよ。雑誌のグラビア程度なら全く問題ありません。大丈夫です」

「助かった・・・エリカ、何で歯が抜けたんだ?」

「乳歯が抜けたの。直に永久歯が生え揃うから大丈夫だよ」

「ははは、エリカちゃん、それ、冗談にもなってないよ。早くインプラントとかで治療しないとね」

「いえ、ホントなんです。歯医者でそのように診断されました」

「ひとみちゃんまで何言ってるの?」

「エリカの抜けた前歯の箇所、よく見てください」

「ほら」


紗希は口を大きく開いた。


「どれどれ・・・新しい歯が生えてかけている!」


カメラマンが驚きの声を上げた。


「ホントだったでしょ?」

「いや、でも、こんなことあり得るのか?」

「あり得るもあり得ないも、実際に生え変わっているんだから。暫くは歯抜け状態が続くけど、後3ヶ月もすれば永久歯が生え揃うから、それまで写真の修正、宜しくお願いしますね」

「あ、ああ・・・」


3ヶ月ですと?人間なら永久歯が生え揃うまで6年はかかるんですけど。猫じゃあるまいし、3ヶ月で生え揃うわけないじゃん。紗希は18歳までの記憶が欠落しているから、一般常識に乏しいとこがある。その時、私はそのように受け流していた。

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