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雨は弾けて

作者: 折原琴子

雨は弾けて


空からきらきら。

街灯の下で落ちてくる雨を見る

私の好きなビー玉みたい


傘にぶつかり音を立てる

葉っぱにぶつかり音を立てる

大地にぶつかり音を立てる


ビー玉みたいにきらきらするけど、

ビー玉みたいに痛くない。

ビー玉みたいに弾けるけれど、

ビー玉みたいに転がらない。


大地に流れた雨粒は

坂道さらさら

トンネルさらさら

川へと海へと向かってく。


急いであわてて走ってく


びっくりしちゃって泣いてるの?

みんな一緒に泣いてるの?


知らない場所に落っこちて


お空の雲のおふとんで

夢を見ているその途中

弾けた夢におどろいて


いい夢きっとみてたんだよね

だからきらきらしていたの

もっと夢を見ていたいのに

起こされちゃって

驚いて


大丈夫だよ

心配いらない


きらきら光るおひさまが

もうすぐお空に橋を架ける


それを渡って帰ればいいから。


雨上がり、雨粒は空へ向かって還ってく

刹那の夢を歌いながら

大地に夢を残しながら


まばゆい光をたくさん残して


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― 新着の感想 ―
[一言] 雨をビー玉になぞらえて描かれた穏やかな世界観がとても魅力的だと思いました。 特に途中で雨に向かって優しく語りかけるところが好きです。 確かに一度降った雨はこうやって光を放ちながら空に還ってい…
[良い点] 移動企画から参りました。 情景とともに、音が聞えてくる作品でした。 命の循環、そんな言葉がふと、浮かんできました。
[良い点] 「移動企画」から参りました。 前半はビー玉のような雨粒の、音を立てて弾むところが自然に思い浮かびました。 後半は雨粒が夢を見ているという発想が素敵でした。 虹の橋を渡って帰り、また地上に下…
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