第一幕
再投稿でしゅ。
昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんは15万円の軍資金を手にパチンコに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川の近くのコインランドリーで洗濯していると川から大きな桃がジョ◯ョ5部処刑用BGMと共に流れてきました。
おばあさんは謎の使命感に駆られ、桃を10km離れた家まで持って帰ることにしました。
数分足らずでおばあさんがしばらく家で待っているとおじいさんが帰ってきました。
「おぉ、ついにこの時が来たか。」
おばあさんとおじいさんは何やら知ったような口ぶりで話しています。
「それじゃあ桃切るか。」
おばあさんがそう言って桃を日本刀で切ろうとしましたが、桃は硬くて割れませんでした。
「これは強い桃太郎が生まれそうですねぇ。でも硬すぎてきれないわ。」
「ばあさん、わしに任せろ。」
そういうとおじいさんは服を脱ぎ、身体中に気を集中させました。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
おじいさんの筋肉が肥大化し、ただならぬオーラを放ち始めます。
「これでもくらいやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
おじいさんの手刀が桃に直撃し、日本刀ですら切ることができなかった桃を真っ二つにしました。
すると中から生後一ヶ月足らずの男の子が出てきました。
おじいさんとおばあさんは彼に『桃太郎』と名前をつけ、大変可愛がりました。
小さい頃からおじいさんから剣の使い方、おばあさんから護身術を叩き込まれ、気づけば村で最強といっても過言ではない存在になっていました。
ある時、桃太郎はおじいさんとおばあさんから鬼の話を聞きました。
鬼はしょっちゅうこの村に来て金目のものを盗んだり村人を殺したりしていました。
「それは許せんな、この俺がそいつらを抹殺してやろう!!!」
桃太郎は鬼に勝ったらモテモテハーレムになれるかもという理由で鬼退治へと向かうことを決意しました。
「ふっ、ついにこの時がきたな。桃太郎。」
「なんだ?見送ってくれるのか?」
それもあるが……。桃太郎、こいつを貸してやろう。」
おじいさんが手渡してきたのは一本の刀でした。
「こいつは先代桃太郎から十九代桃太郎のわしまで代々伝わってきた鬼殺しの刀、秘剣草薙じゃ。」
どうやらおじいさんも桃太郎と同じく昔桃から生まれた一代前の桃太郎だったのです。
「サンキュージジイ、ありがたく受け取っとくぜ。」
「桃太郎、こいつも持っていきな。」
おばあさんが持ってきたのは数個の団子でした。
「これで物語通り犬、猿、雉子を仲間にしていくんだよ。」
「物語ってのは何かわからんが了解した。じゃあ行ってくるぜ。」
こうして桃太郎は鬼を倒すたびに出かけました。
桃太郎が道を少し歩いていくと道のど真ん中で犬が佇んでいます。
「貴殿が桃太郎殿か。」
「あぁ。俺が20代目桃太郎だ。お前は?」
「私は犬四郎という。私の家族は皆鬼に殺された。それから毎日復讐できる日を待ち望んでいたのだ。ぜひ私を配下に加えてください!!」
「あぁいいぞ。」
この時の桃太郎は言葉と裏腹に『探すのめんどいしこいつでいっか。』と密かに思っていました。
こうして犬を配下に加えた後、山道を歩いていくと木の上に猿がいた。
「猿か。ちょうどいい、お前の力を貸してくれないか。」
「ほうほうほう、この猿界一の交渉術と並外れた忍耐力を持つわいの力を貸して欲しいんですかい?せやかてわいもタダでは動きまへん、なんぼだせるんです?」
猿は桃太郎に向かって右手で金マークを作り、ギャラ交渉をしてきました。
「なら黍団子3つでどうだ。」
「いやいやわいが欲しいのは食いもんとちゃいますねん現金ですわ、リアルマネー。」
猿はとてもとても悪い顔をしています。
「ほう、なら鬼の持つ財宝の2割をお前にやろう。」
「2割?そんなはした金でわいが動くのでも思ってます?せめて5割くらい貰わんと。」
「くっ、なら3割五分でどうだ?」
「わるくはないな。乗ったで!!ほなわいも仲間に加わらせてもらいましょか。改めまして、わいは猿乗ゆうもんです。よろしゅうたのんますわ。」
猿が仲間に加わり、鬼ヶ島に行くために海を目指そうと海岸にやってくると、雉子が飛んでいました。
「アナタガ二十代目桃太郎様デアリマスカ。」
雉子は、体が金属でできたロボットでした。
「いかにも。俺が二十代目桃太郎だ。」
「ワタシノ名ハ雉子ver2.0。創造主デアルマスターノ命令ヲ遂行スルタメニワタシモ配下ニクワエテクダサイ。」
「あぁ、よろしくだ。」
こうして無事3人の仲間を集めた桃太郎はモーターボートで鬼ヶ島へと向かっていきました。
冥界への道【鬼ヶ島】
鬼ヶ島に着いた4人は海岸にいた雑魚鬼を蹴散らした後、鬼の城へと向かっていきました。
「ヒャッハ〜!!!!鬼共!!!!命が惜しくば金目のものを出せ!!!!!」
桃太郎が城の玄関で雑魚鬼を蹴散らしていきます。
犬が噛みつき、猿は鬼を買収し、雉は口から発射されるビームによって鬼ヶ島を吹き飛ばします。
一方その頃鬼の城では。
「マナ、お前だけでも逃げなさい。」
「いや!!パパと一緒に残る!!!」
「このままだと皆桃太郎に殺されてしまう、早く逃げるんだ。」
「でもパパが死んじゃうんでしょ!!そんなの絶対いや!!!!!」
鬼の頭領はしばらく悩んだ後、娘であるマナの首をトンと叩き気絶させました。
「パパなにして……。」
「これで、いいんだ。優鬼、マナを遠いところへ連れて行ってくれ。」
「御意。この命に変えましても守り抜きます。」
優鬼と呼ばれた鬼はマナを担ぎ馬車に乗せる。
「童子様。」
「なんだ。」
「絶対死なないでください。」
鬼の頭領は一拍置いた後、
「わかっている。お前たちを残して死ぬわけなかろう。」
優鬼が完全に見えなく所まで行くと鬼の頭領は涙をこぼしながら地面に跪きました。
「部下の前ではああ言ったもののやはり、死にたくはないな……。」
娘と別れた寂しさや死の恐怖で足が震える。
「オラオラ!!!出てきやがれ!!!!!!」
ちょうどそこに賊と化した桃太郎が乗り込んできました。
そして剣を鬼に向けて、
「命が惜しかったら金だしな。まぁどちみち殺すんだがな、ヒャッハッハッハッハ!!!」
「さすがにそれはちょっと酷すぎません?」
「ついていく男間違えたかもしれん。」
「マスター、本当ニコノ方ニツイテイッテヨカッタノデスカ?」
もうどちらが悪なのかわかりません。
「宝ならこの先の扉の奥にある。
頭領は金棒を構え、
「俺は鬼の頭領酒呑童子!!これ以上私の部下にでは出させんぞ!!!!」
「生きのいい奴だな。血祭りにあげてやるぜ!!!!」
こうして鬼の頭領を血祭りにあげ、巨額の富を得た桃太郎は7人の妻と共に幸せに暮らしましたとさ。
END
「うぅ、父上……。」
少女は泣きながら蹲っていました。
無理もありません。
何せ父は自分だけ助けて父は自ら死にに行ったのですから。
「桃太郎、絶対にゆるさない……。」
少女は拳に力を込め、歯を食いしばりました。
「絶対に父上の仇を取ってやる!!!!!」
続く