挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

ブックマークする場合はログインしてください。

隙間的詩集・壱

作者:阿佐井ふみ

【代替】

あなたの苦しみが消えるなら
私が代わりにバラバラにされてもいい

死ぬほど辛いのなら
わたしが代わりに死んであげる

わたしの骨や皮や血や涙が
全てあなたの苦しみと入れ替わって
苦しみのあまりわたしの全てが弾け飛んで無くなったとしても

あなたの苦しみが取り除けるのなら
何度だって生き返れる


【暗闇】

何者にもなれない自分が憎い、憎い、憎い
私なんて消えてしまえばいいと毎晩布団の中で震える

慰めの声をかける人の声も私には響かない
慰めの言葉は虚しく木霊して、誰にも私の気持ちはわからないと自分の殻に閉じこもる
暗闇の中にただ1人取り残されたままでどうあがいても前に進めない

これからどうやって生きていけばいいのかさえわからない
世界から取り残された私はどこへ行けば良いのですか


【残像】

遠くに響く愛しい人の声
手を伸ばしても届かない
かすかに残るを残像を掴んで僕は虚しく天を仰いだ

朝出て夜帰らなかった君
何気ない毎日はもう二度とやってこない

思い出も何もかも全てが闇に飲まれ
僕の明日さえも奪われた
ただ一筋かすかに射す光は愛しい君の残像
それだけを頼りに僕は暗闇を歩いていく

【幸福】

幸せって何ですか

お金を手に入れることですか
愛を手に入れることですか
自由を手に入れることですか
何気ない日常が当たり前のように送れることですか

誰かを支配して服従させることですか
自分が思い描く世界を作り上げることですか

【枯渇】

渇きがわたしを苦しめる
何をしても体も心も渇いて
満たされないまま枯渇していく

やがてわたしは砂人形へと形を変え、
永遠に落ち続ける砂時計のようにサラサラと落ちて地面に消えた

【生死】
心の中のわたしが叫んでいる

「死にたい」

ここから飛び降りることができたらどんなに楽だろうと考える

あと一歩、あと一歩

毎日繰り返しては引き返す

わたしは中途半端な生き人形

【奴隷】
あなたに尽くすから
どうかわたしをひとりにしないで

もう一人は嫌だから
一人で眠る夜は心が冷たく凍えて
太陽が上るまで溶けてはくれない

あなたのためなら何だってする
だからわたしを捨てないで


【指先】
あなたの指先がわたしの手のひらに触れる

力強くて温かくて少しだけ線の細いその指がわたしは大好きだ

指先から伝わるあなたの温もりはわたしの心をそっと温めてゆく

わたしは手のひらを返し、あなたの指に自分の指を絡ませた

こんな他愛のない毎日の幸せを、指先の温もりが教えてくれる


【缶詰】

動く箱に沢山の人が詰め込まれ、缶詰になって出荷されていく

あなたたちはどこへいくのですか

オレンジ色の箱や水色の箱
黄色の箱や緑色の箱

出荷されていく皆の目は諦めと苛立ちが映る

そして今日も箱は動き続ける
出荷先に荷物を届けるために

【回遊】
動いている人も止まっている人も
立っている人も座っている人も
朝から晩まで忙しなく泳いでいる

枠の中に広がる果てしない海を求めて
ある者は知らない世界を求めて
ある者は人との繋がりを求めて
ある者は楽しい一時の夢を求めて


どうか海に囚われて溺れてしまわないように

あなたの世界は今「ここ」にある

評価や感想は作者の原動力となります。
読了後の評価にご協力をお願いします。 ⇒評価システムについて

文法・文章評価


物語(ストーリー)評価
※評価するにはログインしてください。
感想を書く場合はログインしてください。
お薦めレビューを書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ