その9 鑑定祭
・・・!?
知らない、天井・・・でもなんでもない。家の天井だな。
さて、進化は無事完了したのかな?鑑定して種族が変更されてるか確認しよう。
【名前】カイ
【種族】リトルクソザコキメラ・転生種
【性別】男
【年齢】0
【レベル】1
【ランク】G
【体力・回復力】18
【魔力】15
【攻撃力】12
【防御力】12
【敏捷性】15
【称号】クソザコナメクジ 転生者 運命の赤い糸 同族喰らい 外道 悪食 逃げ腰
【加護】転生神の加護
【スキル】
・通常:色欲者2 筋力2 魔素感知2 魔素操作2 魔力変換2 集中3 六感強化4 高速機動2
・称号:臆病2 危機察知2 全経験値量上昇2 運命の赤い糸1 胃強化2 同族殺し1 敵痛覚強化1 死体冒涜1 解毒1
・加護:神託5 神格上昇1 魂容量増加1
・ユニーク:鑑定2 合成1 転生法1
・種族特性:肉体変質2 強力吸収2 物理超越1
【魔法】炎魔法1 闇魔法1 獄炎魔法1
【形態】角2 脳2
【主神と転生神によりメッセージが残されています】
うぅむ・・・気になることはたくさんあるが、一先ずは主神と転生神のメッセージとやらを見てみるとするか。
【メッセージを開きます】
という文字が表示されるのと同時に主神の声らしき音声が耳に飛び込んでくる。
【えー、よしよし、ちゃんと聞こえてるな】
【ええ、問題なさそうです、早速始めましょう】
声は前者がナイスミドルでダンディなオジサマを彷彿とさせながらも、トーンからは少年のような遊び心を感じさせる深みのある声。後者は若い女性の声でかなり優しそうな印象を受ける。
【それじゃあ手っ取り早く言いたいことだけ言うか】
【お前が今いる世界は俺が娘の誕生祝に作ったものなんだが・・・どうも調整をミスっちまったみたいで俺が折角娘のために作った世界がそろそろ滅びそうらしい】
【そこでそれを何とかするために白羽の矢が立ったのがおまえというわけだ】
【あなたが選ばれた理由は・・・まあとくに深い理由は無いのですが、ちょうどお手頃な感じの魂でしたので私が転生させたというわけです】
【まあ何とかしてくれや、何とかなったらお前を神にするでもなんでもしてやるから】
【あと56年で娘の5000歳の誕生日・・・その時までに娘の星が何とかなっていなかったら・・・娘は俺のことを嫌いになってしまうかもしれん】
【そうなるかもと思うとパパは・・・パパは・・・うぐぇほっ、ぐすっ、ぐすんぐすん・・・うぼぅええぇ!!】
【はいはーい落ち着いてください主神様、その程度じゃ娘さんは主神様のことは嫌いにはなりませんよ】
【まあ、この調子ですので何とかしてください、地上まで行けば心強い助っ人がいるはずですので】
うわあぁぁ・・・なんて残念な主神様なんだ・・・。
うーむ、じゃあとりあえずメッセージにもあったように地上を目指すことにするか。そこまで行けば今後の具体的な指針が見つかるかもしれない。
さて、それはさておきメッセージも確認したことだし鑑定結果を確認しようかね。
えーっと・・・お、全体的に強化されてるな。スキルも何か凄そうなものがあるし、念願だった魔法も手に入ったようだ。
じゃあわからないところを適当にいくつか鑑定していこう。残りは追々ということで。
【転生種】
【異なる世界を渡り、その過程で転生神に加護を授けられた者が進化しその力を表面化させたときに与えられる副種族】
【かつて転生神はその加護を他者に授けることで自分の力の一部を他者に使用させることができたという】
【そのうち進化までできた者はこの副種族を手にし、魂の器が足りぬ者はその魂を崩壊させて亡者となったという】
【自分が転生神にその力を授けられた理由も知らぬままに】
【進化時点で、物理超越を獲得する】
【ステータスの成長率が強化され、異次元に干渉するスキルや他世界に干渉するスキルの熟練度が貯まりやすくなると同時にそのスキルの意思も感じ取りやすくなる】
いきなり重いな・・・。
ここに書いてある加護というのは俺の加護の欄に乗ってる転生神の加護というやつだろう。で、その状態で進化したから転生種になった。しかし魂の器なるものが足りないと魂が崩壊して亡者になってしまうと。
亡者というものがどんなものなのかは分からないが、まあ少なくともいいものではないだろうな。
まあ、この副種族の効果自体はかなり素晴らしいものだと思うがな。これがついてるだけで成長率が上がるし、異次元や他次元に干渉するスキルの熟練度が貯まりやすくなる上に、その意思も感じやすくなると。意思っていうのはよくわからんがきっといいことなんだろう。
【六感強化】
【五感と第六感を強化する】
【第六感が強化されていくことで様々な能力が解放される】
【現在:念話、外界察知】
【五感強化+念話】
俺が弟から手に入れた五感を強化するスキルとクイーンから手に入れた念話を合わさって六感強化というスキルになったのか?進化って便利だな、スキルを統合してくれるなんて。しかもこのスキルは単純に五感全てを強化するだけじゃなくて第六感として念話やそれ以上のものを発現できるのか。
【外界察知】
【視野外の自分の周囲もぼんやりと認識できるようになり、視野内についてはさらに認識が強化される】
遮蔽物を超えて見たり、死角を完全に無くすことはできないようだが、かなり便利なスキルっぽいな。
【全経験値量上昇】
【獲得できる経験値、熟練度が上昇する】
【色欲者】
【性技の成長率が上昇する】
【鑑定とリンクさせることで鑑定対象の性的なコンディションを把握できるようになる】
【精が尽きにくくなる】
【このスキルを持っている者は異性にかなり好かれるようになるが、意識することでこの効果は抑えることが可能】
【性神:このスキルを手にする者は大体100年に一人程度いるのですが、その全てがとてつもない変態でした。】
【性神:まあ気持ちはわかります。かくいう私もそうですからね】
【女運+絶倫】
・・・まあロマン溢れるスキルだと思うし実際すぐにでもクイーンに対して使いたいんだが・・・性神のこの「ええ大丈夫ですよ私理解のある大人です」みたいな感じがすごくウザイです。
それにしても、クイーンには申し訳ない事をしてしまったな。この【このスキルを持っている者は異性にかなり好かれるようになるが、意識することでこの効果は抑えることが可能】という部分、おそらく女運のスキルの効果なんだろうが、確かにこっちに来てからまだあって間もないはずなのにクイーンの俺に対する好感度が高すぎるとは思ってたんだ。こんどこのスキルのことを言って謝らないとな。じゃあ、次の鑑定結果を見るか。
【合成】
【あらゆるものを合成するスキル】
【合成したものを分解するには別のスキルが必要】
【合成可能な物には制限があるが、レベルで解放される】
【物理超越】
【物理法則少ない間だけ好きなもの変更できるようになるスキル】
【時間制限と操作可能な法則の範囲はスキルレベルで解放される】
うーむ、断定はできないんだがもしかして色欲者みたいな鑑定結果の最下段にスキル同士の足し算が表示されてるスキルはこの合成というスキルで合体させられたんじゃなかろうか?もちろん確信を持ってるわけではないんだがな。
そしてこの物理超越というスキル、かなりロマンを感じる。これはつまり、重力の方向を変えたり分子間力をなくしたりできるという事ではなかろうか。ぜひともレベルをカンストまでもっていきたいスキルである。
【神託】
【天上界に住む神々との対話が可能】
【対話中は天上界との繋がりが生成されているため、神をうまく言いくるめる事が出来れば、天界の物やスキルが貰えたりするが、神が地上の生物に対して関心を向けること自体が極めて少ないため、とても珍しい】
【さらに、神は基本的に面倒くさがりなので、そもそも呼びかけに応じないことのほうが多い】
【神格上昇】
【地上の生物でも神格を得る事が可能となる唯一の方法であるスキル】
【レベル10で下級神程度の神格になり、神として神々にも認められるが、そこまで上がるのは相当に困難で、とてつもない才能と運が無ければ不可能であり、それがあってもとても珍しい】
【今まで地上の生物が神になれた例は数える程度しかない】
【下級神以上になれば天上界へ入る権利を得る】
【このスキルは強大な神格を持った神の加護を得ることで獲得できるが、大人数から、たくさんの信仰を集める事でも得ることが可能】
【魂容量増加】
【魂の容量を拡張する】
【魂の容量が上昇すると、魂の強度も上がるため、精神系の攻撃に強くなる】
【また、魂の容量は、消費して魂の器の大きさを強化することが可能】
【このスキルは神格上昇と完全にリンクしているため、獲得するためには神格上昇を得る必要があり、レベルを上げるためには神格上昇のレベルを上げる必要がある】
どうも俺は神になれるらしい。俺に加護をくれた転生神様様だな。
神になる、ってもう響きからしてロマンをビンビンと感じないか?まあでも、上げにくいらしいから気長にやるしかないだろうな。
さて、スキルの鑑定はいったんこの辺で切り上げて、さっき鑑定した合成をちょっとだけ使ってみようかね。スキルの自由度も確かめたいし、ちょうど合成してみたいスキルもあるからな。
合成、発動。
【合成をする二つ以上のスキルを選択して下さい】
魔素感知、魔素操作、魔力変換を選択。
【魔素感知、魔素操作、魔力変換の統合を行います】
【・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・】
【完了しました】
【魔素感知、魔素操作、魔力変換は魔術師に合成されました】
【魔術師】
【魔素の感知、操作、魔力への変換の全てを可能にするスキル】
【魔法の威力強化】
【消費魔力軽減】
【魔法成長速度上昇】
【魔素感知+魔素操作+魔力変換】
うっし、成功だな。もしこれで失敗してたらまた母クイーンにスキルをせびりに行かなきゃならなかっただろうから合成を選択した後に実際割と焦った。まあ、成功してよかった。
さて、確認する最後のスキルだ。
【転生法】
【死んだ魂を操り、転生させることが可能になるスキル】
【世界をまたぐ転生は神にのみ可能だが、このスキルで同世界内の転生が可能となる】
【転生法を獲得した時点で魂内部に小世界が生成される】
【魂をその小世界に転生させ、住まわせることでその力の一部を利用可能】
【小世界に転生させる魂が自分のものより強力かつ非協力的な場合は転生させることは不可能、説得する必要がある】
【小世界の大きさは転生法のスキルレベルと魂容量に依存する】
【魂が崩壊してしまった亡者は軍勢を築きその力を増幅させていきながら魂を求めて世界を彷徨った】
【そんな魂を求める彼らの標的となったのが、転生法を持ち、魂を大量に蓄えた転生神の軍勢なのは当然と言えるだろう】
こりゃまたすごいのを・・・このスキル自体はすごいんだが、それよりも気になるのは転生神が何をしたかったのか、だな。今度機会があれば聞いてみよう。
さて、次は念願だった魔法だな!
【獄炎魔法】
【地獄界の炎を使う魔法】
【レベルによって、炎の最高温度と、闇の最高密度が変化する】
【レベル10で神獄炎魔法を獲得】
【炎魔法】
【炎を使う魔法】
【レベルによって、炎の最高温度が変化する】
【レベル10で根源属性:加速を獲得できる】
【闇魔法】
【闇を使う魔法】
【レベルによって、闇の最高密度が変化する】
【レベル10で根源属性:吸収を獲得できる】
見たところ炎魔法と闇魔法が基本の魔法で獄炎魔法が二つを合体させたものといった感じかな?ぜひとも使ってみたいところだ。