その76 旅立ちの前
お久しぶりです。誠に申し訳ない。まあ言い訳をするならば大学への通学開始とかでずっこんばっこ...どったんばったんしてたんです。
豚たちを片付けた後、シーベルの人々にまた後で会おうと一言だけ告げて船に戻る。セレネ様に話を聞くためだ。戦争というものがどういう風に処理されてるのか見当もつかないし、第6魔王ジークフリートというのが誰なのかも気になる。セレネ様ならその辺の知識があるだろう。
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船にたどり着いてセレネ様にかくかくしかじか。話し終わった時点でセレネ様は手を顎に当てて考えるような動作をする。
「ふむ・・・。我の時代には魔王は第2までしかおらんかったからのう。このジークフリートとかいう奴が誰なのかさっぱり見当もつかぬ。じゃが、仮に完全な戦争として処理されていれば我々に勝ち目は無かろう。我は力のほとんどを失い、相手は国一つをまとめ上げる存在。今回の諍いが相手の王に認知されないものなのが幸運じゃったな。」
「ここからどうすれば良いかはわかりますか・・・?」
「ふむ、すぐには認知されないとはいえ送った部隊が戻らねば相手の王も訝しむことじゃろう。少々不服ではあるが、援軍が送られてくる前にここを撤収するのが得策かもしれぬ。」
なるほどな・・・、しかしだとすると、この土地をくれるというここの人々の良心を無下にしてしまうことになる。しかも、もし俺たちが去った後に豚の軍勢がここに侵略してきたら・・・ここの人々はただじゃすまされないだろう。何か打つ手はないだろうか・・・。
「ところでカイよ。」
「ん、どうしましたか?」
「この船は広い。客室もいくつか余っておる。好きに使え。」
・・・!!セレネ様は優しいなあ。
「ありがとうございます。」
「ふん、貴様の顔に余りにもわかりやすく書いてあったからな。無視する方が酷というものじゃ。」
そうとなれば漁村の人々に連絡しないとな。
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「なるほど・・・。」
「せっかく開放したのにすぐに手放すことになてしまって申し訳ない。もちろんここに残りたいの言うのならそれで構わない。俺たちも勝手に来た身ではあるからな。そちらの意見を第一に尊重したい。」
「お気遣い感謝します。しかし、その必要はありません。ここに残ったとしても大したものは残っていませんし、オークランドの支配下に置かれるよりもあなた方についていって新天地を求めた方がずっと希望が持てます。どうか、我々に付いてこさせてください。」
神父が漁村の人々を代表して深々と頭を下げ、他の人々もそれに続く。まあ元々そのつもりでこっちに来たわけだし、受け入れないわけがない。漁村もすでに半壊状態だったとはいえ完全に壊してしまったのは俺たちだからな。
「勿論だ。これからの暫くの旅、よろしく頼む。部屋はあるから、もう船に上がるか?」
というわけで各村民に一つずつ部屋を割り振っていく。ここの振り分けはどうすればいいのかセレネ様に聞いたところ「好きにしろ。」とのことだったので適当に割り振っていった。
ペースを上げていきたい所存。宿題は多いし空き時間には動画編集ばっかやっちゃうんですよね。