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その72 彩華の軌跡

ちょっとキャンプに行っておりました。しかし通信関係が何も通じないのは驚きました。せっかくパソコンも持って行ったのに・・・。

「その前に、ルナは呼ばなくていいんですか?」

「ああ構わん。あ奴はあ奴で何かしておったからの。今邪魔するくらいなら後で説明した方が良いじゃろ。」

「りょーかいです。」


 では始めますね。そう言って始められた彩華の話は、壮大なものだった。


 俺を殺した後に自分も後を追って自殺して、気づいたら誰もいない真っ白な空間にいて、そこでなんやかんやで色々あって気づいたらこの世界に転生してて、この漁村の住民の1人に同化する形でこの漁村に到着したこと。


 でも到着した頃には同化したその人は謎の集団に攫われてて、生贄に捧げらててしまっていたこと。


 自分が同化したことによりその肉体に新たな魂が与えられ、再び息を吹き返したこと。


 その新たな肉体で、元の肉体の宿主である魂と共に逃げ出そうとしたものの謎の集団から逃げ切ることができず、(集団が言っていたことによると)古の禁術の触媒として利用され、あの球に封じられてしまったこと。


 そして、現在に至る。


「セレネ様、その集団に心当たりはありませんか?」

「ないの。我が封印されておった間にできた集団じゃろう。或いは、我が気づいておらんかっただけで既に居った可能性もあるがの。その可能性は少ないじゃろうて。これでも最盛期には世界のほとんどを支配下に置いておったのじゃ。見落としは無かろう。」

「そうですか。まあ、何にせよその集団はもう解散したと考えるのが自然ですね。もう約3000年経ってますし。ところで彩華、さっきの言い方だと、魂?がまだあるみたいな?」

「そうですね。名前は、エリスといって、肉体の支配権は全て私にありますが私が感じたものはエリスも感じますし、その意識は私の中に私とは別のものとして存在しています。会話だってできるんですよ?」

「ほうほう。今はなんて言ってるんだ?」


 そう聞くと彩華は少しの間耳を澄ますような動作をして、


「久しぶりに起きたから体がこってると。あと、スライムたちは初めて見るがとても可愛かったと言っています。」

「あれ?あいつらは外で遊ばせてたはずだけど。」

「カイくんが気絶してる間、いろいろと見て回ったんです。その時に見ました。」

「あぁ、なるほど。しかし大事なのは何で俺が気絶したのかだったな。種族の特性も含めて教えてくれ。てかそれがもともと聞きたかったわけだし。」

「気絶させたスキルは『超吸精』。その名の通り吸精の強化版スキルです。吸精は簡単にいうと相手の生命力を吸い取るスキルですね。」


 ほうほうなるほど・・・って、えっ・・・


「...それ俺大丈夫なの?」

「通常は吸い取られた精力は回復せず、そのうち枯れて死んでしまうのですが、サキュバス系の種族が使用した時はその限りではありません。吸い取られた精力は一晩寝れば大体回復します。これは、吸精しなければ生きていけないサキュバスが、他の生物を生かさず殺さず吸精し続けるために存在する、サキュバスの特殊技能だと思われます。」

「あー・・・。深いことは敢えて気にしないことにする。じゃあお前の種族について教えてくれ。」

「私が選んだ種族はドラゴノイドだったのですが、エリスと同化した時に変化したみたいです。エリスはもともと人間だったらしいので何でこんなことが起こったのかはわかりません。」

「・・・・・・・・・生前は痴女だったとか?」

「・・・あ、エリスが『巫山戯んなマジ犯すぞ。テクノブレイクさせようかこのクソ童貞。』って言ってます。」


 ほーらやっぱり痴女じゃねーか。

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