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その7 レベリング

 うーん、さっきの子は・・・誰だ?俺と同年代のような見た目。青白い肌。うーん、これは予想でしかないんだがあの子が吸血鬼型のキメラなんじゃなかろうか?ってことは星龍と戦うときに一緒に戦うことになるのか。今のうちに仲良くしといた方がよさそうだな。後でどこに住んでるのか聞いてちょっと挨拶でもするか。


 そんな事を考えながら俺とガズラは帰路についた。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 さて、家についたことだしやることやりましょうかね。


 自分の手元を見る。手にはクイーンにもらった小瓶が握られていて、小瓶の中にはドロッとした青色の液体が入ってる。これを飲めば魔法に必要なスキルが魔法スキル以外は手に入るんだよな。ちょっと鑑定してみるか。


【スライム体の体液】

【キメラクイーンが管理するスライム体の一部】

【魔素感知、魔素操作、魔力変換、念話が込められている】

【“クイーン”からのメッセージがあります】

【見ますか? 『はい』『いいえ』】


 え、メッセージがある?それじゃ、『はい』っと。


【言い忘れていたのですが、おまけに念話というスキルもつけておきました。私があなたに話しかけるのに利用していたスキルですね。通常のキメラはまともな発声器官を持っていないので普通は念話で話すんです。これが無いと他人に自分から話しかけられないので大変でしょう。普通は願いを聞いたときに一緒に渡すものなのですが、ほら、あんな刺激的な体験をしてしまいましたし・・・。完全に忘れていました。ああ、それと、あなたの力でこの島の地上部分を星龍から取り返せたらこの国を私と一緒に統治する権利をあなたにあげましょう。私が言っている意味は分かりますか?ぜひ、やる気の足しにして下さい。それと、ああいうことをするのはまだ駄目ですけど、来るだけなら常に大歓迎ですので、いつでも来てください。】


 含みのある言い方、俺が正しければこの文章はそういう意味なんだろう。やる気の足しにしろと書いてあるが、効果は覿面てきめんだな。俄然やる気が出てきた。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 というわけでクイーンの体液をグビッ!(意味深)


【魔素感知2、魔素操作2、魔力変換2、念話2を獲得しました】


【熟練度が一定に達しました】

【他者吸収のレベルが3に、吸収強化のレベルが3に上がりました】


 さっそく新しく獲得した念話で父さんに声をかける。


『ねえ父さん、進化ってどうすればできるの?』

『!その声は、息子か。そうだな・・・レベルを10まで上げればできるぞ。お前はまだ一度も進化してないからすぐにできるはずだ。誰しも初進化はすぐに来るからな。』

『レベルを上げるには経験値を貯めればいいんだよね?経験値ってどうやったら貯まるの?』

『生物を殺める度に増える。俺も詳しくは知らないが、これは間違いない。それにしても、どうしてそんな事を聞くんだ?』

『早く進化して魔法が使いたい。』

『そういう事か。ならば手伝ってやろう。ついて来い。』


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 という訳でやって参りました洞窟の生活スペースの外!大量の魔物が蔓延っていて相当危険なので子供は通常来れないらしいが、ガズラと一緒だと即通れた。ガズラの強さはかなり信頼されているようだ。


 壁面には所々魔結晶マナクリスタルが生えていて戦うには十分の明かりを確保できている。


 さて、これから戦ってレベルを上げる予定なんだが俺は糞ほど弱いので父さんに手伝ってもらう予定だ。


『では、始めるぞ。まずはお前の強さを確認したいから自分一人で戦え。お前の武器はないがこのあたりで呼べる魔物程度なら肉体だけで十分だろう。』


『わかった。最初は何と戦うの?』


『最初はゴブリンあたりが良いだろう。これからスキルを使ってゴブリンを一匹呼ぶからそれと戦え。』


 ピィィィィィ!!!


 ガズラが口笛を吹いた瞬間、地面に魔法陣のような紫色の光の輪が発生して、その中央に高さ1メートルほどの影が浮かび上がった。こうやってゴブリンを召喚するのか。


 そして、魔方陣の中でただのシルエットだったものがだんだんと色味を帯びてきて・・・ゴブリンの召喚が終わったようだ。


 深緑色の肌。顔はどうだ、鼻がアンバランスに大きく、かなり不細工だな。耳は、先端が尖っていて、下の方はまるでカリフラワーのような見た目になっている。


 服装は布きれ一枚、しかも泥とかでかなり汚れてる。右手には棍棒のようなものを持っているが、注意すべき点はそこくらいしか見当たらない。さてさて、鑑定したらさっさと殺して経験値を稼がせていただきましょうかね。


【ゴブリン】

【世界最弱の一角を担う種族】

【よく戦いの初心者の練習相手に利用される】

【弱いだけに生殖能力が高くたくさんおり、定期的に処理しないと巨大な群れを形成し、厄介な存在となる】


 さて、初戦闘、始めましょうか。


 心を落ち着かせ、集中力を高め、ゴブリンの一挙手一投足を見逃さないようにしながら、ゆっくりとゴブリンとの間の距離を詰めていく。


 俺はクソザコの称号をもらうくらいステータスが弱い上に、戦闘経験も皆無だ。あるのは前世からの自慢である反射神経、動体視力、そして齧った程度の拳法だ。今回はその3つを信じる事にする。ひとまずは避けに徹して、慣れたらカウンター狙いだ。


 俺とゴブリンが睨み合いを初めてからおよそ20秒、永遠にも感じられたその時間は・・・


『ギャギャァァァァ!!』


 ゴブリンがあげた咆哮によって終わりを告げた。


 ゴブリンが武器を振り上げた状態で突っ込んでくる!タイミングを見極めて・・・避ける、避ける、避ける。縦振り、横振りとゴブリンは我武者羅に繰り出しつづけ、それを俺がバックステップやサイドステップを駆使して避けていく。フェイントも何もないゴブリンの愚直な攻撃は俺でも避けられる。


 ここで、ゴブリンが疲れを見せ始める。無理もない、自分の身長の半分はあるような棍棒を休むことなく我武者羅に振り続けたのだ。


 そして、ゴブリンがばてた瞬間というのは俺にとっての絶好の反撃のチャンスだ。では、反撃に移ろうか。


 ゴブリンの持つ棍棒が地面に触れた瞬間、一気に踏み込んでゴブリンの手を思いっきり踏んで棍棒を無理やり手放させる。そのまま反転、後ろ回し蹴りをゴブリンの後頭部に叩き込んで前のめりに倒れこませる。ここでさっきゴブリンの手を踏んで手放させた棍棒を拾い上げ、体の回転を加えながらゴブリンの頭に一気に叩き込む!!


 グシャァァ!


 地面に真っ赤な大輪の花が咲いた。ゴブリンの血の匂いが一気に空間内に充満する。臭い。まあ、何はともあれ俺の勝利だ。


【経験値が一定に達しました】

【レベルが2に上がりました】

【レベル上昇により熟練度を獲得しました】


【経験値が一定に達しました】

【レベルが3に上がりました】

【レベル上昇により熟練度を獲得しました】

【熟練度が一定に達しました】

【臆病のレベルが2に、危機察知のレベルが2に上がりました】


【経験値が一定に達しました】

【レベルが4に上がりました】

【レベル上昇により熟練度を獲得しました】


 さて、この調子でレベル上げだ。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 その後も、ガズラにゴブリンを召喚してもらって、それでレベルを上げた。


 6あたりまでは順調だったんだが6→7でかなり必要経験値が増えてくるらしく、時間がかかってしまった。これ以降は明日になりそうだ。


 あ、ちなみにこの間に、集中3、回避4のスキル、称号:逃げ腰、それによって回避1、脱兎1を獲得した。回避4を既に持ってたから、回避1は回避4の熟練度の足しになったが。


 さて、今日はもう疲れちゃったし家に帰って寝るか。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 うーんいい目覚め、さて、今日も狩りに出発するとしますか。


 というわけでやってきました洞窟。今日もゴブリンを狩ろうかと思ってたんだが、ゴブリンじゃ経験値が足りなくなってきたからガズラにもう一回り強い魔物を呼んでもらうことになった。


【ホブゴブリン】

【ゴブリンの進化個体】

【ホブってる感じのゴブリン】

【ゴブリンの上位互換として扱われているが、戦闘能力にあまり大きな差はない】

【見た目のインパクトにより、苦手とする者は少なくはない】

【主神:えーマイクテステス】

【主神:これからもこんな感じで連絡取るかもしれないからそこんとこヨロシク☆】

【主神:ああそれと、これから神々に接触されてもあんまり慌てたりしないように、そういうの嫌いな子とかいるから】


 主神・・・主神!?あー、キニシナイキニシナイ、これ気にしちゃってもしょうがないやつだわ。それよりも鑑定結果の方に目を向けよう。


 うーん、確かに見ればわかるな。アレだ、ホブゴブリンは、アレだ。アレが、すごくでかい。具体的に言うと50cmくらいある。ホブゴブリンの身長の半分くらいかな?はっきり言って不快だ。さっさと殺そう。うん、そうしよう。


 それに、説明文にも書いてある通りホブゴブリンちん○以外は普通のゴブリンと一緒なんだよね。なんでこんな下品な進化を遂げたんだよ・・・。まあ、ステータスは多少強いのかも知れないが、動きはゴブリン以下だから気をつけれながら戦えば軽くひねれる。


 まああんなもんぶら下げてたら動き遅くなるよね。


【経験値が一定に達しました】

【レベルが8に上がりました】

【熟練度を獲得しました】

【脚力のレベルが3に、腕力のレベルが3に、視覚強化のレベルが3に、嗅覚強化のレベルが3に、聴覚強化のレベルが3に、味覚強化のレベルが3に上がりました】

【経験値上昇のレベルが2に、スキル経験値上昇のレベルが2に、肉体変質のレベルが2に上がりました】

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 バタッ・・・


 俺の目の前で7体目のホブゴブリンが倒れた。


【経験値が一定に達しました】

【レベルが10に上がりました】

【熟練度を獲得しました】

【レベル10になったため、進化が可能になりました】

【進化中は完全に無防備になるために、進化をする場所には注意が必要】


 レベル9→10辛つらすぎだろぉ・・・。


 要求経験値多すぎだわ。殺す気だろ。いやまあホブゴブリンは殺す気できてたんだけども。


 いくら昨日からの棍棒があったとは言え流石に途中で萎えかけたわ。


 まあいいか。最終的には10まで上がったんだし。


 さっさと進化したいからレッツゴーホーム!


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 さて、進化を始めようか。


【現在、進化可能なのは「リトルクソザコキメラ」「クソザコナメクジキメラ」です】


 この2つの差は何だろうか、まあ名前から察するにクソザコナメクジのままリトルキメラからキメラに成長するか、リトルキメラのままクソザコナメクジからクソザコになるか。


 あまり差はないんだろうが、気持ち的に早くクソザコナメクジは卒業したいな。


 じゃあリトルクソザコキメラをポチッと選択。


【確認しました】

【「リトルクソザコキメラ」への進化を開始します】

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