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その69 漁村消し飛ばし計画2

 次はルナの武器作りだな。これはぶっちゃけ適当でいい。重要なのは重くて大きいってことだけだ。


 セレネ様がスキルで金属類を大量に持ってきてるからそれを利用する。まずは出してもらって、それを鍛治スキルで形成していく。形状はあんまし関係ないが、空気抵抗を受けにくそうな滑らかな形状を意識する。


 んで、完成したのが長さ約50メートル直径1メートルの巨大な金属柱だ。それにしてもセレネ様の収納できる量には度肝を抜かれるな。バラバラ状態で封印されてしまったせいで直接的な戦闘能力は大きく低下したものの、補助スキルはあんまり影響を受けなかったらしい。


 さて、


「ルナ、そっちの準備はいいか?」

「完璧よ。いつでもくるといいわ。」


 オッケー、じゃあ頼んだぜ。


「ルナ砲、発射!」


 おぉーっとルナ砲が発射された!巨大な鉄塊が地面すれすれを飛んであらゆるものをなぎ倒していくぅ!


 おっと今獣らしきものが見えたぞ!かわいそうなくらいの勢いで横に吹っ飛ばされて・・・う、動かなくなったぁーー!!ルナ砲、まずは1匹を殺ったようです!


 今度は・・・・・・・・・


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 ああ〜実況超疲れた。大体3匹目が死んだくらいでだるくなって最後らへんには「おー。」「いえーい。」ってなって最終的には「なんでこっちの世界にゲームねぇんだチクショー!」「ルナたんとセレネ様とクイーンとあんなことやこんなことしてぇよぉ!」って感じの魂の叫びになってた。


 最後のやつを言った時にルナ砲の動きが乱れたのはご愛嬌である。


 さて、じゃあ俺たちの共同開発の魔法、ルナ砲を説明していこうか。


 簡単に言うとルナが巨大な鉄塊を魔法の力で全力で振り回して色々なぎ倒していくだけの魔法(物理)だ。一応魔法を利用した攻撃ではあるけど直接のダメージは完全に物理だから魔法(物理)だ。


 ルナ一人では出力が不足しそうだったが、クイーンが補助に入ることで何とかなった。


 鉄塊を作る時点で魔剣創造を使ったりすれば魔法ダメージも同時に与えれるんだがなんかめんどくさかったしルナの方でも制御が難しくなるからやめておいた。


 さてと、地上の処理はしたし後はあの偽月をどうにかするだけだな。でもどうしようか、ありゃ多分ルナ砲届かんぞ。魔法は体から離れた場所で使うほど魔力消費が多くなるから、あんなに遠くまでは届かない。


「ふむそれなら我に任せよ。我がその鉄塊を月まで飛ばすのじゃ。」


 セレネ様?


「え?できるの?魔法特化の私でも無理なのよ?」


 ルナの言葉、もっともだ。セレネ様は封印の影響でステータスがボロクソに下がってるけどスキルとか魔法はステータスが許す限り使える状態らしい。


 セレネ様のステータスが許す範囲のスキルでルナの魔法でも出来ないことをできるものがあるとは思えない。セレネ様は効果は様々だけど出力が足りない。そしてルナ、前から思ってたんだけどなんだかんだ言ってルナって大魔王に対してタメ口なんだよね。羨ましい。


「なんじゃ貴様ら我を疑っておるのか!?ふ、ふん!我できるし!貴様らの目にもの見せてくれるし!」


 セレネ様キャラ崩壊してますよー。いや可愛いからいいんだけども。


 何はともあれセレネ様が腕を上に向けると鉄塊はゆっくりとしたスピードで上昇していって、昇って昇って昇って、昇って・・・昇って、月を・・・通り過ぎる。・・・え?通り過ぎちゃうの?目的は月を破壊することなんだが・・・。


「見ておれ。我のこのスキルでは瞬間出力の問題で破壊できぬかもしれんのでな、ちょっと力を借りるのじゃ。」


 ん?・・・ああ、そういう事か。確かにそれならあのゆっくりスピードよりはずっと破壊力を生み出せるか。


 スピードってのは破壊力を生み出すのに重要なファクターで、運動エネルギーは質量に比例、さらに速度の2乗に比例する。つまり、2倍重い物体を同じ速度で投げるのと、同じ重さの物体を2倍の速度で投げるのでは、後者のほうが前者の2倍のエネルギーを持つことになる。


 で、何が言いたいのかと言うと、セレネ様が上昇させた鉄塊は、月を通り過ぎてそのまま一定の速度で上に進み続けて・・・


 ピタっ


 次の瞬間、自由落下を始める。ちなみに計算してみたんだけど単純計算で時速100で進む乗用車が2350同時に突っ込んでくるような衝撃、もしくは巨大な戦車砲が自分に向かって160発近く撃たれるようなもんだ。本物の月規模のものなら耐えれただろうが、小さなレプリカには無理だったようで、とんでもない轟音を立てながら砕け散った。当然の結果だな。


 じゃあ、何かあるまで屋内ででも寝転がっておくか。


「待って!あれを見てください。月の破片が、落ちてくる前に消えていっています。」

「本当だな。魔法的な何かで作られた月を破壊したから、実体がなくなって魔力に還元されていってるのか・・・?」

「まあ厳密には違うんじゃが、大体そんな認識じゃな。にしてもそんなことより...綺麗じゃな。」

「はい。こんな鬱展開を具現化したような漁村で、うちのメンバー除いた中での、唯一の癒しでしょうか。」


 そう、クイーンが指摘した通り、月のかけらは落ちてくる前に空間に解けるようにして消えていっている。


「これでこの漁村に光が戻るといいわね。じゃなきゃ頑張った甲斐がないわ。それで・・・あの鉄塊普通に落ちてきてるんだけど大丈夫なの?ヤバくないかしら?」

「それは我が何とかしよう。そんなことより、我の気のせいでなければ何か一緒に落ちてきておらぬか。」

「あ、やっぱ見えてたの俺だけじゃなかったんですね。俺も同じこと思ってました。鉄塊と同じ要領で安全着陸させることはできますか?」

「無論、可能じゃ。任せるのじゃ。」


 さて、何なんだろうな?変なものじゃなければいいんだが・・・。

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