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その60 地上の巣

「そうか、説明しておらんかったの。我の魔王としての権利を行使してこの巣の支配権を自分に移すのじゃ。魔王ならだれでもできるぞ。というかむしろ魔王としての基本じゃ。貴様も進化を重ねて魔王になれば可能になるぞ。格下に限るのじゃがな。」


 そう言ったところでセレネ様の全身から禍々しい黒のオーラが周囲の空間を染め上げるようにして滲み出してくる。そして空間全体にオーラが行き渡ったところで放出をやめ、オーラはそのまま掻き消えていった。


「完了じゃ。次、地上を済ませるぞ。」


 ・・・あ、それだけですか。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 地上まであと少しというところまで来た。人間の襲撃が来たのと同じ出入口だ。まあ把握してる限りでは出入口はここしかないんだけども。


 道すがらセレネ様にあれが何だったのか聞いたところ、魔王になった時点で手に入れることができるスキルらしい。今のセレネ様は体を分割されて封印されてた上にほぼ精神体の状態だから全盛期のスキルは全部持っててもそれと比べるとスキルレベル含め異様にステータスが低い状態らしい。今も封印の空間を出たことで辛うじて実体を保てているものの、肉体としてはかなり脆い状態らしい。


 話を戻すけど、あのスキルはまれに自然発生する魔物の巣を自分の支配下におけるようになるスキルらしい。支配下に置いた巣から生まれた魔物は全部主の言う事をそれとなく聞くようになり、たまに生まれる知性を持った個体を中心としてある種の軍としての利用もできるという事だ。


 おそらく多くの巣を支配下に置くことが魔王としての格を上げることにつながるんだろうな。巣の数が支配者の軍事力に直結するだろうし。


 と、出口が見えてきた。話はこれくらいにしておこう。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 地上に出た。と同時に目に入る巨人、相変わらず大きい。この島にいる魔物程度では星龍を除いて傷一つ付けることもできないだろうからしばらくはここで待機させておく予定らしい。下手に動かしてもエネルギーを無駄にしてしまうとのことだ。


 それと、説明してなかったものが2つ。敵国の指揮官格のあいつと、星龍だ。


 人間の方はその辺に捕虜としてとってある。こいつの人質としての価値がどれだけの物かは知らないが、ないよりかはマシだろう。こいつらが戻ってこないことを怪しんだ本国がより大きい軍を送るかもしれないし謝罪のために使者を送って来る可能性だってある。その時にいれば便利だ。


 そして星龍。龍種は特殊なスキルか単純な超高出力で完全に肉体と精神を滅ぼさない限りはそのうち復活するらしい。今もその辺に寝てる。息はしてないけど。


 セレネ様曰く、龍種がこんな感じで人間に味方することはほとんどないらしい。操られてたかもしれないとのこと。その場合は一回殺したことで復活したころには人間が使った催眠術か何かも解けてるはずらしい。でも仮に星龍が自分の意思で来たというのなら、完全に滅ぼすだけだ。・・・手段は見当もつかんがな。


「では、そろそろ行こうかの。地上には独立した巣が2個と、3個の巣が重なり合ったものがあるようじゃ。まずは独立した2つをやろうかの。巣の数からして魔物はかなり多いじゃろうから気を付けるのじゃぞ。」


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 一つ目の巣に近づいてきた。この間に魔物の襲撃は5回くらい受けて、すべてルナが撃退してる。復讐ノ天使リベンジャーエンジェルを乗り切ったルナにとってはこの程度の魔物は簡単なようだ。三魔法球を使いこなして簡単に撃退していく。


 出現した魔物は大猿ラージエイプが5体くらいのグループが数回と、1回だけ大猿ラージエイプの亜種個体と思われる大水猿ラージウォーターエイプが出た。


 大猿ラージエイプはその名の通り大きな灰色の猿だ。身長が2メートルくらいあって、腕を振り回したり噛みついたりして攻撃してこようとした。そしてルナに瞬殺されてた。ドンマイ。


 大水猿ラージウォーターエイプ大猿ラージエイプより一回り小柄で180センチくらい、そして体毛が青に近かった。出会い頭に奇声を上げて腕をこっちに向けて振り下ろしたかと思うと空中に水が生成されてこっちに向かって放たれた。まあ、その水はルナの浮遊魔法に捉えられた挙句、それを撃ち返されて頭を貫かれて死んでたが。ドンマイ。


 ああそれと、セレネ様は異空間にものを収納できるスキルも持ってるらしく、今も猿どもを運んでもらってる。後で食べる予定だ。これも魔王になったら使えるようになるスキルらしいが、魔王、とても便利な種族のようである。


 と、巣が見えてきた。


 が、巣の前に数種類の猿が、巣を守るようにして展開してる。数十匹はいそうだ。穏便には済ませてくれそうにはないので、3人で協力して殺りましょうか。

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