その59 魔物の巣
んースッキリ!
昨晩寝る前に得た程よい疲労感、そのおかげでぐっすりと寝れた。でも記憶が曖昧なんだよな・・・。確かセレネ様に抱き枕指名されてから・・・そこから先の記憶が無い?おかしい。
・・・もぞもぞ・・・
あ、セレネ様が起きたみたいだ。もちろんちゃんと服は着てる。朝チュンなんてことはない。
「おはようございます。」
「うむ。お早うなのじゃ。ふぁあ、ん。良い朝であるな。」
あー欠伸してるセレネ様超可愛い。癒される。あくびしてる口元を小さな手で隠すところとかがもう最高。
と、それより聞かなきゃ。
「昨日の夜の記憶がほぼないんですけどどうしたんでしょうか?なんか抱き枕がどうたら・・・ってところまでは覚えてるんですがそこから先の記憶が無いんです。」
「お?貴様、面白いように感じおったぞ。なかなかに可愛いところもあったのじゃな。」
「えっ。ちょっと待ってください何をしたんですか。俺の名誉に関わって来るんで教えてください!」
「名誉?面白いことを言うのじゃな。そんなもの最初の5分で跡形も無く消えたぞ。貴様はあれじゃな。変態じゃ。幼女に踏まれて喜ぶ、幼女に押し倒されて喜ぶ変態じゃ。えろすじゃ。」
「いやまあ記憶ないんですけどね・・・。」
「じゃがまあ、安心するのじゃ。我は、貴様がどんな貴様であったとしても、貴様はずっと我のものじゃ。誰にもやらぬ。」
・・・え、セレネ様?ヤバい惚れちゃう。
「それに、貴様の体はもう我なしでは生きられぬ体じゃ。我が貴様にした調教のおかげでの。内容は刺激が強すぎるから記憶は消してあるのじゃが、今度は記憶は消さずにそのままにしておこうかの?フフフ・・・。」
え、ああ、結構問い詰めるつもりだったんだが・・・この調子だし何されたのか聞くのが怖くなってきたぞ。また今度にしておくか・・・。
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クイーンのところまでやってきた。ルナやセレネ様、エレメンタルスライムたちも一緒だ。
「みなさん来たようですね。国の所有者変更は何も問題なくできたようで何よりです。唯一ルナが王権を持っていないのが気がかりだったのですが暫定統治者という風に処理されたようですね。実際にスキルが手に入れば定着するでしょう。それで、本題に移りますが、3人にはこの島の内部と地上部分を平定していただきたいのです。今までは魔王様の封印が生活領域のすぐ近くにあったおかげで魔物は寄り付かず安全だったのですが、封印が破られたおかげで魔物が簡単に入って来るようになってしまいました。昨晩にも小さな襲撃があり、すでに被害も出ています。ぜひ、お願いします。」
「ふむ、それは申し訳ないのう。では、早急に取り掛かるとしようかの。貴様らはどうするのじゃ?何なら我1人でやるが。」
「一緒に行きます。ちょうどレベル上げもできますし。」
「なら私も行くわ。ちゃんと私が見てなきゃ何しでかすかわからないもの。」
最後のルナの発言が微妙に納得いかないが、そういうことだから出発だ。いや、それにしても俺とセレネ様ってそんなに何かやらかしそうかね?。
「ここじゃな。」
俺たちは今以前俺とルナがレベル上げをした場所まで来てる。この辺の奥に魔物の巣があって魔物がどんどん生まれてきてるらしい。
セレネ様曰く、魔物の巣っていうのは特定の魔物が生まれて来るんじゃなくてある程度決まった種類の魔物の中からほぼランダムで生まれて来るらしい。魔物の数だけ巣を潰さなきゃだと思ってたんだが、そうじゃないみたいで安心だ。
それにしてもさっきから魔物の多いこと。セレネ様曰く巣に近いって事らしい。納得。
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着いた。
道中はほとんどルナが処理してくれた。ルナみたいな遠距離攻撃要因が一人いてくれるだけで本当に助かる。格下相手なら近づく前に処理できるからな。
それにしても、魔物の巣ってのかこうもえげつない見た目をしてるのか。
蜘蛛の巣がいっぱい張った洞窟を想像してくれ。その蜘蛛の糸の太さを3倍くらいにしたやつがさっき想像したであろう洞窟の中に量でいうと10倍張ってる感じ。前に進めない。
それと、直径1メートルはありそうな巨大な卵が足元やら天井やらに黒色とピンク色が混ざったような色のゼリーに複数個埋まった状態でへばりついてる。何を言ってるのかわからない?心配するな、俺もわからない。
「では、始めようかの。」
え、唐突に何を?