その56 初対面?
とまあ、そんな感じで俺が色々焼いたりつまんだり、男衆が一発芸を披露したりして、みんな疲れて寝オチする奴らが発生し始めたところで祭りは解散した。それぞれ思うところはあったと思うがみんなの気が少しでも休まったと信じたい。
じゃ、俺も家に帰って寝ましょうかね。なんだかんだ言って侵略者の脅威は完全になくなったとは言い難い状況だ。明日は起きたらまた戦った場所まで戻ってどうなってるか確認だ。そのためにも今日はしっかりと寝ないとな。
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ドッ、ドッ・・・ゴッ・・・。
グォォォォ!!
ガッ、ドゴォォォォォォン!
「カイ、カイ!大変なの!外から大変な音がしてすごい揺れてるわ!・・・こんな状況なのに何でそんなにぐっすりと寝てられるのよぉぉぉぉ!!」
ああ、こちらこそおはよう。今日も可愛いね。
で、どうしたんだい?
「洞窟の入り口の方からすごい音がしてるのよ!早く行くわよ!」
おう、頑張ってこいよ〜。
「寝ぼけてるんじゃないの!カイも!来るのよ!一緒に!」
はーい。
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ふぃー、歩いてたらだんだん目が覚めてきたぜ。でもルナには恥ずかしいところを見せてしまったな。寝ぼけてたとは言え本当に恥ずかしいぜ。
「気にすることは無いわよ。それに、いいものも見れたんだし。なかなか可愛かったわよ?クイーンにも見せたかったわね。」
はっはっは。そんな嗜虐的な笑みを浮かべながら言わないでくれ。そんなドSみたいな子に育てた覚えはありませんよ?ほら、クイーンがすごい形相で睨んでるって。
「ほら、もう着きますよ!ふん。」
あーほら言わんこっちゃ無い。クイーンがイラついてらっしゃるじゃないか。
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さて、出口が見えて来たぞ。ここまで歩いてくる間にも例の轟音は続いてるんだが、その正体が全くつかめない。
普通ならここは外に人間の軍勢がいないか警戒するところだけど、なぜかそんなに多くの気配を感じない。
感じるのは4つ。
弱い気配が1つ。荒々しさを感じさせるもののその勢いを弱めてる気配が1つ。俺と同程度の気配が1つ。そして圧倒的強者の気配が1つだ。だがこの強者の気配も勢いを弱めているように感じられる。
この感じだと前に進もうが逃げようが最後の強そうな奴がやろうと思えば軽く俺らを殺せるような気がする。それほど強い。逆に言うと俺らがまだ生きてるってことは大丈夫なんじゃなかろうか。そうじゃなかったら・・・まあ、どうしようもない。諦めるしかないかな。
とりあえずは行ってみようか。
さて、外は晴れ。洞窟の暗さに慣れてしまった目にはちときつい光量ではあるが、目はすぐに慣れるもの。外の光をまぶしく感じなくなったところで目を再び開けてみると、雲ひとつない青空が広がってる。視界の奥には草木が青々と茂ってて朝露がキラキラと光ってる。爽快感の感じられる美しい景色だ。
では、もっと手前に目を向けてみよう。
まず地面、奥の青色から一転、地面にはクレーターが複数あって泥がむき出しになってる。よほどの高温が発生したのか、地面の一部分からは湯気が立ち上っており、地面に生えていた草が焦げている部分も複数ある。
次は地上、人間の軍勢が持って来たと思われる機材が散乱してる。機材には俺たちが迎え撃った奴らが持っていたものと同じ紋章が描かれている。
最後に人物、まず視界の左端には敵軍の司令官クラスかと思われる、豪華な衣装に身を包んだオッサン。そしてかわいい女の子。
逆に視界の右のほうに目を向けると、そこには体長10メートルはありそうな、四足歩行で横幅が体長と同じくらいはありそうな翼をもつ、半透明な赤と青が体表でゆっくりと流動する巨大な龍。そいつと、腕が4本ある体長5メートルはあるような赤肌の巨人が殴り合ってる。
一体どうなってんだよチキショウ・・・。
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オッケー、人物についてもうちょい話そうか。豪華男と龍の2人(?)はいいとして問題はロリと巨人だ。
まずは巨人。さっきも言った通り身長5メートルはありそうで、しかもゴリマッチョ。でもなぜか執事みたいな格好をしてる。しかもスキンヘッドにモノクル。さらにさらに腰には刀を2本、背中にはハルバードを担いでる。しかしなぜか戦闘では一切使ってない。
わけがわからないよ・・・。
そしてロリの方。髪の色は深い真紅、腰の辺りまであって結んでないストレートだ。目の色は金と銀のオッドアイでちょっとつり目ぎみだ。服は黒と赤をベースとした革のブーツとコート、後はホットパンツみたいなの。ところどころ金をあしらってて綺麗。
覗くおへそと太ももが最高ですありがとうございます。
と、ロリの方が何か言うようだ。
「カイか。待っておったぞ。」
綺麗な笑顔を見せながら言ってくれる。その口調と声ってもしかして・・・。