その55 天使食
肉を配り終わった。
途中で鎧熊の肉がなくなってデスウルフの肉にも手を出したんだがそれでも足りなかった。ルナが鎧熊を追加で狩ってくれてなければ確実に足りなかったぞ。本当に助かった。まさかキメラの食欲がこれほどだとは思わなかったぞ。
さて、今回の肉に関してみんなの感想を聞いてみたんだが口々に美味しいと言ってくれてうれしかったよ。でも、肉に塩をつけるという文化がなかったようで、俺がその辺の壁面からとってきた岩塩を振りかけた時点で回りがざわつき始めて逆に焦った。何か鉱毒的なものがあるんじゃないかって。まあ大丈夫だったんだが。
じゃ、話はこれくらいにしてメインディッシュに移るとするか。ご存じの通り、復讐ノ天使だ。
鎧熊やデスウルフの時みたいに皮を剥いで、実はさっきまでの素材を利用したすごいものができたんだ。鍋、の中にある大量の油だ。これで揚げ物ができるぞ!まあ、植物性脂肪じゃなくて動物性脂肪だからさっぱり感も糞もないしかなり体に悪いと思うが、揚げ物ができるんだ。どうという事はない。
という事で、剥いだ復讐ノ天使の皮を油の鍋に投入!
んー、いいパチパチ音だ。さて、肉に戻ろう。
肉もちょっと揚げてみたいな。一辺2センチくらいの立方体を大量生産して、油に向かってshooooooot!超、exciting!うん、よいこの皆は熱い油で遊ばないようにしような。危険だぞ。
じゃあ次は、シンプルにステーキだな。鎧熊の時と同じようにして焼いていく。
うーん、熊とかと比べると人型な復讐ノ天使は肉が少ないな。我慢するしかないか。揚げ物も出来たんだし。
揚げ物と言えば、そろそろ終わりそうだな。出してみるか。
ざぱーん。(油から出す音)
ひょいとつまみ食い・・・塩が足りない。かるく塩を振りかけて・・・おお、悪くないね。
じゃあさっきから涎を垂らしながらこっちを見てる方々にも配りましょうかね。
うんうん、旨そうに食ってるようで何よりだ。復讐ノ天使は属性的に強い光だから大丈夫か少々心配だったんだが問題なかったようだ。
ああちなみに、俺とルナは今回の立役者(?)だから一番多く食えるらしい。うれしい限りだ。おっ、ステーキもちょうど焼きあがったし食うか。
むしゃむしゃ、ごくん。
う、うまい・・・。鎧熊やデスウルフなんて目じゃないぐらいうまい。うまいんだが・・・さっきから口の中がひ微妙にしびれてるのはなぜだろう。ほかの奴らに聞いても自分たちは何もなかったと言ってる。ルナは、ルナはどうだったんだ?
・・・あ、すげー顔しかめてる。
これはルナも何か感じてるようだ。どうして俺とルナだけ?・・・わからん。後で考えとこう。
まあ、味は美味しいからいいんだけど、この何とも言えない刺激がな。とりあえず完食、うまいっちゃあうまかった。