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その49 復讐ノ天使

投稿ミスでこの話が完全に抜けていました。

この話の挿入に伴って前後数話に小さな変更があるかもしれませんが話の大筋に変化はありません。

 俺が放出した莫大な量の闇属性の魔力が周囲を覆っていく。


 “天使”が発動した天光エンジェルグロウによって放出された大量の光属性の魔力が俺の肌をじりじりと焼いていくが、俺が放出する闇属性の魔力で強引に相殺する。さらに多めに放出して空間内に俺の闇属性の魔力をだんだんと蓄積させていく。


(ちなみに、光属性の魔力と闇属性の魔力の中和反応、もしくは対消滅と呼ぶほうが正確かもしれないが、が通常の物質と同じように進行すると仮定すれば膨大な量のエネルギーが発生して今頃大変なことになってるはずなんだが、そうじゃないということはもしかしたら魔力は質量、電気的に中性なのかもしれない。実際、魔力は前世にはなかったし俺は高名な物理学者でも何でもないから考えるだけ無駄なのかもしれないが、こういうものは思考実験や考察だけでも楽しいものだ。さて、戦闘に話を戻そうか。)


 俺が悪魔の魔法棘デビルズスティンガーで作った闇属性の魔力結晶槍が“天使”の足元に次々と刺さっていく。


 刺さる配置に特別な図形的意味はない。“天使”の周囲をざっくりと囲むことができれば十分だ。


「何だこれは?妙な槍だな。背中の鞘のようなものから抜いたようだが・・・大した脅威とは思えんな。小賢しい」

「まあ、そう思ってくれるんならこっちとしては有難いよ。じゃあ発動。」


 その合図とともに、俺の技の第2フェーズがはじまる。


 第1フェーズは闇属性魔力の拡散と闇属性の魔力結晶槍の配置。普通ならこの後に敵を魔力結晶槍で作ったエリアに誘導する必要がある予定だったんだが今回は油断してくれたおかげでその必要はなさそうだ。


 第2フェーズの正体は収束。魔力結晶槍はアンテナの役割を果たす。空間内にさっき充満させた闇属性の魔力を一気に魔力結晶槍に流れ込ませて〝天使”とらえるための結界のようなものを作る。


 まだ理論だけだったし実際に成功してくれるかはわからなかったけどうまく成功してくれたようだ。


 この魔法、闇の棺ダークコフィン。ほかの属性でも作れるはずなんだが種族上闇属性が一番扱いやすいし、相手の属性も考慮に入れるとこれが一番いいだろうかと思った。


 今あの中は光属性を強く持つ敵にたいして強力な持続ダメージが入ってるはずだ。〝天使”にとってはさぞ辛いだろう。


 〝天使”はしばらくもがいた後動かなくなった。まだ息はあるようだがもはや虫の息だ。ある程度のギャンブルではあったが、勝つときは案外あっさり勝てるもんだな。


 だが、成功してくれたようでよかった。これが失敗してたらかなり決め手に欠けてたからな。下手したら結構危ないところだった。相手がまだ天使としての力に慣れてなかったのと、油断してたおかげで勝てた感じだな。


 まあ勝てたんだ、結果オーライって奴だ。


「さて、戦いが終わったところで、お前を殺す前に名前を聞いておこうか。」

「ふざけるな、化け物に教える名前など無い。ぐっ、それにまだ魔獣人形ビーストパペットが残っている。まだ戦いは終わってないぞ!」

「いや、終わってる。魔獣人形ビーストパペットの方はルナが処理しといてくれたみたいだからな。泣きながらでもちゃんと魔獣人形ビーストパペットを処理してくれるルナまじでいい子。まあそれはさて置き、お前が戦闘不能になった時点で終わりだよ。」


 ここまで俺が言ったところで、〝天使”は不敵に笑むと、俺の目をまっすぐ見据えて口を開いた。


「そうか・・・だがな、お前は一つ誤解をしている。私はもともと生きて帰るつもりなど無いのだ。我々がなぜここに送られたかわかるか?お前らが我々にとっての脅威になり得ると判断されたからだ。だから脅威となる前に芽を摘みに来たのだ。お前らを殺さない限り我々は帰ることができないのだよ。」

「何が言いたい?」

「私はたとえ人間としての私という存在を完全に捨てても、我々の国における生きる意味を捨てても、お前ら一族をこの地上から、完全に消し去る。私の同士のために、そして私の国のためにもな。」

「ほう。動けもしないのに大きく出たもんだ。言ってることはご立派だが、今の状態でお前に何ができる?何もできないだろ。あきらめることだな。」


 そう。こいつはさっきも言った通りもう虫の息。今の状態で何かができるとは思えない。


「さっきも言っただろう。人間としての私を・・・・・・完全に捨てる、と。人間の身のままではお前と互角以下の勝負をすることが限界だろう。しかも慢心すらしてしまう弱い心を持つ私が勝つのは無理だ。ならば!人間という枠を超えればいいだけだ!覚悟するといい。」

「ふん、仮に人間を超えたとしても俺とルナがお前を殺してやるさ。」

「せいぜい頑張るといい。だが、皮肉なものだな。私は国を守るために国のもっとも根本的な教えに背いてしまうのだから。まあ、地獄で詫び続ける他ないだろうな。寛容な我らが神ならばきっと赦してくれるだろう。さて、完全に天使となった私は人間としての意識は永遠に失ってしまうだろう。お前が最後の話し相手だ。特別にお前の質問に答えてやるとしよう。私に名前は無い。ただの、将軍。そして、お前を殺す者だ。さあ、また地獄で会おう!!来い、復讐ノ天使リベンジャーエンジェルッ!!」


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