その41 新武器
と、武器の制作を始める前に、今回はある程度長く使える武器を作りたいから、今俺が持ってる下級鍛冶ではすこし心もとない。そこで、スキルのレベルを上げることにした。普通はスキルを繰り返し使ったりしてレベルを上げなきゃなんだが、鍛冶スキルに関しては別の方法がある
それがこいつ、
【鍛治の秘薬】
【秘薬という名前ではあるものの、作るのは非常に簡単であり、希少価値は限りなく低い】
【鍛治スキルを使用した際に高確率でいくつか生成される】
【作成した物をこれをたくさん集めたものに浸すと、作成者の適性、鍛治スキルのレベル、潜在能力、加護などにより、作成した物にスキルや神話生命体が宿る事がある】
【生物の体に害は無いものの、味は想像を絶するほどまずいとされる】
【これを飲むと低確率で下級の鍛治スキルが手に入る】
そう、こいつだ。あの後ジジイのところまで行ってこいつをたんまりともらっておいた。具体的にいうと大樽5杯分くらい。こいつを飲みまくれば鍛冶スキルのレベルが上がるはずだからな。
ジジイ曰く鍛冶の秘薬は鍛冶スキルを獲得させるだけじゃなくてそのレベルを上げる作用もあるらしい。どうしても作りたいものがあってスキルレベルが足りない時に使う最終手段とのことだ。
そして、下級鍛冶のレベルがカンストすると、スキルが中級鍛冶というものに変化して、スキルの自由度が大幅に上がるらしい。とりあえず今は中級鍛冶獲得を目指して秘薬を飲もうと思う。
さ、飲むか。
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【下級鍛冶のスキルレベルがカンストしました】
【下級鍛冶が中級鍛冶に進化しました】
【中級鍛冶獲得に伴い、刻印術、魔法刻印化を獲得しました】
・・・や、やっと終わった。もうおなかパンパンだよ・・・。
あの後結局大樽1杯半くらい飲むことになった。さすがにスキルレベルをカンストさせるのは一筋縄ではいかないな。
まあ中級鍛冶は手に入ったしほかの物も手に入ったから何なのか調べてさっさと制作に取り掛かろう。
【中級鍛冶】
【あらゆるものをそこそこの精度で鍛冶で作成できるようになる】
【鍛冶を行う時にある程度の補正がかかる】
【このスキル補助を得て作成した武器防具には特殊効果がつきやすくなる】
【刻印術】
【魔法やスキルに対応する刻印を物に刻み込み、魔法やスキルの性質を物に与えるスキル】
【ただしこのスキルでは基本7属性の魔法や単純な効果のスキルに対応する刻印しか自動的には作成できず、ニ属性以上の複合魔法に対応する刻印は自動的に作成できない】
【それ以外の刻印は自動作成されず、自ら魔法、スキルと刻印の関係を読み解いて作成しなくてはならない】
【作成方法を問わず、一度作成された刻印は永遠に記憶され、魔力を消費すればいつでも新たな刻印を刻むことができる】
【魔法刻印化】
【魔法に対応する刻印を作成するスキル】
【ここで作成された刻印は刻印術のスキルで物に刻み込むことが可能】
【このスキルで刻印を刻むことは不可能である】
【基本7属性に限らず固有魔法の刻印を作成することも可能となる】
【また、単属性の魔法に限らず2属性以上の複合魔法の刻印も作成することが可能】
【このスキルによって作成された刻印を物に刻み込む場合、通常の刻印を刻み込むよりも多くの魔力を消費する】
ざっとこんなもんだ。でも、刻印術と魔法刻印化は統合してしまおうか。似たようなスキルだし、分けて持ってても魂容量を圧迫するだけだ。
【刻印術、魔法刻印化の統合を行います】
【・・・・・・・・・】
【完了しました】
【刻印術、魔法刻印化は魔術的刻印術に統合されました】
【魔術的刻印術】
【魔法やスキルに対応する刻印を物に刻み込み、魔法やスキルの性質を物に与えるスキル】
【基本7属性に限らず固有魔法や2属性以上の複合魔法も自動的に作成することが可能となる】
【ただしスキルは単純な効果の物しか自動的に作成されない】
【一度作成された刻印は永遠に記憶され、魔力を消費すればいつでも新たな刻印を刻むことができる】
うん、こんなもんだな。
それともう一つ。最近ご無沙汰だったけど、俺は食うことでもスキルを入手できるからな。魔結晶・虹励起を食う。
むしゃむしゃ・・・
【形態:虹魔力結晶を獲得しました】
【虹魔力結晶作成を獲得しました】
まあ、効果は名前を見ればわかる。それに、こんな感じの物が手に入るのも予想してた。これなら問題なく計画通りの武器を作れる。
じゃあ、今度は実際に武器の制作に取り掛かっていこうか。
今回作るのは魔力戦闘における補助装置だ。今使用してる補助装置は聖魔銅刀で、通常戦闘においてはこれで問題ないのは間違いないのだが。星龍戦に向けてできる限りの手は尽くしておきたい。
設計図(?)はもう頭の中に浮かべてある。あとはそれを形にするだけだ。
まずは中級鍛冶を発動して魔結晶・虹励起の形を整えていく。
まずは背中の肩甲骨あたりにぴったりと張り付くような形状のベース。そこから延びる細長いパーツ、このパーツは上向きに伸びている。そしてさらにそこにつながった筒状のパーツ。これで原型は完成だ。
次に筒状のパーツの内側に虹魔力結晶作成のスキルの刻印を刻み込んでいく。
最後に、結晶がむき出しのままだと非常に脆いから全体的に魔鉄で補強して、細部を整えたり装飾を加えたりしたら完成だ。ちなみに装飾は悪魔をイメージした骸骨だ。そして全体の色合いは黒だ。
ああそれと、鍛冶の秘薬の説明に完成した武器を鍛冶の秘薬につけると神話生命体が宿ることがるみたいなことが書いてあったな。やってみるか。
ざぶーん(つけた)
ざぱーん(出した)
というわけで今度こそ本当の完成だ。ちょっと見てみる。
【悪魔の魔法棘】
【魔力戦闘用魔力結晶槍作成装置】
【内部に刻まれた刻印の効果により魔力を流すことで魔力結晶槍を作成可能】
【魔結晶・虹励起を内部に使用することによりこの武器を使うと魔力が増幅された状態で魔力結晶槍が作成される】
【この武器には下級悪魔の能力が宿る】
【この武器により作成された魔力結晶槍には自動的に呪詛効果が宿る】
【この武器を持つ者は困難を力で打ち破り、大いなる進歩を遂げるであろう】
【また、叡智を探求する時、この武器は大きな助けとなるであろう】