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その37 最終試練

 部屋の奥に設置してある玉座には金や赤を基調とした煌びやかな装飾が施されている。


 手を休めるための部分には、手を置きやすいように絶妙にカットされた拳大のルビーと思われる宝石が置いてある。ルビーは内部が仄かに光を放ってて、魔力的な何かが込められてるようだ。


 俺はこういうのはあまり詳しくないし、魔力的な部分まで考えたら実際どうなるかはわからないんだが、素人目に見ても、価値として数億は下らないだろうというのは予想に難くない。


 それ以外にも玉座の至る所に、前世では考えられない、ありえないくらい大きな宝石が散りばめられている。


 例えば背もたれの部分、背もたれの輪郭に沿って直径5センチはありそうな青色の宝石を中心として、十数個の色とりどりの宝石が埋め込められてる。


 部屋そのものはかなり単純な構造と装飾でで、全体的に真っ白の石素材で、柱が両側に数本ずつ、さらに真ん中に玉座に至る赤い絨毯だけだ。


 そのせいで単調な部屋と豪華な玉座の不和がかなりエグいものになってる。


【玉座】

【王権所有者のための座】

【玉座を所有できる条件は王であることではなく王権を所有していることなので、王制ではない国でも玉座はある】

【この洞窟においては、王ではなく洞窟の主が座っている】

【王城における攻城戦において大きな役割を果たし、玉座を壊し王族すべてを殺した時点でその国は王権の適用範囲外になり国として成立しなくなる】


 そしてその玉座に座ってる人物、


【セレニティの試練の洞窟の管理者】

【セレニティの試練の洞窟を管理している者】

【名前を付けてもらっていないので役職名で呼ばれている】

【試練の洞窟に挑む者たちそれぞれに最後の試練を与える】

【試練の内容はその時点で洞窟の管理者が決定する】

【直接戦闘力はないが強力な従者を一人呼び出すことができる】

【従者はとてつもなく強いが他人にダメージを与えることが不可能で主を守ることのみ可能】


 こいつは、俺をにらみつけ、物理的な圧力が発生してるんじゃないかと錯覚するようなとてつもない威圧感を発しながら口を開いた。


「お前だな、俺の嫌がらせを軽々とはね除けたクズは。俺があの文章を書くのにどれだけの時間がかかったと思ってるんだ?慣れない言葉を大量に使って、ただただ暇で、暇で暇でしょうがなかったから暇つぶしをしようと自分のポケットマネーまではたいてあれをしたのに、お前は、お前は自分が何をしでかしたのかを理解してるのか?万死に値するぞっ!!俺の時間を返せ!!」


 ああ、あの鍛治道具一式と一緒に送られてきたメッセージのことか。


 だがまあ、こいつは俺は悪いことをしたみたいな言い草だが、実際にはそうじゃない。面と向かって、その事を言ってやった。


「・・・いやあのさ、俺普通に何もしてないんだけど。」

「えっ?」

「えっ?」

「いやいやお前俺の暇つぶしのための計画を台無しにしたじゃねぇか。お前が俺の計画を潰したおかげで俺の時間が無駄になったんだぞ。」

「いやいやいやいや、俺はお前に対しては何もしてないだろう。確かに貰ったものを自分の為に利用しはしたが、お前に対しては何もしてないだろ。直接、お前に対しては。お前が勝手に何かして勝手に自滅しただけだ。俺は関係ない。」

「あぁ?屁理屈こねてんじゃねぇよ。いい加減にしねぇと大変な目に遭わすぞ。」


 はぁ・・・とことん話の通じない奴だな。


「おい、スライムたち、帰ろうか。俺こんなに話のわからん奴に用は無いんだわ。多分この洞窟の本当のゴールは別のところにあるんだろうな。うん。きっとそうだ。」

「あぁぁ分かったから帰るな。帰るな。試練の内容はこの紙に書いてある。こいつを達成できれば無事試練は完了。確かこの封印の空間から脱出しようとしてるんだろ。試練が達成できればちょうどいいスキルが手に入るはずさ。質問があればそこにいる執事のジィに質問しろ。さぁもう行け。行け。この辺でうろちょろされて何か汚されでもしたら大変だからな。俺の視界から消えるんだ。お前みたいな奴と会話するのが1番疲れるんだよまったく。」

「はいはい。」


 さて、試練の内容は何かね?


【キメラの島は、大魔王セレニティ封印の大きな役割を果たしている。キメラの島の謎を解き明かし、大魔王セレニティの復活に貢献せよ。(報酬は先払い)】


 ・・・え?

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