その34 確認
さて、この巨大な扉を開ける方法を探すと言ったな。・・・あれは嘘だ。まだやってない事がいくらかあるのを思い出したんでな。
まずは女王の魂だ。ミスター・ハイサムの時にやったように転生方を使う。倒してから少し時間を置いてしまったから、まだ魂が残ってるのかはわからないが・・・。
転生法を発動して数秒したところで、女王が自爆したあたりでミスター・ハイサムの時と同じように光の玉が発生した。その光の玉はゆっくりと俺の方に来て・・・何事もなく俺の胸に溶け込むようにして消えていった。大人しいようで何よりだ。
さて、転生法も無事成功したようだし次の作業に移るか。
確かにスライムたちとの意思疎通は現時点で不可能だが、鑑定を利用してこっちが一方的に覗くのは可能だ。
てな訳で鑑定。7匹は恐らく似たようなステータスやスキル構成になってるだろうから、今回は代表としてレッドだけだ。
【紅天魔属粘性生物】
【天使の因子と悪魔の因子を共に宿した状態でクリムゾンエレメンタルスライムが進化したもの】
【直接戦闘能力は相変わらず高くないものの、豊富な属性効果を利用できるようになり、知能も強化された事で、敵を罠にはめて倒す事が得意】
【神性と同時に魔性を宿すことからあらゆる宗教で異端の存在とされ、狩り尽くされた結果、その個体数は限りなく少ない】
なるほど、この大量の匠さんは罠に嵌めたというわけか。
『・・・』
ん?何か聞こえたような?
『あー・・・んっ。繋がったみたいですね。カイさんお久しぶりです。この通信は一方通行的なものでそちら側で発信したものはこっちには届かないのでご了承下さい。今日はこの通信が無事開通したということだけを伝えようと思って繋げました。』
『あなたが見てない間にこのスライムたちに私が作った因子を植え込んでおいたので進化して神性が増加しました。それで、スライムたちを媒介としてあなたにメッセージいつでも送れるようになった訳です。まあ今までとあまり変わらないような気がしなくもないですが、いつでも私からメッセージが来る可能性があるということを覚えておいていただければ大丈夫です。』
『最後に、あなたが開けようとしているその扉が、色々試行錯誤しても開かないのなら、最終手段としてはレベルを上げて物理で殴るというものがあるらしいです。面白いですね。まあ、頑張って下さい。』
そこまで言ったところでメッセージは途切れた。
じゃあ、転生神様のいうとおり、色々試してみて、無理そうならレベルを上げに行くか。