表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/76

その29 第1波

 匠さんが攻めて来てしまった。


 もうダメだぁ・・・お終いだぁ・・・。


 きっと俺は体全体を爆散四散されて死ぬんだとうなぁ。だってほら、俺の気のせいじゃなければ最近のアプデで爆発範囲と威力強化されたような気がするし。


 まあ冗談はほどほどにして、対策を考えていこうか。


 匠さんたちがあまり近づいてないこの時点で気づけたのは僥倖と言えるだろう。


 前世の匠さんならば視線さえ隠してしまえば被害は0に抑えることができたのだが、それは非現実これは現実。そんなに甘くはないと考えた方が良いだろう。


 使用するのは「砂壁」。それを改良したものを使っていこうと思う。


 砂壁のアイディアは爆破されても上に積んであった砂が落ちてきてバリケードを作ってくれるというものだ。こうすれば壁を何度も塞ぐことなく敵の侵略を妨害することが可能となる。


 まあ、現実ではサラサラの砂を高く積むのは不可能だ。これを可能にするために改良を施す。


 壁をひたすら厚くしたり、巨大な穴を掘ったりすることも考えたが、前者は魔力量の問題、後者は敵が積み重なってしまえば結局は突破されてしまうということで却下した。


 とはいっても何でこんなに面倒なことをしているのかという疑問もあるだろう。しかしその答えは非常に単純明快だ。


 何というか砂壁の方がロマン兵器感があって面白そうだからな。それ以外に理由なんて必要ないだろう。


 では早速建設に取り掛かろう。


 まずはこの巨大な扉の前を拠点として、扉を壁として利用しながら残りを円形の土壁で囲っていく。最終的には上から見ると半円に線をひっつけたような形になる。


 これで大まかな形は完成。


 今度はそこから1メートルくらい離したところにもう1つ土壁の半円を作っていく。


 現在の形は半二重丸に線をひっつけた形だ。これを2つくっつけて線を数本足せば立派なまんじゅう(特殊方言)マークだな!(変態並感)


 今度は二層の土壁の間に砂を貯めていく。砂はそこら中から調達できるし、ついでに壕みたいなものも掘れるから一石二鳥だな。スライムたちも砂運びを手伝ってくれて意外と早く終われそうだ。


 この時に砂に吸収の闇属性魔力を混ぜ込むことで、土壁が一部破壊されても砂がある程度形を保てるようにする。一発やられただけで砂が全部流れ出てしまっては元も子もない。


 そして今度は砂全体に水を浸透させて、爆発の衝撃を吸収するようにすれば・・・自動修復壁の完成だ。


 これで、匠さんたちが一点集中突破を狙わない限りは問題ない・・・と、信じてる。ぶっちゃけロマン重視だから性能はあんまり期待してない。


 匠さんたちも結構近づいてきた。


 そろそろ迎え撃つとしよう。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 しかし、現実とは非情なものだ。


 匠さん討伐にやる気を出してた矢先、遠くに砂埃。第2波が現れたようだ。


 おーまいがー。


 砂壁はそんな何発も敵の攻撃を耐えれるようには作られてないんだ。元々は俺がある程度敵を倒して行くつもりだったし。


 うーん、この数なら防衛が突破されるのも十分考えられるし。防衛設備の増築をしなければ歩く爆発物相手に壁の残りカスの上で白兵戦を繰り広げる事になるぞ。


 よし、作戦変更。砂壁は文字通り最後の砦として扱って、俺が敵を全部薙ぎ倒す方針で行こう。スライムたちは壁の内側で待機させてそこで安全にしといてもらう。


 俺が囮みたいな感じで敵をおびき寄せれば砦の損失も少なく保てるはずだ。ぶっちゃけ今回1番心配なのはスライムたちが死ぬことだからな。


 魔力は壁の建築でかなり消費してもうちょっとしか残ってないから、魔法はあまり使わないで基本物理で殴る事になるな。まあ、やりようはいくらでもある。砂壁はほぼネタのようなものだったし。


 うん。冷静になってみたらやっぱあんまりいいアイデアじゃなかったのかも知れん。まあ過ぎたものはしょうがない。今は対策を考えるのが先だ。


 じゃあ、匠さんが前世と同じ性質を持ってるという前提で対策を幾つか考えていこうか。


 まず、爆発の対策はこれといってしない。相手の爆発の強さもわからない、検証する時間もない、そんな状態で爆発を食らう前提で戦いたくはない。全部避ける。


 次、匠さんたちを殺すための作戦。具体的には最小限の魔力でより多くの匠さんを仕留める方法。こっちはある程度考えてある。まあ楽しみにしてなさいよ。


 じゃあ、あまり拠点に近づけれる前に迎え撃ったほうがいいだろうな。こちらから出向くとしよう。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 匠さんたちのところまで来た。だいたい匠さんの最前線から100メートルくらいだ。それにしても、ここから見るとすごい数だな〜。この数を1人で相手するのか。


 まあ、負ける気はさらさら無い。匠さんたちには、俺の新技の数々の実験台になっていただこう。


 今回の戦いのポイントは、魔力をできる限り節約しながら、漏れのないように敵を殲滅する、だな。じゃあ、始めようか。


 まずは新技その1。


 魔力爪。文字通り、魔力でできた爪だ。本来ならば魔力で実用的な大きさの爪を作ろうと思ったら結構な量の魔力が必要となるんだが、自分の爪をベースにする事でかなり削減できた。


 さらに、これにはちょっとした利点があって、一度魔力で作った爪は、俺が解除しようとするまでは魔力消費0で実体化させ続けることができる。もちろん徐々にこの魔力爪は消えていってしまうがそのスピードは無視できる程度だし減ったとしても補充するのに必要な魔力は微々たるものだ。


 ああちなみに、今回選んだ属性は風だ。何も無い純粋な魔力で作るのも可能だが、リーチが他の属性より長くて、スピードにも補正がかかるこれが良いだろうという判断だ。匠さん相手に戦うのにあまり近づきたくはないし、ヒットアンドアウェイを徹底したいからな。


 それじゃあ、Let's go!!


 ひたすら匠さんたちの軍団の表面の数匹を刈り取って離脱を繰り返す。幸い、匠さんは耐久性能はそんなに高くないらしく、直ぐに死んでくれる。


 あまりペースは速くないが、軍団に入り込んで行くより100倍は安全だ。


 それに、匠さんたちの動き自体はそれほど速くはないから、爆発とかする前に全員駆除できてる。


 そしておおよそ5分後・・・約100匹の匠さんの駆除が完了した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ