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その27 性

「点呼ぉ!!」

「「「「「「「ピュイィィィィィィ!!!」」」」」」」

「よろしい。ならば出発だ!」


 では行こうか。


 マッピングをする方法はないからな、かの有名な左手法で行こうと思う。離れ小島のような地形がない限りはこの洞窟内を一通り網羅できるはずだ。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 しばらく経った。探索はかなり順調だ。


「モォォォォ!!」


 バァァン!!


 道中で出現するミノタウロスはこの通り。直雷1発で確実に仕留めれるる。非常に楽だ。


 途中で遭遇して殺したミノタウロスは俺が腹が減ってるときは俺が食べて、残り物はスライムたちに食べさせるようにしてる。武器も含めてだ。単純に残すのはようくないだろうという事と、スライムに食べさせれば少なからず強くなってくれるんじゃなかろうかという計算もあってのことだ。


 探索続行。


 洞窟の中は特に何も無い。ただの岩の壁が続いてるだけだ。ぶっちゃけもうちょっとひねりが欲しいところだ。


「なあお前ら、何か面白いことしようぜ。暇だ。」

「ピィ?」

「と言ってもよくわからないか・・・。どうすれば伝わるかな。」

「ピ!」


 どうしたものかと思案してたらレッドが何かを思いついたようだ。


 レッドはグリーンにも呼びかけて2匹一緒に角の取れた星のような形になったかと思うとレッドがスキルの炎纏を使った状態でグリーンの周りを高速で転がり始めた。そこでグリーンが風纏を使って上昇気流を発生させる。結果として、洞窟の中には煌々と輝く炎の竜巻が発生する。10メートル程度離れた場所で竜巻ができたはずなのに、こっちにも熱波が届くくらい、なかなかの規模だ。


 竜巻が収まると、レッドとグリーンは満足そうに飛び跳ねてから再び歩き(?)出した。


 まあこんな感じで進んでる。スライムたちのおかげで案外退屈はしていない。


 それにしても、こいつらは見た目からは想像できないが、意外と頭がいいようだ。俺の言葉は完全にではないが多少は理解できてるようだし、ある程度の物理法則を本能的に理解してる節がある。


 と、ここで六感強化に反応ありだな。少し小さいような気もするが、どうせまたミノタウロスだろう。直雷発射準備。


 角を曲がった所にいたのは、壁に寄りかかり、青色の服を身に纏い、なぜだか顔にモザイクがかかった男性。おそらくここにいるはずのないだろう男性。その彼が、手を胸に当て、チャックのようなものを引き下ろしてから、口を開く・・・。


「やらないk「言わせるかよ!?『直雷ライトニング』ゥ!!」ふっ。」


 急いで魔法名だけを言って発射したせいで威力が落ちてしまったな。事前にちゃんと詠唱みたいなものを入れるとイメージを具現化しやすいからなのか、威力が伸びるんだよな。


 ってそんな事は今はどうでもいいんだ。反射的に消しとばしたけど、今のあいつは?どこに行ったんだ?


 ま、待て!?お、俺のケツが疼きやがる...ッッ!?


「後ろか!らせない!!」


 腰に巻き付けることで刀を収める鞘のような役割をさせてたワイトから抜いた雷炎鉄刀を全力で後ろ向きに薙ぐ!!


 手応えは・・・無い!?


「ピュイ!!」


 そんな声と共に俺の目の前にいたレッドが思い切り上に伸びあがる!


 そっちか!!


 こうなったら、即興の魔法だが、聖魔銅刀を地面に突き立てて地面に一気の魔力を込めながら叫ぶ。


「土よ、敵から身を守る壁となれ!『土壁ランドウォール』!」


 ドンッッ!!!


 俺が作った土壁にとてつも無い衝撃が走る!そして奴はそのまま土壁を殴りつける。壁にはだんだんとひびが入ってきて、今にも打ち砕かれてしまいそうだ。


 一回仕切りなおそう。


 そう思い、バックステップで距離を取りながら、風を軽く発生させることで砂埃を晴らす。


 砂埃が晴れたのその後に残っていたのは・・・


 無傷の状態のあいつ、ただしなぜか全裸になってた。


「フフフ、あの攻撃を避けるとは大した漢だ。気に入ったぞ。ここからは、全力で相手してやろうじゃないか。イクぞ!!『薔薇開華(ローズブルーム)』!」


 彼がそう言うのと同時に彼の股間から手のひらと同じくらいの大きさはありそうな薔薇の花が咲く。さらに彼の両手付近に光が収束していき武器を形成していく。ちょうど♂の先端を鋭くしたような形だ。


 具現化したそれをダガーのように手に握りしめながら彼は言う。


「さぁ、イクぜ。」


 ヤバい・・・ただのホモだと思ってたら、予想よりずっと強そうだぞ・・・どうする?


 いや、方法はあるんだがな、魔力の消費が荒いからできる限り温存しておきたかったんだがなあ。まあ、今は他に出来る事は無いし仕方ないか。


 だが、これはかなり精密な魔力操作が必要だから敵に直接触れる必要がある。まあ、やるっきゃ無い。


 てか、ん・・・もしかして主神が言ってた強いやつってこいつのことなんじゃなかろうか?だとしたら大火力で一気に葬るのが吉だな。


 オーラ:風で背後向きの気流を発生させてスピードを強化。


 全属性魔法を得た事で俺はそれぞれの魔法の事が手に取るようにわかる。そしてこの魔法の真髄はそれぞれの属性を自らの手足のように扱う事にある。魔法の上位スキルを除いて、このスキルを極めればある種の魔法の究極状態に至れるだろう。


 今の俺では使いこなしはできないが、ある程度扱うことはできる。


 原理が単純な魔法ならさっきの土壁みたいに即興で発動できるという事だ。


 俺の魔法の研究の意味ェ・・・。


 一旦スピードを強化したらあいつに一気に駆け寄り雷炎鉄刀を思い切り振りかぶる。


 ガキィン!ガキィン!


 奴は手に持ったダガーのようなもので俺の攻撃を受け止めてくる。しかしこうして打ち合いながら少しずつ奴の足元に吸収の性質を持った闇属性の魔力を送る事を忘れない。


 これで多少はあいつも固定できるはずだ。


 ガキィン!


 打ち合いながら隙を見る。


 そしてある程度闇属性の魔力が蓄積したところで奴は異変に気付く。一瞬だけ注意が下に向き、手元が疎かになる。


 この隙を待ってたんだ。


 一気に踏み込んで、手を触れる。


 そしてフルパワー物理超越!!電子が対を作ろうとする性質を解除!


 発動した瞬間、俺の手に触れてたものが消えていく。まあ、これを発動すると俺の手に触れたものが全て原子単位まで分解されるんだから当然だ。


「ぐ、ぐふぉあ・・・く、お前の圧倒的に情熱的な性、見届けたぜ・・・。」


 ・・・うざっ。

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