その20 1日目、2日目
さて、ミノタウロスを倒せたのはいいんだが、腕が犠牲になってしまった。というわけでしばらくは療養期間だ。
この間にやっておきたいことを今のうちに挙げておこう。
1腕を治す
まあ当然だな。腕が治らなきゃ何にもできないからな。それに、腕が治らない限りは俺の体力は0から動かないだろう。まあ、安全は確保できてるんだし気楽にやっていこう。
2強くなる
腕を直したところで、ミノタウロスを簡単に倒せるくらいにはなっておかないと出て行く意味がない。また大怪我して戻ってくる事になるだけだ。ヘマをすれば死ぬ可能性すらある。しかもミノタウロスはこの洞窟の中で最下位の強さの魔物ときた。ミノタウロスを簡単に倒せるようになるのはこの洞窟攻略の必須条件と言えるだろう。
ま、今のところはこの2つがメインかな。
ああそれと、「強くなる」の内容だが、主に新魔法の開発、それと戦闘に役立つスキルのレベル上げをやっていこうと思う。
まあこんなとこか。今日はひとまず寝るとしよう。グッナイ!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
1日目
今日から日々の出来事の記録をつけてみようと思う。というのも、寝ようとした瞬間にこんなメッセージが出てきたんだ。
【ミノタウロス討伐の達成が確認されました】
【冒険の記録書を獲得しました】
【冒険の記録書】
【その日の出来事を記す事により、次の日ボーナスを得ることが可能】
【また、運が良ければ大魔王セレニティから声をかけてもらうことができる】
という事らしい。
ボーナスが手に入る上にセレネ様との意思疎通が可能になる。書かない手は無い。
じゃあ、今日の出来事。
回復は基本的に自然治癒任せだからやった事は特になし。体力の数値は0のままだが昨日よりも腕の痛みが少し引いてる。体力が回復したそばから傷の治癒に注ぎ込まれてるからだろう。
スキルのレベル上げに関しては筋トレを中心的にやったところ、筋力、集中がそれぞれ4に、筋鎧が3に上がって、新たに超回復強化というスキルが手に入った。
【超回復強化】
【筋肉の超回復を強化することで筋力系スキルのレベル上昇を強化する】
なかなか良さそうなスキルだ。これでトレーニングの効率が上がる。
そして魔法の開発。
魔法の進展は、雷魔法を使えるようになったという事だろう。スキルとしては持ってたんだが、別に上手く扱えたわけではないからな。なんとか実用の域に持って行けた感じだ。ここから先はこの雷魔法でいろいろやっていこうと思う。
だが、それに比べて光魔法はほとんど進展がないと言っていいだろう。実用とは程遠い。まだ豆電球程度の光を出せるくらいだ。正直洞窟内で光源として使おうにも心許ない。
原因としては俺が大魔王の加護を得た事で、生物としてより闇に近い存在になったからだろうか?光魔法を使おうとするたびに大魔王の加護が全力で反発するのを感じる。どうしたものか・・・。
ああ、ちなみに、獄炎魔法と雷光魔法は全く使えない。多分、単属性の魔法のレベルを上げておかないといけないとか、2属性の魔法を使うためには特殊なスキルが必要だとか、そんな理由だろう。
まあでも、炎魔法と闇魔法を同時に発動させるだけでそれっぽい事はできるからな。そこまで意識する必要はないだろう。
ま、今日はこんなものかな。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
2日目
朝起きたら樽がいくつか置いてあった。これがスキルの説明に書いてあったボーナスだろう。にしても、誰が持ってきたんだろう?
まあどうでもいいか、異世界だし(適当)。
ちなみに内容は、
鉄
銅
樽いっぱいの水
鍛治の秘薬
手紙×2
そして部屋の隅に炉が増設されてた。ぶっちゃけ反応に困るな。こういうボーナスって食料とかやるもんじゃないの?まあ俺は食料じゃなくても全く問題ないけど。
とりあえず手紙を読んでみようか。
【試練を受けているものへ】
【さて問題!このボーナスは何でしょう?・・・ブー!!時間切れです!正解は鍛治セットでした良かったね〜これで鍛治ができるね!え、何かな?食料が良かった?へー、まあ俺の知った事じゃないけど。もしかして食料なくて困ってる?飢えてる?ざまぁwwwまあせいぜい苦しむといいよ。じゃ、またね〜】
【試練の洞窟の管理者より】
うわうぜぇ。
まあ、俺としては鍛治をする願っても無い機会だからむしろありがたいんだけど。じゃあ明日あたりに新しい武器を作ろうかな。
それにしてもこの試練の洞窟の管理者って奴はアホなのか?俺がどうやってこの数ヶ月生きてきたと思ってるんだ。今更別の食料が必要なわけ無いだろう。
まあそれはさて置き、今日は光魔法と雷魔法の練習、そして筋トレに努めた。
筋力のレベルが6に、集中と筋鎧のレベルは5に、そして雷魔法のレベルが3に上がった。
超回復強化の効果が早速現れてるようで何よりだ。
さて、そろそろ寝よう。