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その19 一方そのころ~ルナ~

 カイがいなくなった!ど、どうしよう・・・。べ、別に心配してるわけじゃないけど、ただ、どうなったのかちょっと気になるだけよ!クイーンなら何とかできないかしら!?


 それで、クイーンのところに報告に行ったわ。


『では、その場所に案内してください。』


 やっぱりクイーンは頼もしいわね。いきなりいなくなった誰かさんとは違って。


 私はクイーンを案内したわ。そしたらクイーンは魔法陣の色を聞いてきたの。変なの。


 でも変でもクイーンに聞かれたら答えないといけないわ。当然よね。ゥいーんだもの。それに、教えたらカイが早く戻ってきてくれるかもしれないし・・・。だから答えたわ、真っ黒だったって。そしたらクイーンは何かがわかったらしいわ。さすがクイーンね!


 ・・・でも、カイの事でからかうのはやめて欲しいわ。


 家に戻ってきたわ。クイーンが何かするって言うから私もついていきたいって言ったのだけれど、もう遅いからってママに返されたわ。それと、しばらく会えないかもって言われた。


 次の朝目が覚めてクイーンのところに行こうとしたら止められたわ。まだ起きてないんだって。何かのスキルの効果で疲れてるらしいけどクイーンも大変ね。まあ、私は優しいからクイーンが起きるまで待っててあげるわ。


 さらに2日間経ったわ。朝起きたらみんなクイーンが目を覚ましたっていうの。だからクイーンに会いに行ったわ。


 この2日間で私はいろいろ考えたの。カイの事とかクイーンの事とか。それで思ったの。カイが戻ってきたときはカイがびっくりするくらい強くなっておこうって。


 カイのびっくりした顔を見るのが楽しみだわ。


 べ、別に会うのが楽しみなんじゃないわよ!


 それで、その事をクイーンに報告に行ったわ。


『・・・あぁ、ルナたんはかわいいなぁ・・・。疲れた体に沁み渡ります・・・。』


 やっぱりクイーンは隠してるつもりなのかしら?考えがだだ漏れだわ。まあいつもの事だしもう慣れたけど。さて、


「クイーン!私、強くなりたい!それで、カイが戻ってきたらたっぷり驚かせてやるの!だから、手伝って!」


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 レベルを上げるために外の洞窟にきたわ。


 クイーンは手伝ってくれるらしいけど、準備がいるからしばらくは1人でしなさいだって。クイーンがそう言うんだったら、私は全力でママの準備ができるまで魔物を狩り続けるだけだわ!


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 あれから半年が経ったわ。


 私は2回進化できた。カイはまだ帰ってこない。でも、絶対に帰って来るわ!クイーンが絶対に大丈夫だって言ってたし、それにカイは私の眷属。あと、前にカイをハグした時に手に入った運命の赤い糸って名前のスキル。この二つを通してカイがまだ生きてることはわかるわ。それどころか、そのつながりがどんどん強くなっていってるような気もする・・・。


 さあ、今日の狩りも終えて、家に戻る事にするわ。最近ではこの周辺の魔物は簡単に狩れるようになったし、もっと遠くの場所で狩りをしたら段違いのスピードで強くなれてるような気がするのよね!


 でもそこで私は奇妙なことに気づく。


 間違いない。何か、いるわ。


 そのとき、何かが通路の先から顔をのぞかせる。スライムのような形。でもちょっと大きいしなんだか燃えてるようにも見えるわ。全く見たことのないタイプのスライムね。


 クイーンに進化祝いに貰った鑑定を使ってみるわ。


【ハイフレイムエレメンタルスライム】


【レッド】


 ハイフレイムエレメンタルスライムって言うの。名前までついてるわ。


 すると、さっきこいつが出てきたのと同じ通路から同じような色とりどりのスライムが出てきたわ。そして七匹で集まって私に何かを訴えようとしてるみたい。


「「「「「ピューイ!ピュ、ピイイイイイイ」」」」」


 かわいいけど、何を伝えようとしてるのかは私にはさっぱりだわ。


 うーん、どうしたものか。ここでこの七匹は殺してしまってもいいんだけど・・・。そう思ったその時だったわ。


「お〜。レインボーエレメンタル、ここにいたのか。それに、そこにいるのは・・・もしかしてルナか!?久しぶりだな。会えて本っ当にうれしいぞ!てか、また一段と可愛くなったなぁ。」


 カイだ。すぐそこにカイがいる。顔が紅潮していくのを感じる。顔が熱い。ずっと会いたかった。もう、ダメだわ。


「あ、あんたにそんな事言われたって嬉しくないわ!勘違いしないでよね!あんたに会いたかったとか、会えて嬉しいとか、これぽっちも思ってないんだから!!カイのばかぁ!!なんで早く帰って来なかったの!?私・・・ずっと会いたくて寂しかったのよ!うわあぁぁぁぁん!!!」


 私は逃げたわ。恥ずかしかったんだもの。恥ずかしい時は誰だって逃げるわ。でも、なんだか心がすっきりしたわ。でも私にこんなに恥ずかしい思いをさせたカイはあとできっちりとオシオキしなきゃね。


「・・・あぁ、やっぱりルナたんはかわいいなぁ・・・。」


 私は逃げ足を早めたわ。


 頬が緩んでしまってきっと変な顔になってるわ。こんな顔カイには絶対に見せられないわ。

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